【仕事論】戦略的忘却

やらなくてはいけない仕事が多くあるときに、自分がとる行動のひとつに「戦略的忘却」がある。

戦略的忘却とは何か?

自分が勝手に考えた言葉なので、一般的に使われているわけではない。Google検索しても当てはまりそうな記事はなかった。

戦略的忘却とは、「覚えておく必要がある事柄を意識的に忘れる、もしくは忘れたことにする」ことだ。私がそう定義した。

そんなことして大丈夫?

読者の方のなかには、そんなことして大丈夫なの?とか、ちゃんと忘れずにやるべきじゃないの?というような感想をもたれる方も多いだろう。

おっしゃるとおりである。

理想としては、与えられた仕事やるべき仕事は、自分できちんと整理したり優先順位をつけて、やるべき期日内に完了させるべきである。できれば、そうすべきである。

打算的戦略

だが、現実はうまくは行かないものである。細かい仕事が多くあれば、何をいつまでに完了させるべきかを整理するだけでも一苦労である。
そもそも整理された状態にしておけば、多少変更があっても少ない労力で再計画ができるはずだが、実状はそうなっていない。本当はそれが正しいのは分かってる。

なので打算的な戦略として一旦忘れるのである。
これは甘えるための戦略ではなく、最低限きちんと仕事を行いつつ、自分もなもるための戦略だ。もっとよい方法があるならそれを試せばよい。

戦略的忘却の効果

戦略的忘却の効果を5つ挙げる。
①気持ちが楽になる
②整理がしやすくなる
③ミスがヘる
④記憶に定着する
⑤言い訳がしやすい

効果①気持ちが楽になる

やるべき仕事を忘れることであれをしなきゃこれをしなきゃ、と言う風に気持ちを持って行ってしまうと、しんどい。楽しく仕事ができない。仕事が楽しくないので、会社に行きたくないといった感情も多少ヘる。(なくなるわけではない)
楽しく仕事ができるようにする為の工夫だと思おう。

効果②整理しやすくなる

覚えておくべき仕事が少なくなることで、今やるべき仕事の整理がしやすくなる。今日すべきことだけを覚えておいて、明日やることは明日思い出せばいいのだ。

効果③ミスがヘる

効果②に付随した効果だが、今日やることは今日きちんとやろうという意識になるので、今やるべき仕事のミスはヘるのである。

効果④記憶に定着しやすい

人の記憶は一度忘れて思い出すことで記憶に定着するらしい。ずっと覚えた状態を保たなければいけないと考えるのではなく、一度忘れてしまって思い出すのでもよいと思おう。
エビングハウスの忘却曲線によれば、日々忘却しては思い出すことを繰り返すことで忘れにくくなるらしいが、仕事の内容は完了まで覚えておけば、また忘れてしまってもよいぐらいに思っておけばよい。

効果⑤言い訳がしやすい

これを効果に含めるのは、おかしい気もするが、まあよしとしよう。普通の自己啓発本なら絶対書いていないだろうが、ここは私のnoteだ。私がルールだ。

言い訳がしやすいととは何事かとお叱りを受けるかもしれないが、上司やチームメンバーから何故やらなかったと言われた、忘れてましたが最強である。もう何も言えない忘れてたのだから。人って忘れる生き物だよね。そんなイメージだ。
ただ、あまり使いすぎると信用をなくすので注意である。

方法論

さて、これまで戦略的忘却には様々な効果があると書いてきたが、その方法論は意外と難しい。
忘れてしまえばいいのかー、じゃあ忘れまーすで、忘れられる人間はいないだろう。
人間は覚えようと思って覚えるのも難しいが、忘れようと思って忘れるのも難しい。(人間って複雑だ)

まず、忘れるためには、目に付くところに備忘録やTODOリストを置かないことだ。
普通であれば、目に付くところに備忘録やTODOリストを置くことでミスなく仕事を終わらすと言うアプローチが正解だが、戦略的忘却では逆である。何故なら忘れるのだから。

次に、今の仕事に集中するのが大切だ。人は忘れようと思って忘れるのは難しいが、別のことに集中していると自然と忘れることができる。期限の近いもの、なんとなくこれならやろうかなと思うもの(消去法でいけることもあるらしい)をやることだ。

最後に、思い出す仕掛けを作ることだ。
週に一回がほんとのTODOリストを確認する習慣をつけるとか週に一度ぐらいの頻度で思い出すことも大切だ。ほんとに忘れてしまわないような仕組みを作っておくのは最低限やっておきたい。

まとめと注意点

戦略的忘却の注意点は、やりすぎないことである。
何もかも忘れてしまえば、気持ちは楽になるし、気持ちよく仕事できるのだが、如何せん弊害が多い。
締切はきちんと守らないといけないし、ほんとに全部忘れてしまっては
読者の皆様が同じ戦略をとって失敗したといっても、私は責任は持てないので、自己責任でやってもらいたい。


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