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読書日記『夜明けのすべて』

裏書きに「PMS」の文字があった。
PMSが物語のキーになる時代がやってきたんだと少し驚いた。

そしてこの物語は映画化もされたらしい。
松村北斗さんと上白石萌音さんが主演とのこと。

「はたして、この物語はどんなお話なんだろうか。」
これが、私がこの本を手にしたきっかけだった。

【あらすじ】
職場の人たちの理解に助けられながらも、月に一度のPMS(月経前症候群)でイライラが抑えられない美紗は、やる気がないように見える、転職してきたばかりの山添君に当たってしまう。
山添君は、パニック障害になり、生きがいも気力も失っていた。
互いに友情も恋も感じていないけれど、おせっかいな者同士の二人は、自分の病気は治せなくても、相手を助けることはできるのではないかと思うようになるーー。

文藝春秋BOOKS HP

読み終えた今、
「今の環境でも、もう少し頑張ってみよう。」
という気持ちになった私がいた。

主人公の2人はPMSとパニック症候群という
自分ではどうしようもないものを抱えながら、日々を生きていた。

新卒で入社した会社を辞めざるを得ない状況になってしまったけれど、
今の会社の力になりたいと前向きに仕事をしていた。

その姿に影響されたのだと思う。

「私も、今を一生懸命に生きよう。」
「今、働いている会社でやれることをやっていこう。」
そう思った。

この物語は、現実の中にフィクションが混ざったような物語だと感じた。

PMSやパニック症候群で苦しむ人がいるのは現実だけれど、
突然に散髪に押し掛ける異性はいないと思う。

辞めた部下を気にかけてくれる優しい上司はいるかもしれないけれど、
本当に自発的に休日出勤(無給)をすることは私には考えられないからだ。

そんな世界線の話だからこそ、
現実に悲しくなることもなく、フィクションだと壁をつくることもなく
「私も頑張ろう。」という気持ちになれたのかもしれない。

小説を読んだ後、
映画『夜明けのすべて』の予告映像を見てみた。

美沙と山添は普通の人で、何気ない日常が描かれていた。
…でも、”生きづらさ”を抱えている2人。
映画の中ではいろんな出来事が起こると思う。
エンディングではちゃんと笑っていてほしい、そう思った。

また、原作では出会わない2人(らしき)が会話しているシーンもあった。
個人的には、山添と元上司と現上司の会話が気になるところである。

『夜明けのすべて』
瀬尾まいこ 著
文藝春秋




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