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旅行記#2 オランダ【毎日死にそうだった話】

10月の上旬に、6日間オランダに行きました。
今回の旅の目的は、観光ではなくオランダにある大学をめぐること。
北部を除いて、オランダを鉄道でほぼ一周しました。

何に関しても詰め込みがちな私は、旅程もぎゅうぎゅうで
いつも旅行はうまくいかないのですが、
今回はさすがに色々なことが起こりすぎたので事件簿として残します。
オランダじゃなかったら、凍死か誘拐かされていてもおかしくなかったです。

一日目 間に合わない!!!

いつも空港に二時間前について、ゆっくりチェックインをするはずが、
予想以上の長蛇の列で出発の一時間前にゲート前に到着しました。
しかも、オンラインでチェックインできたと思ったら
違うコードをずっと表示していたみたいでゲートを通ることができない!
空港の地下は電波も届かない!ということで、外に出てダウンロードし直し、列に並びました。
やっとチェックインできたのは出発の30分前。まだヨーロッパ内の旅行だったのでよかったものの、さすがにこりごりです。

一日目はこれで終わりませんでした。
ホテルの最寄りの駅に着いた時点で、充電が10%しか残っていない状態で
夜の道を歩く羽目に。
しかも、ホテルの場所はキャンプ場の近くで、ちゃんとたどり着けるか
本当に不安でした。
道なき道を行き、澄んだ夜の空を見ながら、ああ、私はオランダで野宿するのかなと思っていましたが、
なんとかホテルに到着。ちゃんと温かいベッドで寝ることができました。

二日目 夜道で迷子

夜ごはんを食べて、Airbnbに向かうためのバスに乗ったものの、
いつまでたっても目的のバス停に泊まりません。
街の中心部のはずが、いつのまにか街灯が点々としている山奥に来てしまいました。
これは何かがおかしいと運転手の人に聞くと、
どうやら私がバスを間違えていたみたい。
急いでバスを降りて、昼間はのどかな田園風景が広がっていそうな
何もないところからAirbnbを目指すことになりました。
徒歩で40分かかるところで、道がまっすぐなのがまだ救いです。
あれ、これ昨日も同じことやっていたじゃん・・・歩くか・・・と思ってホストに連絡したら、

なんとホストが車で迎えに来てくれたのです!!

見ず知らずの私を、夜道の中車で探して来てくれた時の安心感でいっぱいでした。ホストの純粋な親切心に感動しました。

三日目 マラソンのせいで

三日目はこの六日間の予定の中で最もうまくいかない日で、最も旅の醍醐味を感じた日でした。
私が二日目に泊まっていたのはVeldhovenという、Eindhovenからバスで30分、徒歩で2時間かかる場所でした。
朝、最寄りのバス停からEindhovenに行き、その後Enschedeというドイツとの国境近くの街まで行って、人と会うはずでした。が、

バスが来ない。

いつまでたっても、電光掲示板が変わらない。
そういえば、Eindhovenでマラソン大会があるって昨日ホストが言っていたよなあ・・・まさかバスが運休しているのか、と思って
Google mapや9292(オランダの交通を調べるアプリ)を見ても、詳しい情報はありません。

30分待ちましたが、来る気配がないので次の大きいバス停まで歩くことに。
そこで、アジア系の家族に出会いました。
バスは相変わらず来ませんでしたが、一人で待つのと誰かと待つのでは(しかも英語が通じる相手)心理的に少し安心しました。
その家族も、だいぶ待ちくたびれているようでした。

私たちは話し合って、Uberを呼ぶことにしました。
割高でしたが、他に手段はありませんでした。
それでも、VeldhovenからEindhovenまで送って行ってくれる車はすぐに見当たらず、さらに30分待つことになりました。
この時点で、私は家をでてから一時間半が立とうとしていました。

少し経って、オランダ人の夫婦がやってきました。
女性の方が、EindhovenからUtrechtに向かう予定だったそうです。
私は彼らにバスがマラソンで来ないかもしれないこと、
いまUberを呼んでいることを説明しました。

すると、男性の方が

「4人は無理だけど、1人だったら車に乗せてあげるよ」

と・・・!
その言葉がどんなにありがたいものだったかは
私しか想像できないと思います。

ここで車に乗れたのは本当に奇跡でした。
ありがたくその人の家までついていき、車に乗せてもらうことにしました。

しかも、Eindhovenは交通がマヒしているかもしれないから、と、
少し北のBestという駅までわざわざ送ってくれたのです!!

なんてお礼をすればいいのか分からず、
日本から持ってきたお土産と、わずかながらの現金を渡して
駅でお別れしました。

その後、女性と行く方面が一緒だったので、すこし電車の中で話しました。
彼女はEindhovenの大学で物理の助教授をやっているそうで、
彼女が今まで何をしてきたのか、オランダの就職についての話を聞くことができました。

Enschede駅での待ち合わせには到底間に合いそうになかったのですが、
色々なことが重なって、とても素敵な出会いを経験することができました。


この日もこれで終わることはありませんでした。
Enschedeまで向かうには、何回か乗り換えが必要でしたが、
高速鉄道がキャンセルされてしまったのです・・・
別のルートで向かおうか、と携帯をふと見ると、


つないでいた充電コードは・・・?あれ・・・?


一気に冷や汗をかきました。
今まで迷ったり待ったりトラブルはありましたが、
携帯電話ですべて乗り越えてきました。
その命綱がなくなったら、もう何もすることができません。

充電は残り30%、人との待ち合わせをするにはすこし足りない量です。

さらに、

WhatsAppもMessengerもつながらなくない???

もう終わったと思いました。
連絡手段もなくなって、どうやって人と会えばいいのか、目的地までつけばいいのか分かりませんでした。

最終手段でしたが、片っ端から人に携帯を借りて
電話をさせてもらいました。
無我夢中でしたが、冷静に考えると見ず知らずのアジア人に対して、
みんな快く電話を貸してくれました。

色々なことがあり、Enschedeについたのは、待ち合わせの時間から2時間半後でした。
案内してもらう予定の人は全くの初対面、しかも年下でした。
まずお願いしたのが充電器を売っているお店に連れて行ってほしい、などと
本当に迷惑を掛けました・・・


Enchedeの予定が終わってからすぐにUtrechtに向かいました。
この時点で、既に待ち合わせに間に合わないことは確定していました。

何度も「すみません、遅れています」と繰り返し連絡し、
さらに「充電がないのでもう連絡が取れないかもしれません」などと超自分勝手に振り回し続けてしまいました。
私だったらキレて会わなくなりそうです。

Utrechtで待ち合わせをしていた方は、
私が夜に着くことを案じて、住んでいるシェアハウスで一緒にご飯を食べようと提案してくださいました。
肉体的にも、精神的にも限界だったので、ありがたく頂くことにしました。
こんなことってある???

この3日目は本当にうまくいかないことが多くて、半分投げやりになっていましたが
トラブルの中でたくさんの幸運と、人の温かさに出会い、
この旅の中のハイライトになりました。


この他にも、アムステルダムで間違えてRed Lightエリアにホテルを取って周囲にびくびくしながら夜を過ごしたり、充電が切れそうになって大学の図書館に駆け込んだりと色々なトラブルが起きましたが、
最後の最後、オランダから出国するときまでトラブルは続きました。

最終日 やばい、スペインに帰れない

最終日はEindhovenにまた戻り、バルセロナに帰る予定でした。
1日目で反省したのにもかかわらず、Eindhoven空港に着いたのは一時間半前でした。
既視感のある長蛇の列を目にし、1日目と同じやりきれない、イライラする気持ちを味わいました。
でも、今回ばかりは翌日仕事があるので帰れなかったら困ります。
1時間、辛抱強く列に並ぶことにしました。

やっとチェックインが終わって、荷物検査の列に並びます。
この時点で、ゲートが閉まる30分前でした。1日目より時間がありません。
今日帰れなかったら、隣のホテルに泊まるか、アリカンテ行の飛行機に乗ってそこからバルセロナまで戻るか、などと嫌な想像ばかりしてしまいました。

もうゲートがしまる時間でした。
となりの男性が、我慢できない、と列を飛ばしたのに続いて、
私も無理やり列の最前列に行きました。

職員の人に「もうコール終わっているんだけど!」と泣きついても
I know. と超他人事です。

荷物検査のゲートは8つあるのに、ストライキをしているのか半分しか機能していませんでした。どういうこと?!
やたら時間のかかる荷物検査と身体検査を潜り抜けて、電光掲示板でゲートを走りながら確認して、ようやく搭乗口にたどり着きました。出発の時間は過ぎていましたが、飛行機に滑り込みで乗れました。
私が最後から5番目くらいだったかもしれません、、、、よかった、、、


もうこんなスケジュールは2度と経験したくはありません。
誰も私と旅行したいとは思わないでしょう。

それでも、やっぱり予想もつかないような出会いや発見に満ちている旅が好きです。
この旅行で会った人、親切にしてくれた人は数え切れませんが、待ち合わせをしていた人以外は運命の出会いでした。
景色が素敵だった、とか、色々な観光地に行った、というのではなく、
巡り合った人皆が親切にしてくれた旅行として、一生忘れない思い出になりそうです。
改めて、この期間でお会いしたみなさん、本当にありがとうございました。


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