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『親に頼らないで生きるヒント』を読んで 著者 コイケジュンコさん #感想note (2021/11/19出版)

こんにちは!ネオンです。

今回の感想noteでは、こちらの本を取り上げたいと思います。

『親に頼らないで生きるヒント ~家族のことで悩んでいるあなたへ~ 』
著:コイケジュンコ
協力:NPO法人ブリッジフォースマイル


1.本の内容


家族の事情や問題は多種多様で、外からは見えにくい困難を抱えた家族の中で子どもはどのようにSOSを出せば良いのか。本書では親から離れて社会的養護のもとで育った9名の若者たちの体験を紹介し、子どもが子どもらしく、安心して暮らせる道を考えます。

この本では、家族について悩んでいる若者に対し、終始語りかけています。
「親といるのがつらい」「親から暴力を振るわれている」「自分が家族の面倒を見ている」「経済的に苦しく学校に行きたくてもいけない」など色んな事情や悩みがある若者に対し、その状況から抜け出すヒントを提供しています。

家族について悩みを持っている当事者だけでなく、そんな人に対して支援がしたい、どんな悩みや問題を抱えている人がいるのか現状が知りたいという人にも、この本は分かりやすく書かれているのでとてもおすすめです。ぜひ読んでみて下さい!


2.なぜこの本を読んだのか


私は自分の子育てを機に、養育里親や社会的養護に興味を持ちました。いつか養育里親になりたいと思って情報収集する中で、里親制度にも問題があったり、中々里親家庭で育った人の生の声が見つからないなーと思っていました。そんな中、社会的養護の元で育った人の体験が載った本があると知り、読んでみたのがきっかけです。

それでは早速、本書を読んでみての感想です。

3.自分の家の ”フツウ” を疑ってみる


家族の事情や問題は多種多様で、あなたと全く同じクローン家族は世の中に存在しない。

ほとんどの人が自分の家族しか知らず、自分の家族の「オリジナル性」に気づいてない。

そうなんですよね。ほとんどの人が自分の家族しか知らず、自分の家族の「オリジナル性」に気づいてない。んですよね。



自分ちの普通や日常は、もしかしたら世の中の異常だったりするのかもしれません。

親から暴力を受けていたり、世話をする家族がいて学校に行けないなど、そんな状況がもし「日常」であれば、それがおかしいと気づけない・気づかないかもしれません。なんで気づかないのかと言えば家族については、ほとんどの場合、「自分の家」しか経験しておらず、比較することができないからです

アルバイトの場合はどうでしょうか。もしアルバイトの経験が複数あれば、アルバイト先AよりBの方が居心地がいいという感想を持てるかもしれませんね。アルバイトの経験が増えるにつれ、あそこの労働環境は良くないな、とわかってくるかもしれません。

けれど、家族は?自分の家の状況しか知らないことがほとんどで、どんなに家庭環境が悪くても離れようという発想にはならないかもしれません。
けれど、離れていいんです。

自分ちのフツウを疑うためには、他の家族を見てみることが必要だと思います。この本にも、9名の方の経験(家庭環境や育ちについて)が書かれていますが、広く本を読むことで他の家庭や家族の関係について垣間見ることができるなーと思っています。


4.里親になる人、養子を迎える人は「子どものために」行動して

1歳の頃から里親家庭で育ったカナさんの声です。

里親になる人、養子を迎える人に対しては、家庭環境や経済力を重視するのに加え、社会的養護が必要な子について深く勉強する仕組みをつくってほしいということです。ー実の親から愛情を受けられなかった子を他人が迎えて養育するからには、専門的な知識をしっかり身につけてほしいと願っています。

私自身、養育里親に関心があったこともあり、カナさんの体験や意見にとても考えさせられました。カナさんは、里親との相性が悪く、我慢を強いられ続けたとのこと。
どうしてもカナさんの養親さんが自分たち本位というか、子どもを何だと思ってるんだという言動が多く見え、この情報だけだと里親の質を上げる必要があるなと思いました。

里親制度は、子どもが欲しい大人のための制度ではなく、子どものための制度だということです。

多くの里親さんが善意で里親を担っていると思いますが、その善意や愛情を、きちんと専門知識を学び、ケアしていくという行動で示していかないといけないんだろうなと思います。

と、まだ里親をやっていない身なので、実際の里親さんたちの苦労を知らずして思ったままに語っております。

5.最後に

この本では、大きく2点の学びを得ました。

一つ目は、家族というものは唯一無二のオリジナル性を持っていること。
自分ちのフツウを疑ってみよう。

二つ目は、里親になる人、養子を迎える人は「子どものために」専門知識を学ぶ必要がある、ということ。 

です。


この本は社会的養護の元で育った人たちの体験や、苦しい家庭環境から抜け出すヒントが書かれています。

気になる方はぜひ一読してみていただけると嬉しいです。

ここまで読んでくださりありがとうございました。

6.なぜわたしたちは感想noteを書くのか?


7.今までの記事の紹介

2022年の記事の紹介です。

1,「里親家庭で生活するあなたへ」里子と実子のためのQ&A 山本真知子さん(出版日 2020/7/2)

2,アドボカシーってなに? -施設訪問アドボカシーのはじめかた−(2021/4/12)栄留 里美さん他

3,シングルファーザーの年下彼氏の子ども2人と格闘しまくって考えた「家族とは何なのか問題」のこと 著者:花田菜々子さん (2020/3/18出版)



8.リクエスト方法の案内


また今後は本を読んでみての読書会を企画しています!
この本を読んで読書会をしたい!noteを読みたい!などあればこちらにお寄せください^^(名前の記入は不要です)

最後までお読みいただきありがとうございました。



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