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リサイクル率トップクラス!実力派の自治体が挑む、さらなる美しいまちづくり〜北海道苫小牧市・市民の環境衛生を守る仕事~

押本 尚也(おしもと なおや)さんと三木 悠史(みき ゆうじ)さんに、苫小牧市の事業「ゼロカーボン×ゼロごみ大作戦!」の概要や環境衛生部としての取り組みについて、お話を伺いました。

—入庁までのご経歴をお聞かせください。

押本:平成7年4月に入庁、環境衛生部清掃課にごみの収集、いわゆる現業職として配属されました。平成26年にゼロごみ推進室が発足した時に一般事務職員に切り替わり、現在はゼロごみ推進課の総務企画担当で勤務しており、入庁して28年になります。

三木:私は道内の別の市町村出身でしたが、大学の先輩が入庁されたことをきっかけに平成30年の4月に入庁しています。環境保全課の総務計画担当を4年、ゼロカーボン担当を1年、そして今年度は再び総務計画担当に戻り、合計で6年間、環境保全課で勤務しています。(※令和6年4月、環境保全課が「ゼロカーボン推進室」に変わりました)

—現在の業務内容や職員厚生などについてお聞かせください。

押本:ゼロごみ推進課には約40名の職員が所属しており、総務企画担当は啓発や情報発信を目的としたイベントの企画に携わっています。現在は「ゼロカーボン×ゼロごみ大作戦!」という大きな事業を、三木さん所属の環境保全課と順に担当しているところです。また、リサイクル・教育施設「JFEリサイクルプラザ苫小牧」の管理や運営も行っています。

現職の岩倉市長がゴミ問題に大変熱心で、「ゼロカーボン×ゼロごみ大作戦!」は平成19年から始まっています。苫小牧ではゴミ問題が深刻な状況となっていたのですが、平成25年に家庭ゴミの有料化がスタートしてからはリサイクルへの意識が上昇。現在、北海道内人口10万人以上の都市の中で9年連続リサイクル率第1位です。

三木:私が所属する環境保全課総務計画担当は、環境基本計画やエコオフィスプランの策定・進捗管理、再エネ・省エネ機器を設置する市民向け補助金の受付・交付、私がメインで携わる啓発イベント運営・情報発信業務の3つに分かれています。現在、4名の職員と1名の会計年度職員で構成されています。

—「ゼロカーボン×ゼロごみ大作戦!」の概要をお聞かせください。

三木:岩倉市長が就任以降、さまざまなジャンルに関して重点的に取り組むことを目的とした「〇〇大作戦」を毎年打ち出しています。

令和3年に「ゼロカーボンシティ宣言」を表明し環境基本計画を改定した際、CO2削減とゴミの減量・リサイクル推進という関連トピックを合体させて、令和5年度から「ゼロカーボン×ゼロごみ大作戦!」という2箇年計画がスタートしました。

家庭・産業でのゼロカーボンに向けた取り組み、ごみの減量、そして自然環境を良くしていくという四つの基本目標を柱に、さまざまな事業を行っています。今年度実績でいうと、イベントや補助金、情報発信まで含めて約60の施策に取り組みました。

—すごい数ですね!特に印象に残っていること、大変だったことなどはありますか?

三木:「ゼロカーボン×ゼロごみ大作戦!」のキックオフイベントですね。約50の団体にお声がけし、企業ブースやワークショップ、ハンドメイド雑貨の販売などに加え、キッチンカーの誘致や電気自動車の展示なども実施しました。環境衛生部としてのブース準備と並行して関係者を取りまとめるのは大変でしたが、約1,500人の方々にご来場いただきました。

—施策の企画や協力体制づくりはどのように行っているのでしょうか?

三木:基本的に企画は自前で行っています。「ゼロカーボン×ゼロごみ大作戦!」の立ち上げ時は、部内でイベントや事業のアイデアを出し合い、年間スケジュールにまとめていきました。

押本:四つの目標の中でもゴミに関する施策はゼロごみ推進課で担当するなど、各課に振り分けています。SNSでの情報発信やポスターのデザインも、外部業者に委託するのではなく私たち自身で行っているんですよ。

人員が不足したときは三木さんが中心となって指示を出し、環境衛生部の職員全体で人員配置や進め方を話し合っています。

三木:キックオフイベントでは企業ブースもあったのですが、企業や産業関係については産業経済部が深くかかわっています。このように部署をまたいだ協力が必要な場合、一般職の職員に連絡をとり、管理職同士の合意を得る流れですね。

普段から部署間の関わりが多く、協力要請はしやすい環境だと思います。

—施策を通じて、市民意識の変化は感じましたか?

押本:たとえば、「ゼロゴミッション」施策では、ゴミ拾いの量で勝敗を決める取り組みを行いました。景品をお配りするということで、中には「普段ゴミとして捨てていたものがお宝に見えた」という方も。そういったイベントを通じて、市民の方とのふれあいや発信の機会が多くなりましたね。

また、【プラスチックを燃やす➡二酸化炭素が発生する】という観点からゼロカーボンを啓発する出前講座や、小中学生向けの副読本配布も行っています。これらの取り組みにより、ゼロカーボンという言葉が市民の方々に少しずつ浸透してきました。

さらに、次世代教育として幼児向け出前講座も実施し、小さな頃からゼロカーボンという言葉が耳馴染みになるよう意識しています。

—来年度の取り組みや今後の方針として、どんなことを予定されていますか?

押本:来年度は「ゼロカーボン×ゼロごみ大作戦!」の所管がゼロごみ推進課に移り、また二箇年計画が終了する年です。それにあたりエンディングイベントを予定しているので、今からコンテンツを考えています。

7月には「JFEリサイクルプラザ苫小牧」のお祭りもあるので、いろいろと趣向を凝らしながら二つのイベントを盛り上げていきたいですね。

—面白み、やりがいを感じた場面についてお聞かせください。

押本:市民の方とふれあう中で、「こんなことがわかった」「良かったよ、ありがとう」という言葉をその日そのときに直接聞くことができる。そうすると私たちの頑張りも報われますし、「また頑張ろう」と思えます。

三木:「ゼロカーボン×ゼロごみ大作戦!」にも予算がありますが、現状では足りない、もっとこうしたいというときがあります。その場合、北海道や他団体の補助金を申請して資金調達を行うんですね。やり遂げるまでの過程でさまざまな工夫をするので、達成感も大きなものになります。

—おふたり個人としての今後の展望はありますか?

押本:今でも忘れられない市長の言葉があります。それは、ゴミについて「面白く、かっこよく、おしゃれに伝えよう」ということ。確かにゴミって、興味のない方には全く伝わりませんよね。

同事業も残り1年。市長の言葉を忘れず、「いま何が必要なのか?」というアンテナを常に張り、工夫を凝らしながら情報発信していきたいです。

また、“リサイクル率第1位”に甘んじることなくゴミの量を減らし、ゼロカーボンのまちにしていくことの大切さを市民の方々に伝えていくことが目標ですね。

三木:苫小牧市では産業部門が二酸化炭素排出量の約7割を占めますが、残りは一般家庭や商業施設、自動車などからの排出分。いかに市民の方々に自分事として感じてもらうかが勝負なんですよね。

ゼロカーボンという言葉や、どうしたらゼロカーボンを実現できるのか?を知り、行動に移してもらうための発信・啓発を引き続き行っていきたいです。

また、この6年間は、採用試験時に希望していた環境保全の啓発に携ることができ、モチベーション高く取り組めていた一方、他部署と関わる中でさまざまな業務の面白さも知ることができました。今後のキャリア形成として、別の部署も経験してみたいという想いも強くなっています。

—最後に、求職者に向けてお伝えしたいことや街の魅力についてお聞かせください。

三木:市の職員として「この街をどうやったら良くできるかな」と考えるうちに、苫小牧市の良いところをどんどん見つけました。全く違う地域から来て、いろいろな視点で苫小牧市のことを考えられる職員も絶対に必要だと考えています。

押本:苫小牧市は札幌や新千歳空港にも近く、住みやすい街です。市内には経営者も多く、中には「苫小牧を良くしていきたいがやり方がわからない、どうすれば自分の力を使えるんだ」という方も大勢いらっしゃいます。

そんな想いと行政とがうまく繋がれば、なおさら発展していくのではないでしょうか。

そういった意味では、苫小牧市は“可能性しかない街”です。なので、自分を試してみたい、自分の力を引き出したいという方には、苫小牧市の環境はぴったりだと思います。

ー本日はありがとうございました。

この記事は2024年4月11日にパブリックコネクトに掲載された記事です。
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