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#113 1on1は上長こそ学べる場である 24/3/18

みなさん、こんにちは。
今日は1on1を有効に機能させていくことを考えます。

10年くらい前に、ヤフーの1on1が一種のブームになりました。そしてコロナ禍のリモートワークに伴い、コミュニケーション課題のソリューションとして1on1が再燃したように感じます。物理的な対面接点が不可能になったときに、どのようにチーム間の、上長とメンバー間のコミュニケーションをどのように成立させていくのか、腐心した方も多いのではないでしょうか。

当社は、全社員が満遍なくとはいかないものの、20年以上前から1on1を取り入れていました。しかしながら、つい最近までは、上長が主体の、上長のためのツールでした。たとえば、メンバーのタスクを管理する、業績の見通しをすることが中心です。
営業系であれば、営業活動の行動KPIモニタリング、提案内容のレビュー、受注見込みなどのための1on1ミーティングです。
事務・運用系であれば、日々のオペレーションが円滑に回っているか、問題発生時のトラブルシューティングの指揮・監督です。あるいは中期的な業務改善の予防対策、業務定形化などQC活動の進捗管理などのための1on1ミーティングです。
これらはこれらで、マネジメントとして基幹的な仕事としてとても大事です。

一方、1on1ミーティングの性質を考えると、相手の≒メンバーを主体にした場になると、より良いなとわたしは理想を持っています。
なぜなら、わたし自身はまず、1on1を人材開発や長期的なキャリア開発の手段として有効だと捉えているからです。
よりもっと志向していることは、客体である上長側の「学び」の場にできると考えるからです。

一義的には、1on1ミーティングを通してメンバーの成長を支援することです。今担当している仕事でどんなことに困っているのか、解決策はどんなことが考えられるか、質問やヒントを出して、自分が考えて行動できるように勇気づけることです。あるいは、ひとかたまりの仕事が終わったときに、大きなPDCAを回して、その経験からの学び、成長の手ごたえを感じる手助けをすることです。このように、日常の小さなPDCAと節目節目にある大きなPDCAの両輪を駆使して、中長期的なメンバーの成長を支援します。これが上長を主語にすれば人材開発、人材育成です。
ここまででも、まだまだわたしは人事として支援し、しくみにもできていません。これがいい具合に組織内に確立できれば、それだけでも十二分です。

もう一歩欲ばって、この仕組みに上手く上長が乗ってきたときに、そのメンバーの学びサイクル自体から、上長自身が学べること、ここに至ることがより上位の目的にもっています。
メンバーの学ぶ様子やその過程から、人の発達過程にどんなことが起きたり、どんなことで人が動機づけられたり、あるいは葛藤や消耗したり、対象とする「人」を深く理解していくことができるのではないか、と考えます。
そこで、自分自身に哲学的な問いが立つことや、自分自身の発達課題の解像度が上がり、その解決のために何を学ぶのか方向感がつかめてくることにつながると考えます。
ですから、1on1ミーティングを通じて、結局のところ、つまるところ、上長たる自分がもっとも学ぶことができる、自分のためにメンバーの時間をもらっている、と考える次第です。

やや空中戦的な話が中心になりましたが、1on1ミーティングなどをされているみなさんはどのように考えますか。
それでは、また。

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