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【聞く力】良い聞き手のカギはピュアな好奇心。

「聞く力」が重要という話、よく聞きますよね。

管理職研修や、子育て講座、教員研修などでもとても多いテーマです。
またチームビルディングでもよく登場します。

相手の話を聞くために。

一番よく言われているのが、HOWの部分です。

▶︎ 相手の話が終わるまで口を挟まない
▶︎ 違和感を感じる発言があっても評価したり反論したりしないで聞く
▶︎ あいづちを打つ
▶︎ 相手とアイコンタクトを取りながら聞く
▶︎ 携帯電話やパソコンの画面は閉じる

など。
耳にしたことのある方も多いのではないでしょうか。

プロのコーチやコンサルタントのトレーニングでも
「聞く力」の重要性は強調されています。
そしてそのための「傾聴スキル」も整えられています。

実際に、これを学んでやってみたことがありますか?

不慣れな中、形だけをトレースすると、
どうにも違和感のあるコミュニケーションになってしまう💦
と感じた方、いらっしゃるのではないでしょうか。

わたしもその1人です。

相手が何を言っても、「うんうん」と最後まで聞く。
これは確かに大切なことだと思います。

でも、「うんうん、そうなんだ」
「そう感じているんだね」
「そうなんだね」

というあいづちを繰り返していると、
どうも会話が不自然になるような気がしたものです。

コーチングしゃべり

とでも言いますか、なんとも妙な感じでした(笑)

これ、逆の立場になると、非常に話しにくいものです。
なんか、「聴こう」「聴こう」としてくれるのはありがたいのだけど、
普通に話してよ💦と突っ込みたくなる感じ。

これでは、「聞く力」のメソッドが活かせているとは言えません。
話し手が、違和感なく、
自由に本音を話してくれるためのメソッドなのに
逆行してしまってますね。

話し手が違和感を感じると、本来の成果は出ません。

本当は、自由に本音を話しているうちに、
自分でも気づかずにいた自分の本当の思いを言語化できたり、
心の中でモヤモヤしていたものをスッキリ整理することができたりするために、聞いているのに、
話しにくい違和感が生まれてしまっては、
話し手が自分の内面を深く掘っていくどころではなくなってしまいます。

カギはピュアな好奇心

たくさん失敗を重ねて、わたしが至った結論が、
「カギはピュアな好奇心」という一言です。

どんな質問を繰り出そうか、
相手がより自分の本音に迫れるための最適な質問は何か、
自分で自分が目指す目標を立ててもらうには、どんな問いかけが良いかなど

「次にいうこと」をあれこれ考えていては、
良い聴き手にはなれない気がします。
目の前の相手の話を聞き逃してしまいますよね。

頭の中で、相手の話を聞く以外のことを考えていると
話し手から見て、それはバレバレです。

集中して聞いてくれていないなあ…
なんか他のことに気持ちが向いてるなあ、この人…

人間の感覚は鋭いものです。
次のことを考えていたり、今回の面談をどのように終結させるかを考えていると、必ず相手にバレてしまいます。

大切なのは、どんな素敵な質問を投げるかではなく
相手に心からの「好奇心」を持って向き合うこと
ではないかなあ、、、

それがわたしのたどり着いた答えです。

相手が自分とは全くちがう価値観で話していたら、
「はあ?」と思うのではなく、
その裏側にどんな思いがあるのか、
なぜそう考えるようになったのか、
これまでにどんな体験があったのだろう??

と、その「人」にピュアな好奇心を持つことです。

否定するでもなく、賛同するでもなく、
純粋に相手に興味や関心を向けること。

どう考えているのか、それはどんな体験から始まっているのか、どんな願いがあって今どう感じているのか。

目の前の「自分とはちがう」相手が、どんな人なのか?
素直に興味を持って知ろうとすると、質問したいことは自然と湧いてくるものです。

相手の話に矛盾を感じたら、
さっきはこう言っていたけど、今はこう言ってる気がする
実際、どうなのかな?
と素直に聞いてみる。

この目の前の相手へのピュアな興味関心が、
結果的に、相手の内省を促す質問や問いかけを生み出していくことが多いです。

子育てでも、上司と部下の面談でも、
相手がどんな人なのか、
何が好きで何を求めているのか、
今どんなことに困っているのか、
何にイライラしているのか、
不満足なことは何なのか、
どうしてそう感じるのか、

純粋に興味を持って
それを「知りたい」と思うと、自然と言葉が出てきます。

相手の顔を見なかったり、ケータイをいじったり、
相手が話しているのを遮って説教したりすることも、
自然となくなっていきます。

書籍やWebでもたくさん出てくる「聞く姿勢」のメソッドは、
とても役に立つものですが、
表面的に取り入れるだけでは、意識が、目の前にいる相手ではないところに削がれてしまい、結果的に良い「聞き手」になることから遠ざかってしまうので、要注意です。

「聞き役」だからと意気込むことも必要なし。
その場の対話を、起承転結をつけてうまくまとめようとする必要もなし。

ただひたすら相手の内面に純粋な興味関心をもって
素直に「知ろう」とする気持ちを持つのが、実は近道で最強かもしれません。

不自然な会話から抜け出し「聞いてくれてありがとう」と言われる聞き手に近づきましょう。自分とちがう感覚や価値観を持つ人との出会いは、びっくりしたり、思いもしなかった視点を与えてくれたり、自分の幅を広げてくれるものだと思います。

なかなかの男性社会で30年働いてきたテレビマンが、コーチングやカウンセリングで「自分らしく生きる」を支援中。限定少数しか出来ませんが小学生からシニアまで。