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【映画感想】THE 有頂天ホテル


本日観たのは、三谷幸喜監督の『THE 有頂天ホテル』。私自身、三谷幸喜作品が大好きなので、1投稿目にこちらの作品を選びました。

↓以下、ネタバレありです↓

【あらすじ】

都内の高級ホテル“ホテルアバンティ”。新年のカウントダウンパーティーまであと2時間あまり。その成否はホテルの威信に関わり、これを無事終えることが副支配人の新堂平吉に課せられた責務。ところが、そんな新堂をあざ笑うかのように、思いも掛けないトラブルが次々と発生する。刻一刻と新年のカウントダウンが迫る中、従業員と“訳あり”宿泊者たちを襲う数々のハプニング。はたして彼らは無事に新年を迎えることができるのか?

引用:https://filmarks.com/movies/12206

【キャスト】

▼ホテル従業員
申し分のない副支配人:新堂平吉 -役所広司
議員の元愛人、今は客室係:竹本ハナ - 松たか子
歌を愛するベルボーイ:只野憲二 - 香取慎吾
能天気な総支配人:二階堂源一 - 伊東四朗
アシスタントマネージャー:矢部登紀子 - 戸田恵子
怪しい料飲部副支配人:瀬尾高志 - 生瀬勝久
ウェイター:丹下二郎 - 川平慈英
客室係:野間睦子 - 堀内敬子
ホテル探偵:蔵人 - 石井正則
筆の達人筆耕係:右近 - オダギリジョー

▼客
人生崖っぷちの汚職国会議員:武藤田勝利 - 佐藤浩市
議員の秘書:神保保 - 浅野和之
神出鬼没のコールガール:ヨーコ - 篠原涼子
副支配人の別れた妻:堀田由美 - 原田美枝子
堀田由美の現夫、マン・オブ・ザ・イヤー受賞者:堀田衛 - 角野卓造
事故に遭った大富豪:坂東健治 - 津川雅彦
その息子、耳の大きな男性:坂東直正 - 近藤芳正
謎のフライトアテンダント:小原なおみ - 麻生久美子

▼芸能人
死にたがる演歌歌手:徳川膳武 - 西田敏行
演歌歌手の付き人:尾藤 - 梶原善
一九分けの芸能プロ社長:赤丸寿一 - 唐沢寿明
不幸せなシンガー:桜チェリー - YOU
スパニッシュマジシャン:ホセ河内 - 寺島進
アシスタント:ボニータ - 奈良崎まどか
腹話術師:坂田万之丞 - 榎木兵衛
ダンサー:オイリー菅原 - 池田成志
アヒルのダブダブ:山寺宏一(声のみ。ドナルドダックの声優であることから)

引用:https://ja.wikipedia.org/wiki/THE_有頂天ホテル

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年越しのカウントダウンパーティ前に行われる授賞式や、芸人達の準備、突然の悪徳政治家の記者会見など、様々な対応かつトラブルに追われる、ホテルマン達。大忙しな中で「そんなことある?」と思わず笑ってしまう、シュールでコミカルな三谷作品らしい展開が最高です。笑

しかし、コミカルながらも、恐らく幅広い層の胸にズン、と響くであろう言葉が出てくるのも三谷作品。

個人的にこの映画で印象に残っているのが、ホテル従業員・はなちゃん(松たか子)が元不倫相手かつ悪徳政治家でマスコミに追われる、武藤田(佐藤浩一)に放った、この言葉。

「本気でこの国を変えようとしてたよね?だったら、カッコ悪くても良いじゃない。生き残る道を選びなさい。どんなに後ろ指を指されても我慢するの、悪徳政治家なんだからしょうがないじゃん!

その代わり、これからの生き方で見返してやるの。言いたい奴には言わせてくの。そしてあなたは、自分の思う通りに生きるの。

私もこれから、そうするから。」

不倫に始まる悪事を働く武藤田にはマスコミが張りつきっぱなし。しかし、そんな窮地でも自分がどうしたらかっこよく見えるかを一番に考える武藤田。そんな彼は、自分以外にも悪事に関わった人間を暴露すると言い、突然記者会見を開こうとします。もう政治家として終わっても良い、腹を括ったんだとそう言いながら記者会見を開こうとしますが、そこにはなちゃんが現れ、本当は記者会見なんてしたくないんでしょ?政治家として本当に終わってしまうんだよ?返り咲くなんて無理なんだよ、と追い詰め、この言葉を放ちます。


私の経験が多くの人も経験していることと捉えるならば、人は自分の弱さを隠すためにかっこつけようとすることがあります。かっこいい自分を演じてしまうことがあります。かっこいい自分でいるために、あえてボロを出そうとします。意図的なつもりでなくても、無意識レベルでそういう行動をすることがあります。

何より、この言葉は私にとって図星でした。

後ろ指を指されるような生き方はかっこ悪い、とずっと思っていて。腹を括ったつもりで、何でもしてやる!という気持ちになっても、結局本当にカッコ悪いことは怖くてできません。今でも。できればしたくないなと思います。

ただ、これからカッコ悪いところを誰かに見せるとして。そのさらに先の未来、これからの生き方で見返すことはできるということを改めて突きつけられて、なんだかジンとしました。

それが私にできるかは分かりません。とてもとても臆病で意気地なしなので。この言葉を聞いた後ですらうじうじしてます。

だけど、真正面から迷わずそう言えるはなちゃんに、心を打たれました。

それだけは事実です。


映画は現実逃避のためだけじゃない。こうして、現実を見るために、現実での生き方を知るためにも必要な娯楽だと思ってます。

それが再確認できた作品でした。


まとまりませんが、今日はこの辺で!

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