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荒れた週末から、昨日までの話。

この週末、なにがあったんだろう。

なんだか、心がささくれ立っていた人が多かった気がする。
Twitterを見ていても、noteを見ていても、この週末に鬱屈していた人が多かった。
SNSに浸かっているとそういうことって度々ある。
なぜか誰も彼もくじけそうになっていたり、なぜか誰も彼も、喧嘩していたり。
そんな時は、そういう星回りなんだね、と適当に落としどころをつけて小さな安心を手に入れるまでがセット、みたいになっているこの頃。

*

この週末から、火曜日(祝日)にかけて、我が家にも不穏な空気が漂っていた。

頭にもやがかかったみたいに思考が停止して、何もかもが思うようにいかないし、うんと疲弊していた。

頭が働かないときだって、子どもたちは元気いっぱいだし、喧嘩もするし、要求だって絶好調だ。
普段ならぴしぴし段取りよくお返事したり、仲裁したり、気の利いた代替え案を差し出したりして、格好よく解決できるんだけど、うまくいかない日はどうしたってうまくいかない。だって頭が働かないんだもの。

元気と喧嘩と要求が大渋滞を起こして頭がパンクしそうになる。
耳も頭もこれ以上なにも吸収できない感じ。

そんな日だって夫はやっぱり忙しいし、日曜と月曜には恒例の懇親会だ送別会だがあったりする。手帳を開いて、そうか、明日と明後日はいないんだったな、と確認するだけで疲労が倍増してしまった土曜日。

金曜からじわじわ降り積もった疲弊が、土曜の夜に爆発した。
生理前だとか、排卵時期だとか、ホルモンバランスでイライラすることってどうしてもある。でも今回に関しては星回りのせいだから(せいにする)、夫の方もキャパが狭い感じだった。
受け止めきれない、という様子で、彼もイライラしてしまって、こうなると家の中がかなりよろしくない感じになる。
息子の些細な愚図りに夫が冷たい態度を取った。星回りのせいなので(せいにする)息子もいつもなら平然とするのに、うわんと泣いた。
でも、その後の息子がほんとにいじらしくて切ないのだけど、夫に向かって「こうしたら大丈夫だったよ!」と自分が愚図った原因について気を持ち直したことを伝えたのだ。
ほんとうに聞こえなかったのか、返事をする気力もなかったのか定かではないのだけど、あろうことか、夫は返事をしなかった。

許すまじである。

たった5歳が、かわいい5歳が、健気に今の悶着を立て直そうとしているのに、40歳の大人気のなさ、打ち首もんである。自分の鬱屈した精神が多少なりとも種をまいた部分があるのは棚に上げて、世が世なら打ち首または切腹で成敗している。

いつもなら、適切にふたりをいなして、場を取り持つのだけれど、星回りのせいなので(しつこい)、私もうまくやれない。感情が先に走ってしまう。

夫にそこそこきつい言葉を浴びせて、打ち首代わりに言葉で成敗してしまった。

立つ瀬が無くなった夫はだんまりを決め込んでしまう。
普段ちゃんとした大人ぶっている人が、たまに子供に戻るとほんとうに手に負えない。

とりあえず、夫に素直に謝って、子どもたちにもごめんねと言って、笑顔で取り繕った。
けど、星回りが星回りなので(しつこい)、ほころびが出る。
そして、依然として頭はうまく働かない。
だんまりな夫は放置して、子どもたちをお風呂に入れて、定期薬を飲ませたり歯磨きをするのだけれど、誰のお薬を、誰の歯磨きを済ませたのかすぐに分からなくなってしまう。パジャマをちゃんと全員着ているのか、誰が今すぐ寝られて、誰がまだ寝てはいけないのか分からないのだ。
ただひとつ、今すぐ寝たい、ということだけが、はっきりと自分の中で光を放っていた。
童心に帰った夫はもちろん、この時すでにご就寝だった。想定内。

*

たぶん、そこそこみんな寝支度が整っただろう、と思ったあたりで長女に「ごめん、ママ少しだけ横になってくる。みんな多分もう寝ていいと思うから、気が向いたらお二階においで」と言い残して、寝室に引っ込んだ。
少しだけ、と横になって5分ほどたった頃だろうか。
息子が階段を上る音がした。
おお、ひとり片付く、と安堵をしかけたそのときドアが開いて、

「ママぁ。末っ子ちゃんがオムツにうんちして、自分で拭いてるんだけどね、うまくできなくておててがうんちだらけだよ。ふふふ」

うんちというワードだけで笑いがこぼれてしまう5歳。

ふうん。そっかぁ、と働かない頭で返事をしかけて我に返った。
脳内でリピート。

「おててが…???うんち…???だ??ら???け?????????」

子育ても8年目だし、子どもが3人いたら大抵のトラブルでは驚かない。
不器用な私の子育てだから、たいていのトラブルはやりつくしてきた。
はずだったのに、なにごとだ。
聞いたことも見たこともない。自分で拭いて、おててがうんちだらけだと…???

慌てて階段を駆け下りて飛び込んだ視線の先で、末っ子はオムツをずり下げて、お尻を懸命に拭いていた。全私が泣く…!!!!!
なんで呼ばなかったんだろう…末っ子なりに気を使ったんだろうか…なんだかもう、申し訳ないやら悲しいやらで苦しかった。
末っ子をお風呂場に連れていって、お尻や足や手をきれいに洗って、着替えさせた。
さすがにこれはなしだよなぁ…と思うとどうしたって泣けてくる。
不甲斐ないってこのことだ。

言うまでもなく、夫はこのときとても質の良い眠りの中にいたのでこの騒動のことも知らない。
その翌日の日曜日も月曜日も夫は予定通り、懇親会やらに出かけ、疲れ果てた私が非常に疲れている旨助けてほしい旨、ご連絡差し上げたら、どういうからくりなのかとても理解ができないのだけど、火曜日(祝日)を終日睡眠で過ごすという暴挙に出て、当然私から激しい反感を買って、水曜、空気以下の扱いをされるに至った。
そして、昨日、木曜日、猛省しているらしいことを彼の口から聞くまで、夫婦関係を解消することしか考えられなかったけれど、いったん反省文を提出することを突きつけることで理性を保っているのが、今日。

いくら星回りのせいとは言え、週末からずっと落ち着かない我が家だった。

昨夜、ひたすら謝る夫が「…の、noteにこのこと書く…?」とぬるいことを聞いてきたので、「あたりまえでしょ!!!」って被せておいた。

夫ったらそんなこと言わなきゃよかったのに。
そんなこと言われたら書くしかないじゃん。
ねぇ。


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コノビーさん公開になってます。

子育てのハードルがもっと下がりますように、っていつだって思ってる。
みんなで暮らして、みんなで育てられたらいいのにね、というお話。


エッセイを書いているオトナミエさんで取材記事を書きました。

伊勢と松坂の間にある明和町という町のこと。
小さな町が壮大な歴史ロマンを抱えていたんだよ、というお話。

また読みにきてくれたらそれでもう。