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【ベト日記15】日本語教師だが、「正しい」日本語よりも「通じる」日本語を教えたい

日本語教師としてめちゃめちゃなことを言うが。

学生はいつも
「この言い方は正しいですか」
と聞きまくってくるが、
正しい言い方に別にそこまでこだわらなくていいと思う。

外国人が話すなら、
「正しい日本語は可愛くないので、『意味が通じた上でちょっと違和感がある』ぐらいの日本語がベスト」
だと思う。

つまり、学生が聞くべきは、
「この言い方は正しいですか」
ではなく、
「この言い方は通じますか」「この言い方は分かりますか」
なのだ。

前回の日記で「異国で間違った/違和感のある日本語が堂々と使われているのを見るのが好き」「日本語をクソマジメに使用する日本人にとってそういうヌケのある日本語は癒しだし救い」と書いたのだが、

そう、「『意味が通じた上でちょっと違和感がある』日本語」を話す外国人は、日本人に愛されるのだ。

(意味が分からなくてもまあ可愛いんだが、あまりに意味が分からないとムカつかれたり相手にされなくなるので、ある程度コミュニケーションしたいなら「意味が分かる」は最低限必要だよね)

私が教えるベトナム人大学生たちは、日本にある程度の長さ(10年ぐらい)住み、技術を学んでから、ゆくゆくはベトナムに帰ることを望んでいる人が多い。

10年外国に住むとしたら、
「カタコトの面白トリックスター」枠で通すか、
「日本と日本語大好きなネイティブ肉薄日本語」枠でいくべきか。


日本の文化や言語習慣に惚れこんだり、語学オタクだったり、日本人と結婚したり、永住の予定が出来たのなら、後者を目指せばいいと思うけど、そうじゃないなら、(後者はいろんな意味でハードル高いので)、前者で通せばいいと思う。

その方が、失礼も許してもらえるし、とがった意見も角なく言えるじゃないか。

(私自身が割とどこ行ってもトリックスター枠なので、そう思うだけかもしれないけど……)

さて、「『意味が通じた上でちょっと違和感がある』ぐらいの日本語」についてだが。

たとえば、日本語学習者が半年ぐらい経って「可能形」を学ぶ際、「助詞を『を』から『が』に変える」というルールを学ぶ。

例)「ドリアンを食べます」→「ドリアンが食べられます」

でもまあ、こんなのどうだっていいと思う。どっちでも通じるし。


あと、もう少しすると「自動詞、他動詞」も学ぶのだが、これもガンガン間違えて大丈夫。通じるから。「この製品はよく売れます」でも「よく売ります」でも、分かる。

そんなことより、語彙を増やすことや、速い日本語に慣れることのほうが、先決!

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前回紹介したコレ、日本語学校の看板なんだよね。
もう絶対分かってるでしょ、これ。日本人のツッコミ愛され待ちでしょ、これ。「べんきん」って…………。


この日本語学校、実はめちゃめちゃ「分かっている」のかもしれない。



今日のベトにゃん。

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フォー屋のバイクの上で眠る猫。なんか物語性を感じる。たとえ世界が滅びても最後まで一緒にいそうな感じ。




渋澤怜(@RayShibusawa

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