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映画『インターステラー』感想

予告編


 明日、9月12日は、「宇宙の日」という記念日なんだとか。ほんと、色んな記念日がありますね。

 というわけで本日は宇宙に関連するような映画の感想文でも投稿しようかと。最初に観たのは公開(2014年)の翌年、TSUTAYAで借りた時ですが、実は2020年に劇場でリバイバル上映されていた本作。(最初に観た時の感想文がどれだけ探しても見当たらない……どこいったんだろ。)

 そんな当時の感想文なので、今の時勢・時節とズレた内容も混ざってはいますが、ご容赦くださいー。



何者


 TOHOシネマズ日比谷にて鑑賞。近々公開されるクリストファー・ノーラン監督の最新作『TENET テネット』(感想文リンク)に先立ち、近頃、過去のノーラン作品を劇場で、それもIMAXで上映しているんです。コロナ禍で減った客足を戻すって意味合いもあるんでしょうけどね。

 『ダークナイト』(感想文リンク)や『インセプション』等が上映されていましたけど、個人的にはやっぱり『インターステラー』が一番劇場で観たかったんです。ノーラン映画の中でも特に大好きな本作を劇場で観られて本当に嬉しい!

普段は「人によるからなぁ……」「万人受けじゃないかもなぁ」とか考え過ぎてしまうため、映画を他人にお勧めすることってあまりないんですけど、宇宙SFモノに限定して言えば、本作は間違いなくお勧めできる! 今回はそんな話をダラダラ書いていきまーす。



 監督本人もインタビューで「『2001年宇宙の旅』に影響を受けている」みたいなことを仰っていたらしくて、確かに、それを彷彿とさせるような宇宙空間の描写・表現がある本作。ここでは “どちらが上か” みたいな野暮な話はしませんけど、『2001年宇宙の旅』から半世紀以上もの年月が経っているわけですから。比較にならないほどに向上したCG技術で描かれる宇宙空間、そのビジュアルをまずは楽しみたい。多くの映画ファンたちに様々な映像体験をさせてくれたノーランが放つ宇宙空間……、いやぁ、観ているだけで楽しい笑。

特にクライマックスの映像には驚かされました。——五次元を視覚化する——それの正解かどうかまではわかりませんけど、僕のような平々凡々の文系男子には目から鱗の描写でした。しかもそれが同時に、本作のドラマ部分の中で一番の盛り上がりでもあるんです。映像的な最大の見せ場と、物語上の最大の見せ場が見事に噛み合ったシーンでした。

『2001年宇宙の旅』は(もちろん面白かったですけど)ちょっと哲学的というか芸術的というか、言葉による説明が省かれていた分、難しいなと感じる側面もあったので、そういう意味でも本作はお勧めしやすいんです。 



 次に、映像以外の部分でもちょっとした比較をすると、『2001年宇宙の旅』と比べ、本作は格段に “わかりやすい”。物語の中で「ワームホール」だとか「事象の地平線」だとか、いまいちピンとこないワードが出てくることが幾度かあるものの、その都度わかりやすい説明を挟んでくれています。

しかもそれが、理論的にどーのこーのという感じの説明ではなく、感覚的に理解させてくれるタイプの説明で、且つ、コンパクトに収まっているから、SFモノでありがちな「細かい設定の説明がダラダラ続いて退屈」みたいな足踏み感がありません。


 しかも、その説明のわかりやすさときたら、“勉強が大の苦手である野比のび太でも理解できるレベル” なんです!←意味わかんないですよね。ごめんなさい、ちゃんと説明します。これは映画ファンというよりドラえもんファンなら知っているエピソードなんですけど、『のび太の宇宙開拓史』の中で、あるキャラクターがのび太に “ワープ” を説明しようとするんです。その後ろで「のび太にモノを教えるのはちょっとなぁ……」みたいな反応をするドラえもんを他所に、“ある簡単な方法” でのび太にワープを説明したところ、一発で理解できたんです。そして本作でのワープの説明も、それと全く同じ方法だったんです。

 ちなみにこのワープの説明については、『ドラえもん』以外にも同様の説明が為されている作品は元から存在していたっぽいんですが、あまり詳しくなくて……。でも個人的にはその『のび太の宇宙開拓史』の印象が強かったものでして、もう初めて観た時は吹き出しちゃった覚えがあります笑。

全部が全部ってわけじゃないですけど、他の用語についても同様に簡単な方法で説明してくれているため、SFネタでも話が難しくて着いていけないってことがあまり無い(まぁ、なんとなくでも良いから相対性理論くらいは知っておいた方が良いかもしれないけど……)。



 最後に。そんな宇宙用語、SF用語が飛び交う本作……、いや本作に限らず、SFモノ最大の宿敵は「科学考証」なんじゃないかと思うんです。どんなに「この映画めっちゃ面白かった!」とか言っても「いやいや、科学的におかしいでしょ」と冷や水をぶっかけてられかねない。そして残念なことに、どれだけ映画的な魅力を伝えても、科学考証、或いはSF考証を用いられた途端、一切の反論が難しくなる……。

 ですが、本作に限っては、それは絶対に無い気がするんです。いつも映画の感想文を書く時に、監督や出演者と併せて、脚本とか音楽とか他のスタッフの名前も調べるんですけど、本作のスタッフを初めて調べた時、製作総指揮の欄に「キップ・ソーン」さんっていう、今まで一度も観たことが無い名前が載っていて……。いつも調べる時は映画情報サイトで調べるから、関連作品とか過去に携わった作品のこともついでに調べるんだけど、その名前に関しては(当時は)他の作品がヒットしなかったんです。

「え?こんな大作の製作総指揮なのに?」と驚き、今度は映画情報サイトじゃなくグーグルで調べてみて、そしたらようやく出てきた……。まぁざっくりと説明しますと、相対性理論や宇宙論に関するお偉いさんで、重力波天文学、天体物理学の専門家。しかもアインシュタインの共同研究者で、本作にも登場する「ワームホール」の命名者のお弟子さんで……。

 って、これってつまり、宇宙のことに関して、現状おそらく人類で最も賢い&詳しい方ってことじゃないのかな?(……説明がアホみたいで恥ずかしい笑)こんなスゲー人が携わっていたら「科学考証」とか宣えないし、何よりこの事実一つだけで、本作にリアリティを付与してくれるし、もっと言えば「もう一回観たい」とすら思わせてくれる程の存在感!

ってか、この人の理論を下敷きにした脚本なんですって。いやぁ、改めて、映画館で観られて良かったー。


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