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【リハビリ医療】食のもたらす思いがけないパワー! 

大学院で学んだ公衆衛生学・疫学の知見を元に健康的な社会を作りたい理学療法士のジローです。

普段は、回復期リハビリテーション病院という、リハビリ専門病院で、主に脳卒中患者さんの対応をしています。

一方、ライフワークとして「食」「栄養」に関する地域活動・啓発などにも力を入れています。

なぜリハビリ医療 × 食なのでしょうか?


‖  リハビリ現場のジレンマ


リハビリセンターには、若い頃からの不摂生を元に、内臓がボロボロの患者さんが多く居ます。

「内臓がボロボロ」だけでは、リハビリ病院の対象にはなりません。

内臓ボロボロの方が、加えて脳卒中になることや、骨折、心筋梗塞になることでリハビリの専門病院にやってきます。

テレビなどで見たことがあるかも知れませんが、動かない身体を再度動かしていくには、かなりの量の運動が必要です。

内臓がボロボロすぎの人は、運動が十分にできません。
そのような人は、回復が思わしくありません。

不摂生の大元には、「栄養」や「食」が大きく関わっています。
健康というキーワードを、食事と置き換えてイメージする方も多いのでは無いでしょうか?


また、最近の高齢者に対するリハビリでは、ある程度回復したけれど、十分に社会に入り込めない患者さんも居ます。

「外に出ても辛いだけ。楽しくない、、、、。」

閉じこもってしまえば、リハビリセンターでせっかく運動したのに元に戻ってしまいます。

楽しく食べる、美味しいものを食べに出かけるって、その人のモチベーションになりませんか?


‖  食をキーワードに、身体づくり・地域づくりを(食がもたらすパワー)


①栄養補給(不足を補う)

運動をして身体を作るには、ベースの栄養状態が重要。
不足がないように、3食しっかり食べましょう。

↓↓高齢者のタンパク摂取の考え方


↓↓もし、食欲が無くなったら??


②より健康的な身体を作る(素敵な身体に、活き活きと)

塩分・糖分控えめに。ジャンクフードばかりでは身体が傷みます。


③外出機会や社会参加(出かけるきっかけに)

テレビで美味しそうなお店が紹介されたら、県外でも行ってしまいますよね?
友達を誘って出掛けてみましょう!


④地域の環境や、文化、伝統の維持機能(他の地域や世代間の交流)

県外の食に触れることも、良い経験です。
出張の時は、その土地の名物を食べたくなります。

地域の食の伝統を、子・孫に伝えるのも立派な「食育」です。
世代間交流のきっかけになるかも。
高齢者の皆さん、講師をしてください!

⑤経済活動(食べ物のイベントには人がたくさん)

北海道展・肉フェス・ラーメン祭り
人・人・人、、、、

食のイベントは、人を動かす(家から引っ張り出す)パワーがあります。

⑥人々(家族・友人・地域の人)の絆の強化(良い思い出を)

一生忘れられない食事、あると思います。
↓↓


⑦心を満たす(満たされるのは、お腹だけではありません)

食卓を囲むと、ほっこりした気分になります。
みんなで食べると、より美味しい。


■  まとめ


食は、身体的健康のみならず、精神的健康、社会的健康とも深く関わっています。

健康寿命延伸や、QOLの面から食の支援は、ますます必要になると考えます。

リハビリ医療を「食」というキーワードから眺めてみると、新たな視点があるかも知れません。

引き続き、頑張っていきます。仲間が広がっていくといいなー。

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