見出し画像

自分の人生を生きよう!

これは20年くらい前の就活の際の話です。

自分自身の学校の成績は真ん中くらいをうろちょろしており、全然大したことありませんでしたが、エントリーシートを工夫し、面接準備も徹底的に行った結果(自分の成績がしょぼいことはわかっていたので、ここでは人の2倍も3倍も努力しました)、就活で受けた大企業のほどんどから内定をもらうことができました
※教授陣も「なぜあいつが」と言うほどの快挙でしたが、個人的にはあんなに準備したのだから、自分としては当然の結果と思っていました。。。

ある日、就活にめちゃ強いやつがいるという噂を聞いた後輩のAくんから、就活の模擬面接をしてほしいとお願いされ、A君に模擬面接をすることに

下記はそのやりとりを一部抜粋したものです。

Raptor(以下R)「弊社を受けた理由を教えてください」
A「はい。御社は地元に根差したビジネスを堅実に展開されており、御社に在籍している先輩からも働きやすいと伺っています。私自身地元での就職を希望していることから、御社にビジネスと働きやすい社風に大変興味を持ちました。」

R「なるほど。あなたにとって、働くということに対する最優先事項は何でしょうか?
A「はい。まずは地元であることを優先したいと思っています。」

R「なぜ地元であることが優先なのでしょうか?」
A「私の両親は既に他界しており、私は祖父と祖母に育ててもらいました。その祖父と祖母も高齢になってきており、二人のことを考え、地元での就職を考えています。」

R「なるほど。おじいさんとおばあさんのためということなのですね。おじいさんとおばあさんもA君が地元で就職することを希望されているのでしょうか?
A「いえ。祖父と祖母は自分が好きなことをやりなさい。こちらに残る必要は全くない。私たちのことは気にせず、自分の人生を生きなさいと言ってくれています。」

R「では地元だからということではなく、もう少し視野を拡げ、就職先を探されたほうが良いのではないでしょうか?地元だからという理由で弊社を選ぶ必要ないかと思うのですが。」
A「いえ。祖父や祖母はそう言ってくれていますが、私は地元への就職にこだわりたいと思います。地元に残ればきっと喜んでくれると思うので。」
R「おじいさん、おばあさんはA君が自分の人生を生きることを望まれているということですよね?逆に自分たちのせいでここに残ってしまったという負い目を感じられる可能性もあるのではないでしょうか?
A「いえ。なんだかんだ言っても自分がいたほうが良いと思うのです。ですのでやはり地元での就職を最優先し、就職先を探しています。」

R「A君のお気持ちはよくわかりました。ただおじいさん、おばあさんのためという気持ちがあるとしても、自分自身が地元に就職したい(地元が好き)、地元に貢献したいという思いがあり、就職先を探す中で地元に根差したビジネスを展開している弊社の仕事内容に興味を持ったというほうが弊社としてはしっくりきます。とにかくおじいさんおばあさんのための就職だと言われると、おじいさんおばあさんはA君が自由に羽ばたいてくれることを望んでいるだけに、少し違和感を感じてしまいます。弊社でなぜ働きたいのか?地元にあり働きやすいという事以外の理由をもう一度考えてみていただけますか?
A「・・・・(目から涙が流れる)」

こんなやり取りだったと思います。A君の想いに嘘はないのだと思います。こんなに論破する必要はなかったかもしれませんが、どうしてもA君に何か大切なことを伝えたくて、最終的には泣かせることになってしまいました

人のために生きるにしても、自分がしたいからするんだという想いがあれば、問題が起こっても乗り越えられます。それがないと、何かあったとき、人のせいにしてしまう気がする。そんなことを伝えたかったのだと思います。

20年以上A君とは会っていません。彼がどこに就職したのかも聞いていませんが、良い就職先が見つかり、A君が生き生きと働けて、おじいちゃんおばあちゃんがその就職を喜んでくれているといいなぁと心から願ってます。




お気持ちだけで十分。大変光栄でございます。それでもという奇特な方がいらっしゃったら、どこか本当に困っている方に寄付していただけると嬉しいデスm(__)m