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追いかけてくる靴ひもになっていく

シリーズ・現代川柳と短文NEO/025

 人は初めて靴ひもが結べたときのことを覚えていない。もともとは結べなかったはずなのに、まるで最初から結べたかのような顔つきで日々を過ごしている。べつにいま思い出せなくてもいいと思う。しかし、もっと、結べなかったときのことを想像すべきときが来ている。

【本日の現代川柳】
追いかけてくる靴ひもになっていく
/今田健太郎

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