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「この人に聞けば大丈夫」と言われる福祉スペシャリストになる!~地域包括ケアシステムを早くから推進している藤沢市生活支援課での若手職員の奮闘記~

神奈川県藤沢市役所生活援護課でケースワーカーとして働く入庁2年目の佐藤大哉さんに、仕事の難しさややりがいについてお話を伺いました。

—就職するまでのご経歴を簡単に聞かせてください。

佐藤:入庁前は、福祉系の4年制大学に在籍し障害者や子供に関することについて勉強していました。特に、制度の狭間にいる人達への支援がなかなか行き届いていないという状況についての調査や研究です。

そういった問題に対して、行政側の視点で何かできることがないか、むしろそういう仕事をしたいという思いが強くなり、公務員を志望するようになりました。

—藤沢市を就職先に選んだのは?

佐藤:藤沢市は、医療や介護の地域包括ケアシステムについて、地域の中でより長く生活していく、より自分らしく生活するというような構想を早くから進めている市である、ということを大学の勉強の中で知っていました。

せっかく公務員になるなら、医療や介護分野でより先進的でかつ問題意識が高いところで働きたいと思ったのが、藤沢市を志望した理由です。

—最初に話されていた「制度の狭間」について、詳しく教えてください。

佐藤:例えば所得の制限でギリギリ支援の対象にならない方、65歳以下で特定疾病に該当しない方など、実際は困っているけれども支援制度の対象にならない方がいらっしゃいます。

民間の社会福祉法人に就職してそういう方の支援をするということも考えましたが、ケアシステムは市が主体となって行うべきであり、そこで仕事をした方がより広く支援の幅を広げられると思ったのです。

—入庁されてからのお仕事について教えてください。

佐藤:令和4年に藤沢市に入庁し、生活援護課に配属となりました。生活保護利用者の方のケースワーク業務が主な仕事になります。

具体的には、ご本人との面談や訪問を通してニーズを聞き取り、経済的または健康的に自立した生活に向けての支援をします。その他の環境に関しても、周りの部署と連携しながら仕事を進めています。

—どの位の世帯をご担当されているのですか?

佐藤:現在は100世帯くらいを担当してます。課内で担当地区があり、そこに住まれている方を私が担当しています。

例えば近くの病院はここで、内科の場合はここでというように、限定した地区を担当する方が、利用者の方へ具体的に案内がしやすくなります。

また、利用者の方がどういう人かをより知ることができるので、地域包括支援センターやケアマネ―ジャーとの連携もしやすいと思います。

—毎日、何人位の方とやり取りをするのでしょうか?

佐藤:基本的には、自宅に伺ってお話を聞く方法がメインで週1回程度外に出ています。

訪問だけではなく電話のやり取りとか、直接本人からでなくても、ケアマネ―ジャーから今の様子を聞いたりすることも含めて、1日10世帯前後の対応が平均的です。

—入庁当初はどういった教育体制だったのですか?

佐藤:マンツーマン体制で、必要に応じて業務上のことは全部教えていただきます。

研修期間のようなクッション的な期間はなく、全然わからなくても一旦自分なりに利用者の方と話をするというところから始まって、必要に限定した地区を担当する方が、応じて担当の先輩や周りの人に聞くという形ですね。

もう今は2年目で、人から聞かれるような機会も増えたので、そういう風土や環境というのを続けていけるように、自分も積極的に話を聞き、困っていそうな人には声をかけるように心がけています。

ー生活支援課には何人の方がいらっしゃるのですか?

佐藤:現業のケースワーカーが50人程います。子供支援の担当や健康管理支援の担当、庶務の職員も含めて全体だと70人ぐらい在籍しています。

年代で言うと、入庁してすぐ生活援護課にという方は毎年2、3人ぐらいいます。私は2年目なので後輩も2人いますね。

ー働き方はいかがですか?

佐藤:残業は、月あたりだと10時間前後ですね。例えば、利用者にライフイベントとして大きな転機がある、入院や転居などがあると現場対応が増えるので、応じて残業があります。

年休はとても取りやすいです。例えば、今月は利用者の方が落ち着いた生活状況なので、当日の午後は休みを取ったり、2時間早退したり。

ライフワークバランスはとりやすいと思います。また、育児休暇が取りやすい環境で、今年度だけで4人の男性職員が取得しています。

土日は出ず、基本的にはカレンダー通りの勤務になってます。

—仕事のやりがいはなんですか?

佐藤:今の仕事は、市民の方に寄り添い、その方の人生がより良くなるように働きかけをするということなので、私の声掛け一つでその方の行き先を左右することがあります。

例えば、施設への入所が必要だと思える方で、本人は入所に渋っているという場合があります。しかし、長くその方と関わりを続けることで、ようやく本人が私の言うことを聞き入れ入所に興味を示すという場合があります。

このように、その人の人生というものを、より良い方向へ進めていけるお手伝いができたと実感できることがあると、すごく嬉しいですし、やりがいがあると強く思います。

—入庁した後のギャップはありましたか?

佐藤:今話したような利用者との関わりの部分は、ケースワーカーという立場として、難しい部分でもあり、やりがいとなる部分でもあるのかなとは思っていました。

予想外の点としては、例えば病院やケアマネ―ジャーなど、支援側での擦り合わせは思っていたよりも難しいなと感じました。

—連携の点で思いとのギャップがあったのですね。

佐藤:それぞれの立場でできること、できないことがあり、お互いの利害もあります。支援者全員が利用者本人のためにという環境や関係性を作っていくことが、できる時もあれば難しい場合もあるというのがわかりました。

この関係性作りそのものにもやってよかったとやり甲斐を感じる場合もありますが、それは入庁前には想像もできていませんでした。

—仕事の中で難しいなと思うことはありますか?

佐藤:私から利用者の病院や施設に話をするケースは大変ですね。例えば、急性期で入院していた方が、病院自体は出なければいけない、でももう戻る先がないという場合があります。

こういった時に、病院側で全部調整するのは難しく、私が転院先を探すことが必要になります。適切な行き先を探していくことは大変ですし、そこまでやるというのは正直入庁前には理解していませんでした。

—そのようなケースは多いのでしょうか?

佐藤:例えば、ご親族もいらっしゃらない方の場合に、誰が手続きをしていくのかとなるとやはり一番動きやすいケースワーカーとなります。予想もしていなかった手続きをしたりとか、人海戦術で片付けるようなこともあったりと、意外に大変なケースが多いです。

ー今後、歩んでいきたいキャリアはありますか?

佐藤:生活保護という多様なニーズのある方と2年弱関わりを持っていると、福祉スペシャリストとして「この人に聞けば、今後の道筋がわかる」いう人が、多ければ多いに越したことはないと感じてます。また、そういう人が今求められていると思います。

個人的には、市役所内にいらっしゃる福祉のスペシャリストと言われる人たちを集めて、アドバイザー的な業務をする課があるといいなと。

自分はまだまだ力不足です。知見を磨いてより知識を得て、今後はその1人に自分も上がっていきたいです。

ー最後に藤沢市のよいところを教えてください。

佐藤:上司との関わりが良いことですね。本当に相談にもすぐ乗っていただけます。生活に直結して関わる課にいるので、窓口で市民の方が声を荒げるような場合もありますが、そういう時もすぐ来てくれて一緒に話を聞いたりすることもあります。

直接の上司じゃなくても、全然関係ないような部署の上司からも、そういえば最近あの人はどうなのとかという感じで、周りを気にかけていただける環境なので、とても嬉しく働きやすいなと思っています。

—本日はありがとうございました。

この記事は2024年4月6日にパブリックコネクトに掲載された記事です。
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