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思いやりの受け取り拒否と受け取りたい気持ち(マインドフルネス・セルフコンパッション研修2日目①)

マインドフルネス・セルフコンパッション研修の2日目。

この日はセルフコンパッションのワークがメインだった。セルフコンパッションとは、苦しみとどのように向き合うか、という研究がさかんに行われる中で作られた、マインドフルネスと同じくらい注目されている心理療法の一つ。クリスティーンネフ博士が考案したもの。セルフコンパッションには3つの要素がある。
① 「自分自身にやさしくする」Self-kindness ②「共通の人間性」Common Humanity ③「ありのままの自分を観る」Mindfulness 

興味はあるけど、苦手な分野だな…という自覚はあった。興味はあるんだけど…

この日は、いろいろやったので、2回に分けて一つ一つ書いていこうと思う。

●「自分の大切な人が困難に陥ったら?」「自分が困難に陥ったら?」

最初にこの2つの質問をされた。どんな声掛けをするか、どんな行動をするか考えてみた。
「自分の大切な人が…」→いろいろ考えが出てきたけど、なんとなく薄っぺらいなぁ、という感覚が残る。
「自分が…」→しばらく出てこない。「人に話してみよう。自分の辛さ、大変さを分かち合ってくれる人がいると信じてる。」自分で自分を慰める言葉ではなくて、他人頼みなのか?まあ、いいか。あれ、普段自分に対して何か声掛けってしてあげてるっけ?とふと考えて何も浮かばず、「自分が思っているほど、自分にも、他人にも慈悲を向けることはできてないのかも」と思って悲しくなった。
半数以上(正確なパーセンテージは忘れた。かなり多かった。)の人は他人には優しい言葉をかけられるけど、自分に対する声掛けが出てきにくいらしい。自分にも相手にも声掛けができる人は少数派で、自分だけに声掛けをする人はもっと少ない。どっちもいまいちな人のパーセンテージは言われなかったけど、かなり少ないのかな…と思ってさらに悲しい気持ちになった。

●思いやりを受け取れない自分と受け取りたい自分

その後、スージングタッチ(自分のお腹、胸、頬にやさしく触れる。最後は自分で自分を抱きしめる)→セルフコンパッション・ブレーク(ほどほどのストレス場面を思い浮かべて、体の反応に気づきを向ける)をした。
セルフコンパッション・ブレークでは、何か体の反応が出てきたら、そこに優しく触れてあげて、労わってあげる。まず、私は何の体の反応も感じられなかった。だから、とりあえず、自分が安心できるお腹に手を当てて、温かいぬくもりを感じることにした。最後は、先生の温かい思いやり(コンパッション)の言葉で終わった。

あなたが幸せでありますように。
あなたが穏やかでありますように。
あなたが健康でありますように。
あなたが安心して暮らせますように。

その時、心の中に、「いやいや、そんな大したことないんで…大丈夫です。はいっありがとうございましたー」と苦笑いしながら滑稽に後退りする自分がいることに気づいた。それから、そういう自分にびっくりしている自分もいた。「え、どうして後退ってるの?いい言葉言ってもらえてるじゃん、嬉しくない?受け取りなよ。」と言う自分と、「いやいや、無理無理、なんか無理」と言う自分が拮抗していて、どちらの声を聴けばいいのかわからなくなり、仲介役を買って出た第三の私が茫然と立ち尽くしてる図が頭に浮かんだ。

多分、思いやりの気持ちを人に向けるのも苦手だし、思いやりの気持ちを自分の向けるのも苦手なんだな、と思った。他人にも自分にも思いやりの気持ちを持てたらどんなに素敵だろうか。できればそうしたいし、そういう人間になりたい。でも、きっと慣れてないんだろうなぁ。受け取るのもあげるのも。長い間そうやって生きてきたんだろうなぁ。

…という気づきがあった研修の前半戦でした。ここまで書いて、2日目のほうが「退屈」と思っていたけど、意外とインパクトがあったんだ、と気付きました。そして、その「退屈」感は、「なんか上手くいかない(価値評価しないのがこの心理療法の大事なところで、何が正解とかは本当はない)」感への抵抗だったんだろうなぁ。

#マインドフルネス #セルフコンパッション #自己理解 #セルフケア #心理学 #思いやり

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