麺 gogo

美味しい麺の条件について考察しています。 私の食べ歩きの記録は下記から読むことが出来…

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美味しい麺の条件について考察しています。 私の食べ歩きの記録は下記から読むことが出来ます。 https://www.google.co.jp/maps/contrib/111255158290479951724

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  • 麺の話

    スープでもない。チャーシューでもない。 麺の美味しさ重視のラーメン考察です。

最近の記事

#6 麺の太さと加水率の関係

多加水麺と低加水麺の特徴麺の特徴で誰にでわかりやすいのは「太さ」であり、その次は「加水率」であろう。 加水率とは、麺を作る時に小麦粉に加える水の量のことである。加水が多めを「多加水麺」、少なめを「低加水麺」と呼ぶ。 多加水麺の特徴 ・麺表がチュルチュル滑る。 ・モチッとした噛みごたえ。 ・麺は軽くウェーブがかかっていたり縮れていることが多い。 ・昔ながらの中華蕎麦、喜多方ラーメン、手打ち麺など。 低加水麺の特徴 ・パッツンとした噛みごたえ。 ・ストレート麺であること

    • #5 グルテン網の形成条件

      今回は「麺のコシ」の主役である「グルテン網」について考察する。 グルテン:粘りと弾力の構造グルテン網は、弾力のあるグルテニンと、粘りのあるグリアジンという2種類のタンパク質から構成されている。この異なる2つの性質が網の目上となり、粘りと弾力という稀有な力学特性が生まれている。 鍛えるほどグルテンは形成される?このグルテン網は麺のコシを生む最も重要な構成要素である。しかしこのグルテン網については誤解も多い。 「麺帯を鍛えれば鍛えるほどグルテンが形成される」 というのはその誤

      • #4 麺の硬さとコシに関する考察

        麺の硬さはコシには必要今回は麺の硬さについて考察する。 下図で示されるように、一般的に麺が硬いほどコシ勾配が高くなる傾向にある。 たとえば茹ですぎたインスタントラーメンのように柔らかい麺だとコシがなくなってしまうというのは誰しも経験することだろう。 しかし硬すぎると逆にコシはなくなるしかしコシを出そうといたずらに麺を硬く仕上げることで、コシそのものが台無しになるケースがある。 特に「柔らかい小麦粉(中力粉〜準強力粉)」「中加水〜高加水」「中太〜太麺」というもともとの素性が柔

        • #3 麺のコシについての解説

          コシ=しなやかな弾力コシとは麺の魅力の最も重要な要素である。噛み始めはしなやかに、しかし噛み進めるほどに弾力が増す魅力的な食感である。 いわゆる「硬い麺」を「コシのある麺」と勘違いしている人もいるかもしれないが、麺のコシとは本来は、小麦のグルテンとデンプンのバランスが生み出す、しなやかな弾力の食感のことである。 このコシは専門的には「麺の外側と中心の水分吸収率の差=水分勾配」と説明される。 水分勾配の原理小麦粉で作られた麺は、グルテン網の中にデンプンが入っている構成となっ

        #6 麺の太さと加水率の関係

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        • 麺の話
          6本

        記事

          #2 麺が美味しい3要素

          ラーメンを食べる人で「麺自体の美味しさ」を評価する人は少数派かもしれない。 実際「麺自体が美味しい」というラーメンは100店に1店ほどだろう。(チェーン店や町中華料理店のラーメン含む) しかしその1%の「麺自体が美味しい」ラーメンに遭遇すると「本当に麺が美味しいということがあるのだ」と感動する。 この「麺自体が美味しい」という体験は次の3つのステップから構成される。 1,しなやかなコシ麺のコシとはしなやかでありながら、噛み進めに従い増していく弾力のことだ。このしなやかな弾

          #2 麺が美味しい3要素

          #1 ほとんどの人が気づいていない麺そのものの味

          麺の味が美味しいのは全体の約1%ラーメンが好きな人は多い。しかし麺の小麦の美味しさが好きという人は少ない。それはそもそも麺の味が美味しいラーメン自体が圧倒的に少ないので当然だ。 首都圏にある約1万軒ほどのラーメン店(中華料理店含む)の中で、麺の味が美味しいラーメンを提供しているのは100店ほどもないだろう。つまり麺の味が美味しいラーメン店は1%もないということだ。 このため、そもそもラーメンは麺の味が美味しいものもあるということを知らない人が大部分なのも仕方ない。 ただし

          #1 ほとんどの人が気づいていない麺そのものの味