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9月に入り、、、シナトラが歌う、9月の歌

こんにちは、こんばんわです。

9月ですね、今日は先般の暑い日と異なって涼しい日となりました。過ごしやすいですね、一方で、沖縄に台風が近づいていていたりして、暴風雨には気を付けないとですね。

結構、前の日記というか記事について、音楽と記憶が結びつく、なんて話をしましたが、特に季節感の強い(暑いとか寒いとか、雨とか雪とか)空気とともに結びついたりして記憶に残るのですが、この9月となると何となくそういうイベントやら感じることが少なく記憶に何か残るような音楽って多くはないんでしょうか。

ただ自分は割とそんなこともなく、年によりますが、暑い夏の延長線上のような9月もあれば、台風銀座のごとくどんどん気温も下がり、十五夜の時にはすっかり涼しくなってくる日もあると思います。

そういう時どんな音楽を聴いていたかなと思い返すと、、、難しいですね。でも、ここ最近、特に20代後半からはよく夏になると、仕事帰りの夜にはJAZZのヴォーカルものをよく聞いていました。シナトラ、トニーベネット、ナット・キング・コール、メル・トーメ、ジョニーハートマン。そう男物ばかりですね。女性ボーカルは冬とか春が多くて、夏から秋にかけては男物が多いですね。割とエネルギッシュだったり、一方で秋にかけて枯れた感じとかしっとり寂しげな感じが男物が合うんですよね。

なので、JAZZボーカルの男物でこの9月らしいアルバムを紹介できればなと思います。まっ、紹介するのは一人だけなのですが。

The Voice

"The Voice"って言葉、凄いですよね。"the"って定冠詞なんで、特定のものとか唯一のものにつくイメージなのですが、このtheは皆が共通認識で持っているものなんですよね(だと思いますか笑)

そう、その名称で親しまれたのがフランク・シナトラ、なんですよね。日本では、「マイウェイ」やらマフィア(ゴットファーザー)のイメージがあったり、まあ、曲そのものもオジサンというかしっとりとしたイメージがあるせいか、若い人で好きっていう人は見たことないのですが、、、悲しい限りで。

でも、まさにThe Voiceと言われるに相応するというか、スウィンギーな歌い方、まさにそのしっとり系では語りかけるように素晴らしく歌い上げています。

そんな感じなので、山ほど書きたいこと、伝えたいことはあるのですが、シンプルに彼の作品の中から、この9月にふさわしいアルバムを紹介できればと思います。

"September of my years"~(わが人生の九月)

9月にちなんだアルバムなんですが、邦題の「わが人生の九月」という言葉に見事に言い表せられているように、9月って欧米では秋の始まり、日本の晩夏ってイメージはあまりないんでしょうね。1965年当時、もうすぐ50歳というときに吹き込まれたアルバムなんですよね。1965年と言えば、確かディランが"Like a rolling stone"を発表したり、ビートルズがラバーソウル、ビーチボーイズもペットサウンズへ移行期ですし、音楽的には大変革が起こっているその最中にもう50歳か、、人生の9月、まあ秋へとさしかかっているんだよねと寂寥感とそれでも、まあイタリア系の伊達男らしくいるんだと言う、男の中の男、もうダンディズムの極みみたいなアルバムを出すという…。しかも、初登場5位(アメリカでですよ)で、ゴールドディスクに認定されるなどと売れたアルバムなんですよね。

音楽面でも素晴らしく、今回はゴードン・ジェンキンスを編曲指揮に迎えて作成しました。(クリスマスアルバムや、キャピトル時代のWhere are youやNo one caresなどで共演)

上記のキャピトル時代のアルバムに代表されるように割としっとり系なアルバムで組んだゴードン・ジェンキンスとの相性はこのアルバムでもバッチリで、シナトラのボーカルに時に寄り添い、そして際立てる。

歌詞も素晴らしい、二曲目の"How old am I?"では「私の年?まだ恋ができないほど老け込んではいないよ」であったり、三曲目の"Don't wait too long"では「君は夏の盛り、私は過ぎていく秋。冬はそこまで迫っている。私に残された恋の時間は少ない。」など、まさにリアルマッコイ、円熟味を増して、50代という男たるものを体現していくように歌う。

ちょうど、5年前、1960年に自分でレコード会社リプリーズを興してからは、シナトラの評価は過去の人であったりとか、今でもシナトラは50年代のキャピトルレコードの頃だと言われたりしますが、リプリーズの頃もいい名盤を出しています。それこそ"My way"とか”Stranger in the night”とか、名曲・名盤はけっこうありませんか。

本当は、もう少し涼んでから聴いて欲しいのですが、ぜひ、このアルバムはシナトラの中でも聴いて欲しいなと思います。もちろん、キャピタルやらコロンビアレコードの後でもいいのですが。

もちろん、面白いのが、実はこんな人生の秋だとか言いながら、そのあと、30歳以上も年の離れた20代のピチピチの女優と結婚するってのも凄いなと思いますが笑。しかもそれがミア・ファローという。(日本で言うと大竹し○○さんみたいなものですよ、天才女優だけれども私生活も波乱万丈みたいな)

そして、何よりも実は50歳で人生の秋だと言っておきながら、90近いときにU2のボノとかあるいはジャンルを超えて、アリサ・フランクリン、フレオ・イグレシアスやカーリーサイモンなどと異種格闘技戦に近い様なコラボをすると言う、、、凄いなあと思います。その血はちゃんとトニーベネットに引き継がれた様で、レディーガガやらとのコラボに驚かせられますが。でも、そう言う生涯現役な部分も含めて、やはり”The Voice”たる部分はあるなと思う限りで。

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※上記のに加えて、盟友のネルソン・リドルと組んだ、月をテーマに据えたコンセプトアルバム的なアルバムも紹介させていただければです。こちらも、上記のしっとり名盤と同じ様にしっとり系ですが素晴らしい作品です。

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