見出し画像

全体主義と日本大衆社会 誰もが人を殺める存在になりうる。

このnoteは、最近社長になった人と、まだ何者になるかわからない若者が、「こんな生き方もいいんじゃない?」とライフスタイルをゆるく提案するnoteです。

■全体主義〜ハンナアーレント〜


社長 議論は好きですか??

20代役者 あんまりする事ないですけど好きですね。

社長 うちの会社は全体ミーティングが週に1回あるから、そこに議論したいものを持ち込んでやるんだけど。

20代役者 週一で議論することあります?

社長 ないよ!(笑) 俺が出したり、あとはたまに誰かが持ってきたり。ディベートっぽくはないけどね。意見交換からの意思決定、懸念点の確認と案を出すくらいかな。日本人はディベートが苦手らしいよ。

20代役者 そうなんですね。

社長 NO!!と言えない日本人とかね。

20代役者 たしかにたしかに。

社長 どうやったらNOって言えるようになるんだろうね。

20代役者 んー。自分の答えを持っているかどうか?

社長 人の意見とか答えって吸収すればするほど変わると思うんだけど、自分の答えを持って相手の言葉を聞いて吟味して、最適解を見つけるって方法がいいと思うな。

20代役者 確かに本とかで得た知識を元に考えて、そうかもしれないな。とか確かにそうだな。って思えたらその知識も自分の答えの一部になりますね。

社長 それが間違ってたとしても、素直に間違ってましたって言えればいいと思うんだよね。

20代役者 でも自分の間違いとかダメさを認めるのって普通は難しいですよね。

社長 難しいよね。

20代役者 自分が悪いと気づきながらも自分の正しさを主張したり、悪くはないということを主張したりするのが人間心理みたいなものじゃないですか。

社長 でももう1段階、思考してもいいんじゃないかってハンナアーレントは言ってるね。

ハンナ・アーレントは、ドイツ出身の哲学者、思想家である。ユダヤ人であり、ナチズムが台頭したドイツから、アメリカ合衆国に亡命した。のちに教鞭をふるい、主に政治哲学の分野で活躍し、全体主義を生みだす大衆社会の分析で知られる。

20代役者 アレント先生ですね。

社長 例えばだけど、ネット上は情報も意見も飛び交ってるけど、結局は自分が安心できる材料を見つけてるだけとかね。

20代役者 確かにそうですね。

社長 そもそも多様な意見があって、それを認める事って難しいことじゃない?さっき君が言ったように。自分の間違いを受け入れたくないしね。

20代役者 そうですね。異なる意見があると自分が間違っているのかと思ってしまうのも問題アリですよね。でも人間はそんなもんですね。

社長 そうだね。実際、異なる意見や反論に慣れてない国民だから、ミーティングをしても自分の意見とは異なる人の話は聞いてなかったりするね。

20代役者 自己防衛。保守的ですよね。

社長 そうだね。いろんな考え方、段階で考えていって、異なる意見でも一旦受け入れてみる。そこから別角度で思考していく。これが人間の知的活動で、知的エリートの嗜みだよね。

20代役者 慣れると楽しいものですね。

■なぜ、もう1段階掘り下げて思考できないのか。


社長 同じ意見であれば、考えず簡単に理解できて分かった気になるから。そこで分かったと思うことで安心できるからなんだよ。

20代役者 そうだと思いますね。簡単なものばかり聞いてると、思考も下手になりますよね。

社長 そうだね。複雑な現実を複雑なまま理解できなかったり、どんどん思考も鈍化していっちゃうよね。

20代役者 そうですね。

社長 それで思考停止して、わかりやすく指揮してくれる人の後ろになんとなくついていって全体主義につながる。

20代役者 明快な言葉とかわかりやすいものっていうのは、だいたい間違ってることが多いですね。

社長 そうだね。切り取ってたりするからね。

20代役者 とすれば最近の切り抜きチャンネルとか、悪なのかもしれないですね(笑)

社長 (笑) この間ニュースでみたけど、倍速文化みたいだね。要点しか知りたくないとかさ。映画、YouTubeも全部。
今の話で思い出したけど、俺が高校生の時Windows95っていうのがあって、全然起動の仕方がわからなくて、ネットの接続に30分くらいかかってたんだよね。でもあの複雑さを一個ずつやっていってクリアしていく。それが面白いし、近道はないんだなって今なら思うね。

20代役者 確かにそうですね。近道は地道にやることなんですよね。一見矛盾してそうですが、『急がば回れ』みたいな言葉もそれですよね。
結局、どうやってそれが成り立っているかっていうメカニズムを知っていると、いろんなものに応用が効く、ひとつの学問みたいなものですよね。
山頂に辿り着くまでのルートが違うだけ。そしてもっと視野を広げると同じ山だったっていう。

社長 そうだね。地道にやっていって初めて簡略化できて、でもその裏技的なものもほんの少しのことなんだよね。

20代役者 ショートカットキー的な(笑)

社長 そうそう(笑) だから宝くじみたいなものはないし、そういうショートカットキー的なものがサービスになったりするよね。

20代役者 痒い所に手が届くみたいな。

社長 そう!勤怠もwebでやればいいんじゃないかとかね。

20代役者 近くに公衆トイレがあるかどうかのアプリとか欲しいなぁ。

社長 郵便ポストとかね。だからわかりやすいってことにストイックにならないといけないよね。
わかりやすいっていうのに簡単に手を出して分かったふりをするのは安易だし、複雑なものは複雑なんだからさ。

20代役者 本とかそうですよね。ある言葉とか数式の説明のために、死ぬほど分厚い本があったり。

社長 その最後の言葉だけだと、濃密すぎてわからないから前置きで分解していくんだろうね。学術論文とかもさ、要約があって、その後に長い説明があったりさ。

20代役者 たしかに。

■物事を俯瞰にみる


社長 よくやるでしょ?文句言われたり、怒られてる時とかさ、何でこうなったんだろうとか。

20代役者 やりますね。

社長 今それをやるべきじゃないのにやっちゃって怒られるとかね。俺はよくやるなぁ、、、寄り添うべきなのに、解決しようとしちゃったりね。

20代役者 あるなぁ。

社長 そういうのをハンナアーレントは哲学思考って言ってるんだよね。
現代では必要だと思うけどね。いろんな角度からみる癖をつけるっていうのは。

20代役者 情報精査には使える思考ですけど、あまりに生産的すぎて対人には適してない感じがしますね。

社長 機械的というかね。

20代役者 そうですね。対人で行うと、その人がそうなった原因とかを突き詰めちゃって、その人の感性とか営みを奪っちゃうのかなとか。
そもそも感性なんてものは、自分の経験でしかないから対人には持ち込むなって話ですけど。人間って難しいですね。僕は苦手です。

社長 そうかー??

20代役者 んー。同じような人間であれば楽ですけどね。

■道具を扱うことができても情報は扱えない


社長 情報が多すぎるんじゃない?なんかスマホ認知症?っていうのがあるみたいなんだよね。若者の間で。

20代役者 確かにありそうですね。

社長 原因は過剰な情報収集で、脳が処理できなくなってパンクしちゃうみたい。しかし、どんどん考えなくていい世の中になってきたよね。ググれば一発みたいな。そんな中でやっぱり手を動かすって大事だなって思うね。

20代役者 たしかに。本とかね。紙を触ってる感覚と共に情報が身になりますからね。

社長 そうね。うちの会社で言うとラジコンとかね。ネジを閉めるとか。色を塗るとか。創作だよね。

20代役者 記憶に残りますもんね。情報過多で記憶がなくなるって事はあるでしょうね。

社長 あるよね。

20代役者 前も記憶の話をしたような気がしますね。自分の体験や経験でしか記憶は作られないって。だからググってもすぐ忘れるのはそれですね。

社長 あーたしかにね。

20代役者 人間の唯一の財産って記憶なんだなって、最近思ったことがあって。
父親に8年ぶりくらいに会ったんですけど、今の話ももちろん楽しそうに話すけど、やっぱり昔の記憶に残ってる思い出とか自分の頑張ってきた事とかをイキイキと話してる姿をみると、あーやっぱり記憶が財産なんだって思ったんですよね。

社長 そうねぇぇ。

20代役者 それと同時に今って楽に何でも手に入って、情報も簡単に手に入ってってなると、俗に言う大衆は、何にも残らないまま死んでいくっていう悲しい未来が待ち受けているんだなって。

社長 だってさ、昔の携帯のない時代の電話番号とか覚えてる?昔はめっちゃ覚えてたでしょ?今はないもんね。忘れるし。

20代役者 確かに。よくかけてた友達くらいなら覚えてますけど、今は覚えてないですね。

社長 スマホの番号とか覚えないもんね。

20代役者 たしかに、語呂合わせするくらいだもんな。そもそも覚えてても価値がないんでしょうね。(笑) 数字を数字のまま覚えられないというかね。

社長 そうなんだよ。情報を正しく扱える大人になりたいよね。

20代役者 確かになー。

社長 みんなが知るべき攻略本みたいなものを作りたいよね。

20代役者 教典か。

社長 この本に、大衆のアトム化って書いてある。アトムって原子なんだけど、階級制度が終わってどこにも所属しない人間が生まれた。
現代でいうなら、主体性を失って社会の歯車になるみたいな

20代役者 なるほど。

社長 西欧で、階級制度が終わって選挙権を得たけど、どこに投票していいかわからないとか、自分が利益を得る政党はどこなのかとかね。
誰に投票したら、俺たちに利益が回ってくるのかとかね。

20代役者 うんうん。

社長 そもそも大衆の多くは政治に無関心だし、そこに選挙権をもらったとしても自由である反面、選ぶべき道を示してくれる人もいなくなっちゃったってハンナアーレントは言ってるね。

20代役者 そんなところに漬け込んできたのが、ヒトラーってわけか。

社長 そうそう。不安になった大衆に、わかりやすい世界観、ストーリーを提示したよね。
例えば、会社の中で出世に熱心になっても、社内のルールでしか考えてなかったらアトム化していって、社外では全然通用しないとかね。

20代役者 そんな人たちに正しい攻略本を出せればね。

社長 それがあればヒトラーみたいにはならずに、スノーピーク的になるかもね。
アップルとかナイキとかもそうだけど、正しく使えば良い方向にいくし、このnoteの『こんな生き方もいいんじゃない?』みたいなものも、攻略本になり得るよね。

20代役者 まとめ
社会は複雑だ。そして、人は不安や緊張状態になると分かりやすい言葉や切れ味のいい言葉に騙される。それに振り回されないために、ひとつずつひとつずつ時間を使い思考していく、その地道な事こそ近道で、情報を正しく選べる知的エリートになれる知的レクレーション。
大衆は、一歩間違えればエルサレムのアイヒマンのように人を殺めるかもしれない。彼はただ、法律と上司に従っただけの国民だった。