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母子に寄り添い、成長をともに見つめる〜京都府京田辺市・子育て支援課の保健師〜

大学病院の看護師から転職し、京都府京田辺市の保健師を務める十倉(とくら)さんに、保健師としての業務やその魅力についてお話を伺いました。

ーまず、簡単な自己紹介や入庁までのご経歴をお聞かせください。

十倉:大学卒業後の5年間、看護師として京都市内の大学病院に務めていました。学生時代から保健師を志していたのですが、キャリアプランを考え、一度看護師の経験を積んでおきたいと思ったためです。その後、同じ病院から京田辺市に転職していた先輩の誘いを受け、入庁しました。

病院を退職した時点ですでに正規職員の募集は終了していたため、最初は会計年度任用職員として働いていたんです。入庁して3ヶ月後、あらためて正規職員の採用試験に臨みました。2〜3ヵ月の勉強を経て受験しました。現在は入庁8年目です。

ー保健師としての役割や、具体的な業務についてお聞かせください。

十倉:子育て支援課母子保健係の保健師を務めています。入庁以来異動はしておりません。

子育て支援課は、保健師が約10名、事務の職員等も含めると全体で30名程の職員構成です。そのほか、保健師の配属先としては健康推進課、高齢者支援課、障がい福祉課、国保医療課が挙げられます。

メイン業務は、ご妊娠された方やお子さまの支援です。具体的には、妊娠後の母子手帳の交付や出産後の赤ちゃん訪問、お子さまの育児相談など、妊娠期から出産後のお子さまが小学校に入学するまでの期間を幅広くサポートしています。

そのほか、月に数回の年齢別健診の出務、発達に不安があるお子さまの就学支援も保健師の業務です。

担当は地区ごとに振り分けられ、担当地区のお子さま、ご家庭をそれぞれの保健師がフォローしていきます。相談のお電話があればそこで対応しますし、こちらから出向くことも多いです。それに並行して、事務仕事も進めていきます。

ー訪問の判断基準などはありますか?また、保健師が単独で訪問するのでしょうか?

十倉:身体的精神的に大変な思いをされながら育児をされているお母さんや、育児に対して不安を抱えているお母さんから電話相談をいただいても、電話越しでは実際の状態が見えにくいですよね。「お伺いさせてもらった方がいいな」と感じた場合は訪問を行い、悩みを対面で聞くようにしています。

基本的には一人で動くことの方が多いですが、そのつど上司や関係各所に相談しています。子育て支援課内にある家庭児童相談室や、お子さんが所属されている保育園・幼稚園の先生方との連携も多いですね。虐待が疑われるケースがあれば家庭児童相談室の方と一緒に動きますし、月1回は保健師でケース共有会議も行っています。

そのほか、管理栄養士や発達相談支援員も常駐しているので、離乳食や発達経過の相談があった場合はそういった職員とも連携しています。心配なことがすこしでもあれば、保健師や関係職員みんなで話し合って対応していく形ですね。

ー前職と比べ、働き方や暮らし方はどのように変化しましたか?

十倉:病院では、患者さんとの関わりは入院期間だけで、退院後の生活に携わることはほとんどありません。一方で、現在は市民の方の生活に関わっていくことがメインなので、そこは前職と大きく異なる部分だと感じます。

また、病院は命に直結するような事態も当然多い職場。患者さんの急変を目の当たりにする中で、自分自身の感情をコントロールすることが難しかったんです。夜勤もあり生活が不規則になるため、ストレスが非常に大きい状態でした。

そんな慌ただしい職場環境に比べると現在の職場はやはり働きやすく、生活が整っている、と感じます。子どもの体調不良で突発的に休んだり早退しなければならないこともあるのですが、そういったことも理解してくださいます。生活と仕事の両立がしやすい職場ですね。

ー柔軟な働き方ができるんですね。では、休暇などの労務環境についても詳しくお聞かせください。

十倉:たとえば子どもが風邪を引いたとき、「今日なら業務が調整できるな」という日であればお休みさせてもらったり、どうしても外せない予定があるときはそのときだけ出勤して帰ったりと、制度を利用して柔軟な働き方ができています。

また、現在は保育園の送迎があるため、朝夕の1時間は部分休業(いわゆる時短勤務)を取得して働いています。こういった制度があるのはありがたいですよね。部分休業は、小学校に上がるまでは利用できます。

産前・産後休暇、育児休業についても、規定通り取得できました。病院や企業によっては「育児休業は子どもが1歳になるまで」という規定があるところも多いかもしれませんが、京田辺市では最長3歳までとることができます。私自身も、子どもが1歳3ヵ月になるまで育児休業を取得しました。

ー職場全体の雰囲気はいかがですか?

十倉:なにごとも相談がしやすい職場ですね。上司も、仕事のことからプライベートのことまで快く聞いてくださいます。子育て中の保健師同士で、育児に関する話で共感することも多いですよ。また、業務が忙しそうだな、というときはお互いにフォローし合う環境がつくられています。

ー保健師という役割のやりがいについてお聞かせください。

十倉:保護者の方やお子さんと接する機会が多く、子育てについて一緒に考えながら寄り添っていくことができます。赤ちゃんの頃からずっと関わってきたお子さんが小学校に入学したときは、その成長をまるで家族のように身近に感じられる。そんなところが、保健師としての大きなやりがいですね。

ー最後に、十倉さんが思う京田辺市の魅力はどんなところにありますか?

十倉:私自身が現役で子育てをしている身ですが、京田辺市は育児しやすい、子育て世代にやさしい町だと感じますね。保育園・幼稚園といった教育施設の先生方も、お子さんのことをよくみてくださっていますし、自治体の子育て支援政策も充実しています。

また、子育て中のお父さん・お母さんの社会的な孤立は現代の課題であると思いますが、市内には親同士が集まれる施設が多く、横のつながりを持つ機会をたくさんつくることができます。緑や公園も多く、一方で商業施設がどんどん増えて発展してきている地域もあったりと、京田辺市は子育て中の方にとって非常に良い環境なのではないでしょうか。

ー本日はありがとうございました。

この記事は2024年5月10日にパブリックコネクトに掲載された記事です。
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