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家族のかたち

以前息子のクラスには二人のパパを持つ男の子がいた。子どもと公園に行くとパパ二人の家族をたまに見かけることがある。特に私たちが住んでいるエリアに
は多い気がする。ママ二人は近所ではなぜかあまり見かけないのだけど。

スペインに移住した夫の伯父さんに久しぶりに会った時に、伯父さんの息子、すなわち夫の従兄弟にあたるのだが、伯父さんには会ってもその従兄弟には滅多に会わないので、息子くんどうしてる?と聞いてみたら、
「女の子が生まれてとっても可愛いんだよ。ハッピーな子で。でも夫婦間は悪い方向に行ってしまって二人は別れたんだ。まー、別れるかなーとは思ってたんだけど。でね、息子には今新しい彼女がいるんだけど、元奥さんの方にも新しい彼女ができて、子どもが欲しいって言うんだ。それでね、どうせなら娘と全く同じ血にしたいって元奥さんの方が言い出してね。それで息子の精子をもらって人工授精してみたら、見事に一度で妊娠して。もうすぐ産まれるんじゃないかな。」
とのことだった。

また、これまた別の夫の伯父さんは、80年代にイギリス人と結婚しスペインに移住した。ウエストウッド家にはスペインに移住した伯父さんが二人いるのであります。
子どもが二人生まれ、その後イビサに移り住んだものの別れ、次にオランダ人の女性とマドリッドでパートナーになった。その間に娘が二人いる。その長女の方が、これまた夫の従姉妹なのだが、スペインに住んでいるのにオランダのパスポートしか持っていないから不便だと言っていたので、何でイギリスのパスポート持ってないのかと聞いてみると
「パパがまだ初めの奥さんと離婚してないみたいよ。この間子どもとして認知してよーってパパに頼んだら、そんなことしなくても愛してるからいいじゃないかって言われて、私とりあえずパスポート申請楽にするために欲しいだけなんだけどー。」と言って笑っていた。離婚したかしてないか分かっていない人たちも結構いるのだ。
この広範囲にわたる伯父さん家族はとても仲が良い。伯父さんの初めの二人の子、次の女の子たち、初めの奥さん、次のオランダ人の彼女、そしてその彼女と別れて伯父さんは独り身なのだが、その彼女は次にフランス人のパートナーができて息子が一人いるので、その人たちも合わせて全員仲良くしている。私たち夫婦もそのみんなと連絡を取り合っている。さらに加えるならば、オランダ人の彼女はフランス人とも別れて今はイギリス人の婚約者がいる。なのでそこまで合わせて全員が、家族行事などでみんなで顔を合わせている状態だ。

ヨーロッパでは色んな家族の形が存在する。特にイギリスでは同性婚ができるので、結婚という形をとった同性のカップルも多ければ、イギリスには戸籍がないので、結婚という形を気にしないカップルもいる。特に若い子たちに聞くと、結婚をするとそのシステムに自分が取り入れられてしまう、ただ大昔にできた法律を守っているだけの気がして嫌だという子もいるし、ただ単に意味がないという言う子たちが多い。かく言う私たちも、もし私がヨーロッパ人だったら夫は結婚という形をとらなかっただろう。義母ヴィヴィアン・ウエストウッド夫妻も同じだ。義母の旦那さんはオーストリア出身で30数年前のオーストリアはEUに加盟していなかったので結婚という形をとったと言っていた。

25年来の彼女と子どもが二人いてずっと生活を共にしているけど結婚という形はとらずカップルのままでいる友達がいる。その彼が自分のパートナーのことを「僕のガールフレンド」と呼ぶのを聞くと、新鮮だな〜と思うことがある。25年経ってもガールフレンドやボーイフレンドと呼び合えるというのはある意味緊張感がずーっとあって別れることに繋がりにくいのかもしれない。とは言っても私個人は、何だか新しい自分ができるような気がする結婚という形の方を気に入っている。




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