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一旦忘れて寝てみると何かが変わっているのかも

こんにちは。
株式会社プロタゴワークスあかねです。

一晩寝かせてみると、作り立てよりも風味が良くなるよ。

これは、カレーを作る時のコツとしてよく言われています。


色んな種類の野菜や肉が、様々なスパイスと一緒に煮られて一つの料理になる。
一口食べれると、それはもう「カレーだ」としか言いようのない料理だけど、その中には具材の持つ栄養や滋味が混ざり合ってなんとも言えない複雑な味わいを持った美味しさになっている。だから僕はカレーが好きなのだ。

そんな、カレーが好きだという事を伝える内容に、いつの間にかなってしまいましたが、僕にとっての最強料理であるカレーと同じように、“仕事”でも「作り方のコツ」は同じく「一晩寝かせること」だと思っています。

新しいアイデアを形にしたり、新しい研修を作ったり、今まで無かったけど確実に必要なモノを作ったり、そんな「つくる」という工程が僕たちの仕事の中にも、まあまあ高い頻度で発生します。

とは言え、それらを「つくる」作業は、何らかの物体や物質を加工したり組み合わせたりするわけではなく、質量も硬度も大きさも何も存在しない「頭の中にあるモノ」を、言葉にしたり文字にしたり図にしたりして「自分達の中から取り出して、外に出し、他者に受け取ってもらって、使ってもらう」事を目的にした作業です。

大抵、「それ」が出来上がったと思った時には、作った当事者である僕たちには「これ以外ないだろう」と思えるような最高傑作に感じられてしまいます。

自分達を自分で擁護するようですが、それはどうしても仕方のない事で、それまでこの世の中に影も形も存在しなかったモノを生み出した訳ですし、その生み出したモノをどれだけ客観的に見ているつもりでいてもなかなかその“光の側面”以外に目を向けるというのが難しくなってしまいます。

もちろん、「出来る限り、批判的な視点で見てみる」という事はしてみるので、出来てすぐに「あ、やっぱりダメだこれは」となる事もたくさんあるわけですが、そうじゃない場合もあって、出来上がった時のチェックを容易にスルーして、後で「ああ、もっとこうした方がいいな」と気が付いて修正したり作り直したりする事はたくさんあるんです。

そんな経験をたくさんした事で、今は、「作ってすぐは、どんな感想を持ったとしても一旦一晩寝かせてみる」をやっています。

一晩寝かせてみた事で、「昨日と変わらず最高だ」と思う事もありますし、「昨日は最高だと思ったけどなんだか今一つ感あるなあ」と思う事もありますし、「昨日のあの最高感は何だったんだよ」と思う事もあります。

この「一晩寝かせる」によって起きる変化は何なんだろうな?というのを考えてみているんですが、それが何かは今のところまだよくわかってはいません。何となく、幾つかの要素は浮かんできますが、それが本当にそうなのか今後もよくよく考えていきたいなと思っています。

例えば、「出来立ての状態から時間が経って冷静になる」という効果はあるなあと感じます。どうしたって、「無かったモノを作った」という実感が伴っている時にはそこまで冷静にはなれません。冷静じゃなければ、客観的な判断は難しいでしょう。

また、「睡眠で休養をしたことで疲労が回復した」という効果もあるのを感じます。「つくる」というのはとても消耗します。でも、「つくる」は興奮も伴うのを実感しています。疲労しているけど、興奮して覚醒しているから平気な感じがしているけど、実際には疲労しているので脳みそが判断をミスっている事に気が付けないというのもあるような気がしています。

他にも、「つくる事に夢中になるあまり、視点が一か所に固定されている」というのもあるんじゃないかなと。自分の頭の中だったり、口に出す言葉としては「広い視野で考えよう」なんて思ったり言ったりしていますが、実際には、一点集中で視点も取組も固定してしまっていてそのまま突き進んじゃうなんて事もあったような気もしています。

加えて、「睡眠を経て頭の中がすっきり整理される」という効果を感じる事もあります。「つくる」をするために必死に頭を使い手を使い「あーでもないこーでもない」とやってるうちに、どんどん迷宮入りしていくような感じに陥る事もよくあるんですが、一晩明けると、あんなにごちゃごちゃしていた頭の中がすっきり整理されて、「これしかないじゃん。なんであんなに悩んでいたんだ」なんてあっさり片が付く事もあるんです。

そんな諸々が、「一晩寝かせる」によって上手いコト解消して、出来立ての状態よりも更に良いモノに出来る切っ掛けに繋がるのを感じています。

こうやって今までに感じた効能を書いて並べてみると、「一晩寝かせる」という時間に解決を任せてみるという行為が、とてつもなく威力を発揮する事があるのをあらためて感じますし、カレーづくりのコツがこんなところでも生かされるんだなと感心しています。

作り立ての時と、一晩寝かせた後とでも、鍋の中に入っている物は何一つとして入れ替わってはいないのに、加熱して具材を煮て、それを一晩寝かせて冷ます事で、具材の中に味が浸透していって全体的に味が馴染んで更に美味しくなる。

という事は、例えば、作り立て時には「じゃがいも」という具材だったものが、加熱されて冷まされていく中で、その「じゃがいも」の内側に「カレー及び鍋の中に溶けだした他の具材の成分が浸透する」という事が起きた事で、「じゃがいも2.0」になったという事なのかもしれません。

そんな「じゃがいも2.0」と「にんじん2.0」と「たまねぎ2.0」と「お肉2.0」などの様々な、元の状態からは大きく変化してしまって、既に、元の具材とは姿かたちと風味は似ているけれど全然別物になって美味しく変化した「具材2.0」達と、それを取り巻く、「具材の成分が溶けだして混じり合ったカレールー2.0」によって作り立ての状態から大きく進化を遂げた状態なのかもしれません。

カレーも作り立ては熱を持っていて、それを一旦冷まして「冷静になる」事で、他の具材の成分が浸透してくる事で「別の視点」を持ち、元の具材から新たな「具材2.0」になる過程では、自分の身から溶け出した成分以上の物を浸透させて内側に取り込んで「疲労を回復」させて美味しくなっているのかもしれず、更に、一晩寝かせる事でそれぞれの個性が飛び出して感じられたフレッシュなカレーの状態から、「睡眠を経て鍋の中がすっきり整理される」状態になって、より美味しくなっているんじゃないのかなとも思えるんです。


こんな、半ば無理矢理感のあるアナロジーを考えているのは、ここ最近ずっと「新しいモノ」を作り続けているというのがあります。

それに加えて、今日のお昼ごはんに、美味しいカレーうどんを食べたからかもしれません。


ああ、でも、あのカレーが一晩寝かせたモノかどうかは聞いていなかったなあ。店主さんとせっかくたくさんお話する時間があったのに。

聞きそびれたので、また行って食べて確認してみるしかないよなあ。
さて、次はいつ行こうかな。



あかね

株式会社プロタゴワークス

https://www.protagoworks.com/


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