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fight-or-flight 移住直後に立ち現れた大問題~タントラマンへの道(第54話)

本格的に移住した矢先に起こった悲劇

自然農ボランティアは中止になったのですが、都会に戻る気にもなれなかったし、その地域は近くにきれいな海もあったということもあり、本格的に移住を検討することにしました。

そして、運良く、不動産屋に仲介を依頼する予定の土地を所有している人と知り合うことが出来、話はトントン拍子に進んで契約に至りました。
更地で購入したので家は新築しました。
生計はトレードで立て、まずは趣味として家庭菜園を楽しみながら土地に合った作物を厳選して育て、うまくいくようなら規模を広げたいと考えていました。

ところが、家が完成して間もなく、実家で父親が寝たきりになってしまったのです。
家族は母親のみでしたので、いわゆる老々介護状態になりました。
さらに悪いことには、母親がある事件に巻き込まれ大金を失ってしまったのです。
普段ならそのような事件に巻き込まれることはありえないのですが、老々介護で精神的に追い詰められていたところを狙われたのかもしれません。

介護の先行きは読めないので、このまま老々介護を続けさせるわけには行かないと判断し、苦渋の決断の末、新居は手放して実家に戻ることにしました。
家は人に貸すことも検討したのですが、投下資金を回収するまでには時間と手間がかかり過ぎると判断したからです。
売り急いだこともあって、結果は大損切です。

でも、マイホームと土地では大損切でしたが、移住前に外貨預金感覚で仕込んであったドル円や日経平均連動CFDが大きく値上がりしていたので資産全体としてはトントンかややプラスで済ますことができました。

これはNGサイン? それとも、乗り越えるべき試練?

家も土地も手放してしまった後となってはもうどうしようもないのですが、
なぜそのように行く手を阻むような障害が発生したのだろうかとも考えました。

潜在意識あるいは上位の存在の意思のようなものが、「お前が進むべき道はそっちでは無い」と知らせる「NGサイン」だったのなら、結果的にそれに従ったことになるのでひとまずはそれで良かったことになるのでしょう。

でも、逆に、前途を邪魔する障害のように思えた出来事は、実は前向きに努力して乗り越えるべき試練だったとも考えられるのでは?

例えば、介護制度などを有効活用して老々介護負担の軽減を図るなどして危機を克服するとともに、自分は移住を継続してその土地で成果を上げることこそが、本来成し遂げるべき課題として用意されていたのだとしたら?

もしそうであったなら、僕はそれを避けて逃げたことになるのではないか?

どちらが正しかったのかなんてことは、いくら考えてもわかるはずも無い。こんな場合は、もっとも有益っぽく思える解釈(言い訳?)をして自分自身を納得させるに限る。

つまり、買ったばかりの土地と建てたばかりの家を大損切をしてでも手放し、移住計画をチャラに戻す決断を下して両親を援助する試練の道を選択したことには大切な価値があり、移住するのは今ではないというメッセージを受け入れ、次のチャンスに備えるのだ、という、新たな解釈を採用することにしたのでした。

もちろん、それだけではただ単に自分をごまかしただけになるかもしれないので、後出しじゃんけんっぽくはなってしまいますが、反省もしておく必要がありそうです。

まず、両親は既に高齢だったのですから、いずれは要介護になる可能性はあったのに、急用が発生したとしてもすぐには帰れないほどの遠方への移住を決めてしまったこと。
更には、移住の際、いくら気に入った土地だったとしても、いきなり土地を購入して家を新築してしまう代わりに、賃貸でもうしばらく様子を見るといったステップを踏んだ方が良かったのではないか?
・・・等々。

体重も再び振り出しに

こうして、移住計画は挫折したのですが、実家に戻った頃には、体重もまた移住前と同じくらいまでリバウンドしていました。

そして、今から思えばこのリバウンドも、僕に何か重大なことを知らせる警告だったのですが、その時はそれほど重視することなく見逃していたのでした。


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