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自心を知り育む-心の礎の手引き-21

№21.謝意を伝える

※「謝意」には次の2つの意味がある。

①感謝の気持ち
②過ちを詫びる気持ち。
 謝罪の心と謝意の気持ち

」の漢字は「言(葉)で射る」と書き、
「心(言)を、言葉を使って相手に射す」
と言う意味を持つことから「わびる。あやまる」
という意味や「礼を言う」という意味で使われる。

🙇謝意の表現!

💖感謝の「ありがとう」

💙謝罪の「ごめんなさい」の表現伝達

社会で話題になった
心の不明なパフォーマンスだけの土下座?
や政治家や経営者など様々な人の謝罪会見上
での謝意の伝え方を紐解くみます。

謝意の表現伝達

私達大人が心からの謝意「ありがとう」と
「ごめんなさい」を言える人に成りたい
と思っていても、いざ伝えるとなると
ガチで相手に伝えることは中々難しいことです。
※ガチ(出典デジタル大辞泉)
《俗語。「がちんこ」から》真剣に。まじめに。本気で。

感謝の「ありがとう」と謝罪の「ごめんなさい
この二つの言葉は簡単に言えるようですが
ガチで相手に表現伝達することが難しいなぁ、
と様々な場面で実体験して来ました。

謝罪の基本姿勢は、
背を丸めて身体全体を小さくし
自戒している姿が解るように意識する。
同時に事実に対し、本気で真剣に
誠実さと自戒が感じられる謝罪をする。
何に対しての謝罪(お詫び)するのか
主語(対象となる事象)を明確にする。

🙇謝罪時の心得

🔲主語のない「申し訳ございません」
  のみを使って謝るのは厳禁。
🔲謝罪やお詫びを相手に伝え表す時、
    先ずは自分の心身の姿勢に気を配る。
🔲こちらの誠心誠意を示す姿勢で臨む。
🔲それには礼儀正しさ、相手に謝意が
 伝わる服装(黒よりダーク調)が何より。
 また、相手に促されるまで座らない、
 出されたお茶に口をつけないこと。
🔲お辞儀をする際、背筋が曲がっていたり、
 軽く顎を下げたり頭だけを下げたりする程度の
 姿勢態度では、本気で謝罪する気持ちが
 相手に伝わり難く、悪印象を与え兼ねません。
🔲真摯な気持ちを姿勢に表し伝えることに徹すること。
🔲手を後ろに組む態度は自己顕示と
  受け止められ易いから避ける。
🔲手は真横(男性はズボンの縫い目に合わせる)につけるか、
  或いは、肘を張らないように心掛けて前で組むこと。
🔲この時、指と指の間に隙間が出来ないようにする。
     (指先にも緊張感を出す)
🔲お詫びをする時に頭を下げる場合、
    最も丁寧な位置になる正面から頭を下げます。
🔲背筋をきちんと伸ばして、45度以上(90度迄)の
    お辞儀を用いて丁寧にゆっくり下げる。
 深々と下げ切ったところで謝意を伝えたい
   気持ちを強く意識し、暫く停止する。
※心から自分が自戒し反省し、
 相手に心底からお詫びする気持ちを素直に表す。
🔲曲げた身体を起こす時は、下げる時より時間をかける。
  (1.5倍程度迄)
🔲目線はやや下向き目力を抑えるよう意識し、
  顎は胸と水平かやや引き気味にする。
🔲口は真っ直ぐ結び、口元は下げ気味にする。
🔲欧米人は罪の文化、日本人は恥の文化の民族です。
    状況によりますが、相手に謝ることが
   人として恥と自戒し、恥ずかしいという感情と
  言葉を表現した方が受容れて貰い易いと自覚する。
🔲言葉使いで注意するのは、
  一人称の「が=我」を使うことは避ける。
★自分自身の要望、依頼、要求を意図する言葉は厳禁。
 例) 御指導、御鞭撻、御支援、御協力、御理解などは避ける。

📖心得ておこう<不の熟語>

不心得・不徳・不躾・不手際・
   不行届き・不作法など不の熟語
参照記事👇

1. 不安:「不安を抱かれるような応対を致しまして申し訳ございません」
2. 不行届き:「不行届きな点はどうかお許しくださいませ」
 「〇〇の不行届きが御座いまして、誠に申し訳御座いませんでした」
 「今後不行届きのないように従業員一同、
  心致しますので、何卒お許し下さいませ」
3. 不手際:「不手際がある」
     「不手際をお詫び致します」
             「不手際な応対」
4. 不作法:「不作法な振る舞い」
             「不作法を詫びる」
             「礼儀(礼節)を弁えぬ不作法な振る舞い」
5. 不躾(ブシツケ):「不躾な態度」
                        「不躾な質問なお願いですが」
6. 不適切:「不適切な発言」
             「不適切な表現」
             「不適切にも程がある」
7. 不心得:「不心得な言動」
             「不心得を叱る」
             「不心得なこと」
8. 不徳:「これもすべて私どもの不徳の致すところでございます」
9. 不肖:「不肖ながら誠心誠意努力いたします」
           =未熟ながら力一杯やる覚悟です
10. 不注意:「不注意からクレームが起きた」
              「不注意な一言がお客様の心を傷つけた」
11. 不都合:「不都合なことをしでかす」 
              「不都合な場合」
              「不都合な振る舞い」
12. 不本意:「けがの多い不本意な年」
              「不本意ながら承知・同意する」
              「不本意な結果」
13. 不謹慎:「不謹慎な態度」
               「不謹慎な発言」
               「不謹慎な行動」 
               「不謹慎をとがめる」
14. 不愉快:「不愉快になる」
              「不愉快な思いをいたさせまして誠に申しわけございません」
15. 不快:「不快を覚える」
           「不快な気分」
           「不快感な思いをする」
16. 不如意:「手元不如意な生活」
              「不如意な結果」
17. 不明瞭:「不明瞭な態度」
              「発音が不明瞭」 
              「不明瞭な会計」
             「不明瞭なメニュー」
18. 不公平:「不公平な処置」
              「不公平感を与える」
              「不公平な応対」
19. 不慣れな:「不慣れな手つき」
                 「不慣れな仕事」
20. 不利:「不利な取引」
            「不利な立場」
21. 不真面目:「不真面な態度」
                 「不真面目を装う」
22. 不恰好:「不恰好な制服」
              「不恰好な姿」
23. 不向き:「不向きな部屋」
              「不向きな仕事」
              「向き不向きがある」
              「商売には不向きな性格」
24. 不足:「不足な顔をする」
           「まだ不足を言う」
           「円不足する」
           「人手不足な時」
25. 不利益:「不利益を被る」
               「当方に不利益な処置。
以上主な「不」熟語とその使用例。

🙇謝罪のマナー、所作を身に付けよう!

謝罪の所作

🙇謝罪で必要な心得(意識)と姿勢態度

🙇言行と態度<⇒の内容を以下の①と②に別ける>【 】
① 個人や限定された人が対象となる場合の謝罪。
② 対象の顔が見えない不特定多数(=国民・ファン)への謝罪。

謝罪時の心得と姿勢態度のリスト

⇒謝罪の対象を明確にする【 】
 =何に対しての謝罪か主語(対象の事象)を明確に
⇒応対(≠対応)の心を以って【 】
⇒自戒(反省)の言葉と傾聴の意識=身体全体を小さく・正対に意識【 】
⇒姿勢(最敬礼・敬礼・土下座の姿勢)・スーツの釦は外さない 【 】
⇒態度≒思惑・目を意識したパフォーマンスはしない【 】
 (※1平身低頭・体に隙間を無くす
 =指/両足/膝/腕と体・肩肘を張らない)
⇒表情【 】
 (口は結ぶ・口角は下げ・上目や横目遣いは否・顎を下げる・※2笑顔無)
 ※1.「平身」=身をかがめて低く構えること。「低頭」=頭を低く下げること。
 ※2笑顔⇒いかなる時も表情は崩さず口角は上げない。
⇒気持ち=意識【 】
 (恐縮・肩身が狭い・恥・肩肘張らない・居た堪れない・バツが悪い)
⇒社会人としての責任(義務)の自覚認識≒コンプライアンス【 】
⇒嘘や言訳は一切しない【 】
⇒潔さ(≒覚悟の自覚)【 】
⇒誠心誠意【 】
 (≒応対の意識・正直・真剣・本気・受容)
⇒緊張感の表現【 】
 (つま先から指先に至るまで)
⇒一人称の思考や言葉(が=我)は使わない【 】
⇒言葉はゆっくり目に心掛けシッカリと言う【 】
⇒不明確な言葉遣いはしない【 】
 (場合によっては断ることも有)
⇒礼儀正しさ、相手に謝意が伝わる服装(黒よりダーク調)が何より。【 】
⇒手を後ろに組まない【 】
 (偉そう・自己顕示に見える)
⇒促される迄は着席しない【 】
(参考)◎態度&姿勢

二つの姿勢

<態度>
 
目に映るリアルな事象を言う。
 基本的に対人関係上で使う言葉。
 誰か相手と相対する際、
 人の言動、立ち居振る舞い。
<姿勢>
 
相対する人のリアルな見た目、
 バーチャルな意識を言う。
 基本的には、相手のむ見た目の状態を言う。
 何か物事(事象)に対する人の気の持ちの様を意味する。

💑謝罪時のマナー

🔵覚えておきたい謝罪の言葉
【立場が人の心を変える】
 ⇔
人生での学びから
※自分の公私の立場、保身、
 人の目(思惑)を意識せず謝罪すること。
 相手の気持ちに寄り添い、
 誠心誠意の心で正対して応対すること。
 社会生活上で一般的に使われている
 主な<一人称>の言葉は
  「失礼(しました)」
  「ごめんなさい」
  「すみません」
  「申し訳ございません」
  「○○御詫び致します(申し上げます)」

<二人称>には
「お許し下さい(ませ)」
「御勘弁下さい(ませ)」
「御容赦下さい(ませ)」がある。
反省や謝罪(謝意)の熟語は弱い方から
失礼(しました)<ごめんなさい
<すみません<申し訳ございません
の順

ごめんなさい」は、
相手がある<二人称>
「すみません」は自分が主の<一人称>

先の「ごめんなさい」は、
相手に「どうか免じてください」の意がある
許しを請う「御免なさい」が変化した言葉です。
詰り、相手に免じて(許して)貰いたいと
言う「要求」が見え隠れするため、
心からの申し訳ないという気持ち
が伝わり難い言葉と言えます。

一方の「すみません」は、
武士が使った「あい済まぬ」が元とされる、
自分自身の気持ちが相手に対し
「済まない」を丁寧に表す言葉で
「謝るだけでは済まないことを
してしまいした」の意を持ちます。
相手に求める意識を持たない故、
「ごめんなさい」よりも反省・自戒
の度合いが強い言葉です。
謝意に多用されている
「申し訳ございません」を使う際
以下の言葉の組立を意識する。
*対象⇒誰に対して謝罪するのか?
*主語⇒誰のした何(事象)に対して謝罪するのか?
*自省(反省・自戒)の語句(言葉)の有無は?
*事後の取組みに対する語句(言葉)は?

【例】
相手に正対する(初対面の際身分姓名を忘れず伝える)
『お客様、私どもの不手際により、
 ご注文頂いた料理をお持ちするのが
 遅くなり不愉快な思いをさせて
 しまいましたこと、心よりお詫び申し上げます。
 誠に申し訳ございません。
 どうぞお許しくださいませ。
 二度とこのようなことの無いよう
 全員で努める所存でございます。』
(注)「っ」など小文字の入った言葉は避ける。
  ハッキリ、ゆっくり。

謝罪の心を誠心誠意を以って伝える【言葉(文言)例】

🙇「お許しください(ませ)。」(必ず主語を付ける)
🙇「申し訳ございません。」(必ず主語を付ける)
🙇「誠に申し訳ございません。」(必ず主語を付ける)

🙇「大変申し訳ございません。」(必ず主語を付ける)
🙇「失礼しました(を致しました)。」(必ず主語を付ける)
🙇「不慣れで気付かず、失礼しました(を致しました)。」

🙇「不注意でした。」
🙇「不注意で誠に申し訳ございません。」
🙇「不行き届きでした」

🙇「不行き届き、御容赦下さい。」
🙇「私の不配慮、心よりお詫びします(致します)。」
🙇「未熟でした(御座いました)。」

🙇「不作法でした(御座いました)。」
🙇「御無礼を致しました。」
🙇「不謹慎でした(御座いました)。」

🙇「私の不徳の致すところでございます。」
🙇「不心得でした(御座いました)。」
🙇「不適切でした(御座いました)。」
🙇「不躾な態度をお許し下さいませ。」

〈豆知識〉「真に」と「誠に」の違い
1)真に
:「嘘・偽りのないこと」「本当に」
     との意味を持つ。事実の通りであることを示唆する。
     「真に」とは=「真事に」という意味でもあります。
2)誠に:「偽り、飾らない情」
    「真心、誠意をこめて」という意味がある。
    誠意を示す際に使われる。
    「誠に」とは=「誠意をこめて」という意味がある。
3)実に(マコトニ):
 「(実体験に基づいて実感する意味で)本当に」
  という意味がある。
 実体験の通りであることを示唆する。
 「実に」とは=「実際に」という意味を持つ。

辞書検索【誠/▽真/▽実】 
<出典 デジタル大辞泉より抜粋>
1 本当のこと。うそ・偽りのないこと。
 「うそから出た―」「―の武士」
2 誠実で偽りのない心。すなおでまじめな心。
 「―の情」
3 歌論・俳論用語。作品に現れる作者の真情・真実性。
※類語⇒ 真心・誠意・誠実・真情・誠心・

≪謝意(謝罪)を表す熟語≫ 
※デジタル大辞泉より抜粋転載
【平身低頭】
<出典>三省堂大辞林 精選版 日本国語大辞典の解説
体をかがめ、頭を低く下げて恐れ入ること。ひたすら謝ること。
【平身低頭】1.
身をかがめ、頭を低くさげて恐縮すること。ひたすら謝ること。
【平身低頭】2. 
<出典:デジタル大辞泉(小学館)>
恐縮してただひたすら謝ること。
物事を頼んだりする時に身を低くして頭を下げること。 
「平身」は身を屈めて低く構える、
「低頭」は頭を低く下げること。
「低頭平身」とも言う。
【肩肘張る】 
<出典:デジタル大辞泉(小学館)>
《無理に肩ひじを高くして身構えるところから》気負う。いばる。
*意義素 
① 緊張して堅い態度をとること② 精神的な隙を見せないさま
③ 本来劣っているにも関らずそれ以上の実力があるように装うさま
【肩身が狭い】
<出典:デジタル大辞泉(小学館)>
意味 世間に対して面目が立たず、ひけめ(引け目)を感じる 
[肩身の狭い思いをする]
居心地が悪く、場を離れたい思いに駆られるさま
*類語→決まりが悪い・バツが悪い・おさまりが悪い・恥ずかしい
逃げ出したくなる気持ち・居た堪れない気持ち・どうにも気まずい
いますぐ立ち去りたい・空気が重い・押し潰されそうな空気
[バツが悪い]
<出典:デジタル大辞泉(小学館)>
きまりが悪い。ぐあいが悪い。
[補説]「ばつ」は「場都合」の略という。「罰が悪い」と書くのは誤り。
*意義素  
① 何となく不都合であったり居づらかったりするさま
② 周囲に対する体面が保てないさま
③ 恥や失態などから人に対して申し訳ない気持ちが大きいさま。

自分の発した言葉と自分のする行為


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