【落語短歌】vol.1 紺屋高尾 & 幾代餅
幾夜待つ一夜一生に一目惚れ今夜迎えて想いを遂げし
いくよまつ ひとよひとよに ひとめぼれ こんやむかえて おもいをとげし
『落語短歌』を作ってみました。
記念すべきvol.1は、【紺屋高尾】と【幾代餅】を掛け合わせた一首。
【紺屋高尾】と【幾代餅】は、タイトルこそ違えほぼ同じ内容の演目です。
落語界に流派という流派はないのですが、亭号によって、流派めいたものによって、どちらの演目を演れるか決まるとか決まらないとかいう不文律があるようで。
おそらく、双方の演目を持ちネタとして持ってらっしゃる噺家さんはいらっしゃらないのではないでしょうか。
純愛の美しさが光る感動の人情噺。
真打や名人が高座に掛ける印象が強い演目です。いわゆる〝大ネタ〟。
ほぼ内容の同じ【幾代餅】では、設定が以下の通りに変わります。
この後、短歌の解説が演目のネタバレに繋がる可能性アリです。
ご了承の上お読み頂ければと思います。
《短歌解説》
★幾夜待つ
言わずもがなで〝幾代餅〟に掛けました(笑)。お互いに想い合っているのに、三年(一年)も合うことができないのです。幾つの夜を待てばよいのでしょうか。乙姫彦星?七夕伝説?とツッコミたくなる募る恋心の切なさですね。好きな人には今すぐ会いたい!今すぐkiss me!(古っ)のわたしには欠けたるピュアさなのであやかりたいものです←
★一夜一生に一目惚れ
こちらも〝一夜〟も〝一生〟も「ひとよ」と読ませることで、したたかに韻を踏みまくりにゆきました。〝一生〟を「ひとよ」と読ませることで有名な胸キュン短歌がありますね♪
実際に栗本氏がハタチの頃に詠んだものと言われていて、青春真っ只中の甘くて淡い恋心がこの一首で全力に伝えられている作品ですね!ホントに可愛い♪/// 大好き!
そして、「ひとよひとよにひと」・・・まで聞いて、みなさん何かを思い出しませんか?そう、観覧車に乗って胸キュンしちゃうくらいの、青春の1ページに刻まれていませんか? 授業中、もしくはテスト前にくちずさみませんでしたか?
「人並みに奢れや!」(1.7320508)
「富士山麓にオウム鳴く」(2.2360679)
と言えばそうです、コレです!
「一夜一夜に人見ごろ」(1.41421356)
そう、ルートです!ルート2です!懐かしの平方根です!!!今となってはどう扱っていたかも覚えていないルートです!かの名曲『算数チャチャチャ』の「ルート2プラスいちぶんの、チャチャ、2プラスルートの2、チャチャチャ!」でしか使わない〝ルート2〟です!!!
ちなみに、『算数チャチャチャ』が大好きなのですが、聴くたびに思う。
・・・『数学チャチャチャ』だろ!
こんな難解な数式を軽快に歌ってるんじゃねーぞ!・・・と。(あ。クチ悪いけど、ちゃんと歌詠みらしく韻は踏んだよ。何ならライムと称してラップバトルで使ってみるね!)
「一夜一生に一目惚れ」はちゃっかり、しっかり、全く関係ない〝甘酸っぱな青春〟というワードだけが無理矢理な共通点の、ルート2の覚え方にかけてみました。(1.41421350・・・とかになるんですかね)
新学習指導要項が導入されたばかりですが、このタイミングで新しいルート2の覚え方とかでテキストに載ったら、俵万智氏のように脚光を浴びるかしらと虎視淡々。(← いや、ルート正しく暗記できなくなるだけだからね)
★今夜迎えて
「今夜迎えて」と「紺屋迎えて」を掛けました。「今日という夜を迎えて」「紺屋に妻として迎え入れて」という意味を持たせています。〝紺屋〟は「こうや」と読みます。ことわざ『紺屋の白袴』もそうですね。
さて、いかがでしょうか。
「都々逸を作りたいーー!」と、2年くらい散々ぼやいていて、吟遊先生と都々逸会までやったのに、いきなり短歌かよっ!ていうね。うん。
いや、都々逸も作って見たのですよ。
でも、今回は短歌の方がきれいにおさまった気がします。
ちなみに都々逸バーション。
「今夜持ち家」は、「紺屋餅屋」に掛けてますYO!
都々逸のほうが、駄洒落にもチープ感と庶民感が漂っていていかにもな都々逸らしさが良いよね、と自画自賛。←
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