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【図書館ビギナーの失敗】国立国会図書館で、本が一冊も見つからなかった話。

この前、人生で初めて『国立国会図書館』に行ってきました。

国会議事堂のすぐ側にある大きな図書館で、永田町駅から徒歩で約5分とかなりの好立地です。

『国立国会図書館』という大仰な名前からして、とてつもない数の本がズラリと並んでいるに違いない!と、前日から期待に胸を膨らませていた私。

そんな私は、今だから言えることですが、完全にこの図書館を舐めていました。
ただの雑魚。まさに情弱。
これまで利用した図書館と勝手は同じだろう〜フフン♪と高をくくっていたのですが、これが大きな間違いでした。

なんと私は、図書館の中で一冊も「本」を見つけられず、結果として30分以上ウロウロと館内をさまようことになってしまったのです…。

今回のnoteでは、国立国会図書館の特殊なシステムと、その落とし穴(?)にまんまとハマった体験談を簡単にお話しします。

これから国立国会図書館を訪れる人は、どうか私のような失敗はしないでください…!



・国立国会図書館とは?

図書館の敷地内に入るとまず、青々とした木が茂っている広場のような場所を通ります。

開館されたのは1948年とのことなので多少の年季は感じますが、しっとりと落ち着いた雰囲気で、なんだか読書欲が掻き立てられますね。

ベンチには、『Pause』と書かれたナイスな銅像が。


館内に入る前に、国立国会図書館の概要について少し触れておきます。
一言で言うと、本館は「国会に属する唯一の国立の図書館」です。
(公式ページ参照:https://www.ndl.go.jp/jp/aboutus/index.html)

そして、国内で発行されたすべての出版物は、国立国会図書館に納入することが義務づけられています。(「納本制度」と言うらしい)
文化的資産としての出版物を保存し、後世に伝えていく責任を、第一の役割として担っているわけですね。

その収蔵能力は約450万冊、書架の総延長は172kmに及ぶそうです。
日本における書籍の刊行点数は、ざっくりと1日に約200冊、1年で約7万冊ほどです。
それらがすべて収められていると考えると、どれだけスペースがあっても足りないような気がしますね…。


・落とし穴①:大きな手荷物は中に持ち込めない

はじめて国立国会図書館を利用する人は、最初に「利用者登録」が必要です。

登録自体は簡単ですが、氏名・生年月日・現住所が確認できる本人確認書類が必要なので、それだけ忘れないようにしてください!

利用者登録が完了したら、水色のカードを発行してもらえます。
その後の流れは超簡単。交通系ICカードと全く同じ要領で、カードを出入口で「ピッ」とかざして使えばOKです。

さて。カードを受け取る時に、簡単に図書館の使い方について説明してもらえるのですが、私が驚いたのは次の一言でした。

「リュックは持ち込めないので、ロッカーにお預けください」

えっ、中に持って入っちゃだめなんですか…??

そうなんです。
出版物の保存に関して重大な責任を負っている国立国会図書館では、中に本を入れられそうな「B5判以上の大きさの不透明な袋物」(かばん、紙袋、封筒等)は持ち込み禁止となっています。

このことを事前に把握しておけば、動きがスムーズかもしれません。


・落とし穴②:ロッカーを使うには100円玉が必要

私は黒いリュックを持っていたので、貴重品以外の荷物は預けようとロッカールームに入りました。

ちなみに、貴重品を含めて館内に持ち込みたいものがある場合は、手さげバッグの貸出があるので、そちらを使うのがオススメです。

早く館内に入りたいと逸る気持ちを押さえつつ、ロッカーを開けたのですが…ロッカーの扉に、ショッキングな文字を見つけてしまいました。
利用するには、100円が必要だったのです。

(あ…サイフ忘れた。)

終わった。どうしよう。
スタッフの人に話しかける??
いやでも、もしかしたらどこかに紛れてるかも。
最悪、そのへんの道にリュック置いちゃって、とりあえず中に入る…?

ものの数秒であらゆる思考回路をめぐり、じわっとイヤな汗をかいた私ですが、ダメ元でICカードケースの中を探ってみると、100円玉一枚、10円玉二枚が入っていました!(泣)

ありがとう、神様。

館内にある喫茶店もクレカ使用NGなので、国立国会図書館を訪れる際は、「現金を持っていく」も忘れないようにしたいですね。

ちなみに私は、流石に20円で食べられるメニューはなかったので、喫茶店の利用は諦めました…。

ソフトクリームがあったので食べたかった…


・落とし穴③:本が本棚に並んでいない

いくつかの壁を越え、なんとか無事に入館できました。

館内にはパソコンがズラッと並んでいて、その前で何やら検索をかけている人たちが沢山。
「読みたい本がどこにあるのか探してるのかな?それとも勉強かなー」と思いつつ、目当ての本との出会いに向かって、自然と歩幅は広がります。

いやー楽しみだなぁ!と意気込んで、興奮はもうMAX。
読みたい本は自分の中でいくつかリストアップしていたので、まずはそれを探しにいく算段でした。

しかし。
どれだけ歩いても、「本棚」が見つからないのです。

ロビーには机と椅子が並び、沢山の人が読書をしています。
でも、本棚に並んでいる本が、どこにもない。
1階を一周し、階段を上がって2階へ。そこでも本棚は見つかりませんでした。

いや、どこだよ。450万冊の本は!!!

血眼でぐるぐる歩き回ってようやく、難しそうな学術書が並んでいるコーナーだけが見つかりました。
それでも、本を求めて彷徨っていた私にはオアシスに思えて、吸い込まれるように近づいていきました。

『西洋のことわざ辞典』(タイトル曖昧)をひとまず手に取って読んでみて、同時に家から持ってきた『銃・病原菌・鉄』(ジャレド・ダイアモンド著)もチマチマ読んでみたものの、やはり満たされない。

うん、もちろん面白いよ。
でも、私の目当ての本は?小説や漫画は…?(泣)

平気なフリを装いながら、頭の中は不安と焦りでいっぱいでした
おかしいな、おかしいな…と思いながら、ようやくスマホで検索をかけてみました。

「国立国会図書館 本 どこ」……

すると、このような検索結果が出てきました。

な、なぁぁにぃぃぃぃ!?

なんと、国立国会図書館では、普通の図書館にように書架に本が並んでいないのです。
資料の数があまりにも膨大なので、そのほとんどは立入禁止の書庫に収められており、読みたい本は、館内の情報端末で検索して申し込むというシステムなのです…!

あまりにも情弱。
正解があるのだから、自分のカンを信じるよりも、さっさと調べれば良かった…。

ここでようやく、「パソコンに向かっていた人たちは、本を注文していたのね」と合点がいき、今世紀最大の発見をしたかのような感動を覚えました。


そんなこんなで、やっと出会えた本を読める喜びはひとしおです。
無事に注文して、手元に届いた本たちの愛おしいこと…。

その後はもう、ひたすら読みました。
無駄に歩き回った時間を取り返そうと、集中してただ読書の世界に没頭しました。


なお、国立国会図書館は本の貸し出しもNGなので、閲覧は館内のみに限られています。

ルールは色々と厳格ですが、出版物を大切に扱わない無頼の輩でなければ、とても安心して利用することができます。

私は2日間通って、6冊ほどの本を読了することができました。

本に囲まれて…という訳ではないですが、読みたい本と確実に出会える、最強の読書体験が味わえました。


今回は、初めて国立国会図書館に行った時のドタバタ体験を紹介してきました。
これは自戒ですが、知らない場所を訪れる際は、(特にそれが自分にとって価値のある場所の場合は)、事前に利用方法を調べておくに限りますね…。

少しでも、行ってみたい!と思っていただけたら嬉しいです。
読んでくださり、ありがとうございました。



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