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【閲覧注意】不思議な奇祭の世界

「奇祭」とは、日本各地に存在する、独特でユニークなお祭りのことを指します。これらのお祭りは、その土地ならではの文化や歴史が反映されており、見る人々を驚かせるようなパフォーマンスや行事が行われます。

例えば、「どんつく祭」は静岡県東伊豆町で毎年6月初旬に開催されるお祭りで、「夫婦和合」、「子孫繁栄」、「無病息災」を願うものです。このお祭りでは、日本最大級のご神体をおみこしに乗せて練り歩きます。このご神体は男性器を模したものであり、その大きさと迫力に圧倒されることでしょう。

「日本三大奇祭」と呼ばれるお祭りには、秋田県男鹿市北浦にある真山(しんざん)神社で行われる「なまはげ柴灯まつり」、山梨県富士吉田市にある「北口本宮冨士浅間神社」で行われる「吉田の火祭り」、そして岩手県奥州市の黒石寺(こくせきじ)で行われる「蘇民祭」があります。

「なまはげ柴灯(せど)まつり」は、秋田県男鹿市北浦の真山神社で行われる、男鹿の冬を代表する冬祭りです。毎年2月の第二土曜を含む金・土・日の3日間開催されます。この祭りは、900年以上前から毎年1月3日に真山神社で行われている神事「柴灯祭」と、民俗行事「なまはげ」を組み合わせた冬の観光行事です。真山神社境内に焚き上げられた柴灯火のもとで繰り広げられる勇壮で迫力あるナマハゲの乱舞は見る人を魅了します。男鹿温泉郷の冬場の観光を盛り上げようと企画した「雪まつり」が始まりで、菅原慶吉氏(後に男鹿市長)等が先に立ち、奈良環之助氏(民俗学者、秋田市議など)の指導を受けて、「柴灯祭」を取り入れたとされています。

吉田の火祭りは、山梨県富士吉田市上吉田地区で行われる祭りです。日本三奇祭の一つとされています1。北口本宮冨士浅間神社と境内社(摂社)である諏訪神社の両社による例大祭で、毎年8月26日の「鎮火祭」と、翌8月27日の「すすき祭り」の2日間にわたって行われます。このお祭りは、夏山の富士山登拝の山仕舞いを意味するものです。木花開耶姫命(コノハナサクヤヒメ)の故事に由来すると言われています。夕暮れ時、高さ約3メートルの大松明70本から80本余りが燃やされ、各家ごと作られる井桁状に組まれた多数の松明も燃やされます。麓の町と山は一体となって火祭りを繰り広げ、上吉田地区は火海と化し深夜まで賑わいます。このお祭りは国指定重要無形民俗文化財に指定されており、文化庁による指定種別は風俗習慣です。

蘇民祭は、岩手県を中心に日本各地に伝わる裸祭りで、1000年以上の歴史を持つと言われています。岩手県内では毎年1月から3月にかけて複数の蘇民祭が行われ、「岩手の蘇民祭」の名称で国の選択無形民俗文化財として選択されています。

その中でも最も有名なものは、日本三大奇祭ないし日本三大裸祭りの一つに数えられることもある奥州市の黒石寺蘇民祭です。このお祭りは、五穀豊穣や無病息災を祈願するもので、午後10時から始まります。参加者は精進潔斎に務めなければならず、肉・魚・ニラやニンニクなど臭いが強い食物やそれらを調理した火を通した食物を口にすることが禁じられます。

午後11時30分より全裸に下帯だけ身に着けた男たちが行列を作って福物の柴燈木(ひたき)と呼ばれる松明を掲げながら行進します。そして午前2時から本堂で数え7歳の男児2人が扮する鬼子が本堂に入り福物の餅を境内にまいた後、再び境内に戻ります。午前5時から親方が小刀で蘇民袋を切り裂き、福物の小間木(こまき)を境内の男女が拾う一方で柴燈木登りに参加した男たちは引き裂かれた蘇民袋を激しく奪い合います。最終的に取主(最後に袋首部分近く握っていた者)が決まるとその年東西どちら土地豊作か決まるそうです。

このお祭りは地元住民以外でも当日境内で届け出れば参加可能です。ただし前述した精進潔斎は厳守し宗教行事であること心得て参加することです。

これら「奇祭」と呼ばれるお祭りは、その土地ならではの文化や歴史が色濃く反映されています。見る人々を驚かせるようなパフォーマンスや行事が行われるため、一度訪れてみる価値があるでしょう。

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