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ベンゾジアゼピンの減薬方法_13_調剤のミスを防ぐために私が行った6つの工夫

(この記事の内容は私個人の知識・経験・得られた情報に基づく考察であり、減薬をされる方全員にとっての正解を示しているものではありません。お一人お一人にとって最善の方法を見つけるための参考としてご覧いただけましたら幸いです。)

全身倦怠感、めまい、記憶力や集中力の低下、視覚の異常、手の振戦など、いくつもの症状がある状態で調剤をしているとミスが生じる可能性が高くなります。
調剤のミスによって内服量が突然大きく変化すると重篤な離脱症状の原因になり得ますので、可能な限りミスを防ぐため、私は下記のような工夫をしていました。



1.内服量の計算式と計算結果を紙に書いて記録する


私は、離脱症状によって思考力・計算力・記憶力などが低下している状態でしたので、頭の中だけで考えたり計算したりする事は難しい状態でした。
そこで、毎日の減薬量と内服量をノートに書いて計算し、記録していました。
また、その記載を確認しながら調剤を行っていました。


2.自分以外の人にも計算と記録をしてもらう


上記のように、私は計算力が低下していて、実際に計算を間違えることもしばしばでした。なので、家族にも計算してもらって読み合わせをしていました。
また、内服量や減薬量は表にして記録するのが一番分かりやすくて良いと思ったのですが、私は視覚過敏が原因で線や数字がびっしりと並んでいるのを見ると具合が悪くなるという症状があり、表のような物を見ることができません。
そこで、家族にも計算と表による記録をしてもらいました。


3.何重にも計量して確認する


私は調剤に、計量カップ、マイクロピペット、メスシリンダーと、液体を量る器具を複数使って、何重にもチェックできるようにしていました。
私が主に使用したマイクロピペットは、5mlまで測定できるものだったので、5ml以上の液体を扱う際には複数回吸引する必要があったのですが(例:30ml吸引する場合には6回)、何回吸ったのか分からなくなるという事がしばしばありました。しかし、採取した液体をメスシリンダーに入れることで、あと何回吸引すればいいのか、すぐに確認することができました。
私の使っていたマイクロピペットはチップにもメモリが付いていたので、正しく吸引できているかどうかも、大まかにですが確認できて、より安心感がありました。


4.調剤の途中で写真を撮影する


私は調剤時に、以下の3つの写真を毎回撮影して、内服するまで保存していました。
① 計量カップに100mlの水を入れた写真
② 採取した水溶液がメスシリンダーに入っている写真
③ 残った水溶液が計量カップに入っている写真
3つとも全て真横からメモリを入れて撮影し、後から液体量を確認できるようにしていました。
先にも書いたように、私はピントの調節障害や視覚過敏、眩暈などがあり、メモリを見るのが難しい時も多かったのですが、スマホで写真に撮って拡大することで、見やすくなるという効果もありました。


5.調剤を見守ってもらう


上記のように目でメモリを確認するのが難しい時や、倦怠感・集中力の低下などで一人で正しい手順の調剤をするのが難しい時は、家族や訪問看護・介護の方々に一緒に見ていただくという方法もあります。
介護職の方は基本的にお薬を扱うことはできないのですが、調剤を見守って一緒に確認していただくことはOKと言って頂きました。事業所によっても対応に違いがあるかと思いますので、調剤の見守りをしていただけるか確認してみると良いと思います。


6.自分以外の人に調剤をしてもらう


私はとても体調の悪い状態で減薬を行っていましたので、体を起こしていることもままならない日も多く、調剤をしている途中に床に倒れ込んでしまう事もしばしばでした。このような体調の日に正確に調剤をすることは不可能ですので、私は自分以外の人に代わりに調剤していただける環境も整える工夫をしました。
私が調剤の代行をお願いしていたのは、家族と訪問看護ステーションと訪問薬局です。
結果的には、家族以外の人に調剤をしてもらう事なく断薬することができました。しかし、私の場合、調剤をしてもらえる家族は一人だけで、その人が外出したり病気になったりということが実際にありました。そのような時に私が必ず調剤できる体調でいられるという確証はありませんでしたので、家族以外の人にお願いしておくこともやはり必要だったと感じています。
お薬を調剤することは広い意味での医療行為にあたりますので、家族以外に依頼できるのは薬剤師さんなどの医療関係者に限られます。また、お薬を超微量ずつ減量するというのは、とても特殊な事になりますので、医療関係者であっても対応できない場合も多々あると思われます。ですので、もし調剤を依頼することが必要な場合には、個別に相談されることをおすすめします。
また、薬剤師さん・看護師さんなどに応じて頂ける場合でも、いきなり何の準備も無しにできる事では決してありません。もし実際にお願いする場合に備えて準備が必要です。
具体的には、私は調剤の手順を紙に書いてお見せしました。看護師さん方は器具を使って練習することを希望されましたので、自分が実際に使っている道具を使って練習していただきました。薬剤師さんは動画を希望されたので、自分が調剤しているところを動画に撮影してお渡ししました。

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