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今年も禁酒しないニャ

タバコは辞められてもアルコールを辞めることはどうにもできない体質らしく、ここ数年の毎年の目標だった「禁酒」は毎年のごとく打ち破られ、今年もまた、早くも角ハイボールをすでに何本も空けております。

せめて「減酒」に努めようと、休日であっても夜の10時までは呑まないという戒厳令を敷いてみるも、それをやると逆にいえば夜の10時を越えればいくら呑んでも良いということであり、気がつけば時計の針は1時を差し、2時を差し……。

不思議なことに、呑めば呑むほど明日の朝が近づいてくるのです。不思議なことに。いや、まこと不思議だなあ。なんでだろう。しかし、酔いながら読む『ヤニねこ』第1話は最高である。にゃほほ……世界がぼやけてきたニャ……。

『ヤニねこ』は面白い。クリーンで健全が良しとされ、著名人がちょっとでも粗相をすれば瞬く間に炎上してしまうこの御時世に置いて、清々しいまでにクズでゴミな生活が描かれている。

ろくに働かず、タバコと酒のことしか考えず、毎日のように寝て暮らす、ニコチンとアルコールに脳を支配された、いちおう外見はかわいいが内面は腐りきった猫娘。

エレファントカシマシの『遁生』の歌詞を思わせる。これから先は死ぬるまで、表へ出ないで暮らす人。たまに表へ出るときも、タバコと散歩に日をつぶす。

まあ、ヤニねこ姉さんの場合は、たまにタバコを買う金が尽きたときに、派遣のバイトに行ったりしているが。そのバイト先でタバコを吸っちゃって、クビになってもいるのだが。

ああダメ人間。あいつの場合はほぼ猫だが。きったねえ毛玉を口から出すし。

なんやかやで、そのような堕落した暮らしで一生をダラダラと過ごしていきたい。誰にも尊敬されずとも、無理をしてなれない人を目指すよりも、無理をせずになれそうな人を目指そう。

誰もがHIKAKINさんや菅田将暉さんになれるわけではないが、酒やタバコに溺れることなら誰でもできる。

幸い、日本では大麻や覚醒剤は摂取してはならぬが、酒とタバコと泪と男と女にはいくらでも溺れて、飲んで飲んで飲まれて飲んで、飲んで飲みつぶれて良いことになっております。

ただ、タバコに関しては、20代の頃にもう一生ぶん吸ってしまったかなあという感覚があり、見栄を張っているわけでも、俺は禁煙に成功した勝ち組だぜ自慢がしたいわけでもなんでもなく、本当にただ単純に、全く吸おうと思いません。

いまどきは喫茶店でも全面禁煙のところが多いし、サウナ上がりに身体に匂いが付くのも嫌なので、ならばはじめから吸わないほうが、面倒ごとが生まれなくて良い、という気持ちのほうが大きい。

というわけで、今はもう酒にのみ自分の操を捧げており、アルコールと永遠の愛を誓い合い、毎夜のごとくベッドルームをともに……、つまり毎日のように宅呑みをキメているわけですが、どうもここ1年くらいは、自分の精力の不足を……、というか、認めたくはありませんが、ものすごく簡単にいうと、酒に弱くなってきているのを感じます。認めたくはありませんが。

認めたくはないものの、明確な理由としてひとつ思い当たるのが、2020年ごろから長らく続いていたあの社会問題により、飲み会の頻度が激減し、一時期は外食そのものが悪事であるかのように見られていたので、外で飲酒をするということが全くなくなったこと。

もちろん、それならそれで家で愉快に酔いどれてはいたのですが、家の中だとどれだけ愉快に酔いどれようとも、ヤニねこ姉さんと同じく、世界がぼやけてきたあたりでダメになってしまう。昔なら朝までノンストップコースも行けたのにニャ……。

ここのところは、角ハイボールの濃いめのほう(度数9パーセント)のロング缶2本でもうノックダウン。ビールの6缶パックを平気で潰していたあの日は幻だったのだろうか。

おかげでコスパはとても良いのですが、やはり元々は蟒蛇に憧れた呑兵衛見習いだったわけで、アルコールに撃ち抜かれながらも、まだなんとなく残る呑み足りなさ。

たとえがかなりよろしくないですが、過去のクズ男と違って今の彼氏は優しくて安定しているものの、過去のクズな感覚をまだ身体が求めている……みたいな感情というか、なんというか。こんなにつらいなら、いっそのこと、恋なんかもうしない。ひとりで生きていくわ……。

そう誓った数時間後のこと、スーパーに行った際に、なぜか手が勝手に角ハイボールを棚から取っていまして、なぜか冷蔵庫に3本あるんですな。2本でノックダウンするはずなのに、なぜ致死量を超える量がここに…?

今夜も世界がフワフワするニャ。でもまだまだいくニャ。かーっ、効くニャー。

サウナはたのしい。