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看護の歴史的変遷【専門分化編】

遍く現心

「看護の専門分化」という見出しに関心を持ったので、歴史的背景や現代の社会情勢などの双方から論じる。看護の専門分化、これを大まかに分けると「専門看護師」と「認定看護師」とがある。
 看護が専門分化された理由は、看護の質を向上させ、専門看護のスペシャリストの育成するためである。昨今、医療社会では保健・医療・看護の知識や技術が複雑化・高度化し、ケアサービスが多様化している。こうした社会から要請があり、1987年に厚生労働省の「看護制度検討会報告書」において専門看護師の育成が提言された。しかし当時は、専門看護師を育成する機関が少なく、すぐに、質の高い医療を提供することができなかった。だから、特定の看護分野のケアに細分化させた。こうした中で発足したのが、認定看護師である。
 専門看護師の役割は、「複雑で解決困難な看護問題を持つ個人及び集団に対して、水準の高い看護ケアを効率よく提供するための特定の専門分野の知識、技術を深めたものである。」と記されてある。また、認定看護師は、「ある特定の分野において、熟練した看護技術と知識を有することが認められたものである。」と記されている。共通する役割は、「実践・相談」だ。これは昔の時代、特にフロレンス・ナイチンゲールやヴァージニア・ヘンダーソンの時代の根本的なイデオロギーと変わらず、看護師、ひいては人間に必要なものである。専門看護師の特有の役割は、「調整・倫理調整・教育・研究」である。専門看護師に関わらず、看護師は日々研究が必要であり、時代推移に合わせた、患者のニーズや医療提供をしていかなければならない。また、心身のケアや精神的な側面にも対応していかなければならず、そのような面でも医療の質の向上が、必要不可欠である。認定看護師特有の役割は、「指導」である。認定看護師は、「ある特定の分野において、熟練した看護技術と知識を有すること」と先程引用した。ある特定の専門分野では、スペシャリストであるからして、その知識や技術、経験を後世に伝えていく「指導」という役割は、極めて大切な役割を担っているといえる。これらのことから言えるのは、役割や分野を細分化させることにより、専門分野の質を、より向上させることができる。また、勝山貴美子氏(2014)によると、「看護者は、他の看護者及び保健医療福祉関係者とともに協働して看護を提供する」と述べている。このことを用いて考えると、医療に携わる人々は、相談や実践などの共通の役割を疎通させることで、メディカルケアやチーム医療の連携を、密にさせることができると考えられる。
他にも、看護が専門分化された理由がある。医療の年齢層ごとの需要を分け、今の現状を鑑みて考えると、高齢化社会が進行していることが原因であることがわかる。「高齢者の過去の背景を活かした看護を通して得た実践的知識」と言う論文の中に、「実践現場の体制や環境を的確に把握し、チームアプローチの視点を養っていくことも必要と考えられる。そして、このような視点を持って日々の看護を提供していくことは、高齢者の個別性を尊重した看護をより実践しやすくするきっかけや、手掛かりへと発展し、看護の質向上につながっていくと考えられる。」という記述がある。これは、昨今高齢化が進み、看護師だけでは専門の病気や医療提供に、手が回りづらくなったことが伺える。幼少期や青年期、壮年期よりも、高齢期の方が病気やある特定の症状が多くなるのは、必然にして自然の摂理である。だから、専門看護師や認定看護師といった看護の専門分化が進み、時代に沿った細分化を社会が求めてきていると考えられる。
 「専門看護師」と「認定看護師」は現代の社会に必要な分化職であり、歴史的観点から見るとまだまだ浅いが、細分化した理由がしっかりとある。昔には、明示的な細分化があったとは言えないが、感覚として、分化はあったはずだ。それが時を経て、明示的に専門分化されることにより、より一層、他方との医療連携が取りやすくなるメリットが生まれきている。このメリットを活かし、この後も、時代にあった細分化がされると思う。だからこそ、私たちは、時代の変遷に対応していき、常に新しく、正しい情報を取り入れ研究し、より連携を密にできるような対応をすべきであるということを学んだ。

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