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誰よりも早く駆け抜けた先に

広がる景色は何を与えるのだろう。
汚れなく吹き抜けてきた風、淀みのない日差し、
自分の意思で合わせる視点
清々しさ、誇らしさ、尊さ、
達成感、満足感、幸福感

その一歩辿り着いた場所でふと、振り返った時、
誰も後ろにいなかったら
その顔を前に戻してまた同じ景色はあるのだろうか。

何かを見ようとし、確かめようとし、探そうとして
その正面がゴールであった事も
振り向いたうしろから来た事も
一瞬でわからなくなる、足元の地が抜け落ちるような
新たなスタートと出会う。

いつか現代美術館で見た文字の作品
ノートにペンで書かれたそれには

 砂浜で 海を背にして立つ

 その前に鏡を置く

 そのまま後ろに下がっていく

のようなことがシンプルな英語で記されていた。
文字を辿るだけで
まるで実体験か映像を見たかのように鮮明な様子が描かれた。
酷く落ち着いた気持ちだったことを覚えてる。


何色の砂浜で、どんな天気なのか、どんな大きさの鏡で、どんな服を来て
それがあなたなのか、誰かなのか、
どうなるのか。

人は人といたいから流れを生む
誰かと、見たい景色ができる。

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