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ヘルシンキ半日滞在記

そういえば、この間ヘルシンキに行って来ました。

齢30。

昨年から1年以上イギリスで生活しているものの、海外の地に降り立つのは、私の人生で2か国目。

というのも、日本への一時帰国の過程で、ヘルシンキでのトランジットが必要だったのです。

航空券を予約した当初は、ヘルシンキのトランジットの時間は3~4時間程度だったのですが、航空会社の都合で、マンチェスターからヘルシンキまでのフライトが前日の便に変更されてしまったので、ヘルシンキでまる1日滞在しなければならなかったのです。

マンチェスターからヘルシンキまでは、約2時間半。
今回はフィンランド航空を利用。

客室乗務員のお姉さんたちは、みんな背が高くて、顔が小っちゃくて、控えめに言って美人。

乗務員同士は英語でやりとりをしていたのですが、イギリス人なのだろうか、それともフィンランド人なのだろうか?

飛行機の隣の座席に座るのは、出張の様子のイギリス人のおじさんとお姉さん。

おじさんは搭乗してから降りるまで、離陸中、着陸中を問わず、外の景色に興味を示すこともなく、絶えることなくしゃべり続けていた。

ある意味そのスピーキング(スピーチ?)力がうらやましい。

お姉さんは途絶えることのない話にひたすら付き合っていたが、果たして会話を楽しんでいたのだろうか?

私だったらうんざりするシチュエーション。

ひたすらしゃべるおじさんにも、それに付き合えるお姉さんにも、心から尊敬しました。




ヘルシンキ空港に降り立つと、どう読むのかわからないフィンランド語の文字や、英語、何語かわからないけど、おそらくスカンジナビア系であろう言葉の文字が出迎えてくれる。

その中に日本語を見つけてちょっとほっとする。

それにしてもヘルシンキ空港は、新しくてめっちゃ綺麗。

"Dissgusting"という言葉が大いに似あう、マンチェスター空港とは大きく違う。

さすが北欧、と感心しつつ、予約したホテルがある市の中心部へ行くため、電車の駅へ向かう。

が、

電車の乗り方がわからない、
どの電車に乗ればいいかわからない、

まず、日本やイギリスの駅ような、改札がない。

プラットホームまで降りて、券売機らしきものを発見。
全く読めない言語表示を、"English"に切り替えて購入する。

プラットホームには1番線と2番線があり、どちらも「ヘルシンキ行」という表示。

グーグルマップでホテルの最寄り駅を確認すると、英語表示では「ヘルシンキ中央駅」。

果たしてどちらに乗れば良いのだろう?

どうしたら良いかわからない、この不安と緊張の感じ。
久しぶりに経験。

「まぁ、なんとかなるだろう。」

と、1番線の電車に乗ってみる。

と、無事着いた。

電車は綺麗で、静かで、広くて、乗り心地最高。

イギリスのそれとは大きく異なる。

どうして同じヨーロッパなのにここまで違うのだろうか?

「もっと頑張れよ、イギリス人。」

とどうしても思ってしまう。

ヘルシンキ中央駅

ヘルシンキに着いたのは、現地時間で深夜だったので、そのままホテルへ向かうことに、、、

と、その前に、24時間営業のスーパーで、夜食と翌朝用の朝食を購入。

できればお酒も飲みたかったのだが、酒類コーナーは閉鎖されていました。

時間の問題なのでしょうか?

確かに深夜に酒類の販売が出来れば、酔っ払った人たちが追い酒を買いに来てしまうので、彼らの健康にも、街の治安のためにも良くない。

「なるほど、合理的だな。」と自分で納得。

夜食用のサンドイッチ、朝食用のサンドイッチと牛乳、ヨーグルトを購入。
サンドイッチは€3~4もしていた。

やはり物価は高め。

買い物袋を手に提げて、夜のヘルシンキを、ホテルまで歩く。

道路を渡る時、車が左からやってくることに気が付く。

そうだ、フィンランドは、というか、世界の大半は、車は道路の右側を走るのだった。

日本とイギリスが左側通行なので、道路を渡る前に右側をみる癖がついていたが、まず、左側を見て、次に右側を確認しなければいけないのだ。

気を付けているつもりだったが、奥の車線に右側から車が来ているのに気が付かず渡ってしまい、危うく轢かれそうになった。

「左側通行が正しい、世界が間違っている!」

と言っていたイギリス人の上司の言葉が頭に浮かぶ。

「僕もそう思います。」

と心の中でつぶやく。

ホテルに着いて、疲れていたので、即ベッドにダイブしたものの、なかなか寝付けない。

コーヒー飲みすぎたかな?

と思いながら、ベッドに横になっては、起きたりを繰り返し、最後に時計を見たのは午前4時。




アラームセットしてた7時半に目が覚める。

とりあえず、3時間は寝れたかな?

シャワーを浴びて、朝食をとる。

昨日の夜、牛乳だと思って買ったものは、なんと飲むヨーグルトだった!
まぁ、文字が読めなかったので仕方がない…。

€4のサンドイッチは、パンがぱさぱさしていておいしくなかった。

起きたはいいものの、やることもなかったので、荷物を持ってヘルシンキ市街地を散歩してみることに。

デザイン地区の一角

しかし、朝早いせいか、お店はまだほとんど閉まっており、楽しみにしていたウインドウショッピングがまだできない様子。

仕方ないので、街の景色を楽しみながら歩く。

と、一つ気づいたのは、ヘルシンキの建物のドアは、イギリスとは逆側に開くということ。

一般的にイギリスでは、建物に入る時、ドアを建物の内側に押して入るのに対し、ヘルシンキの建物は、ドアを引いて開けるタイプが主流の様子。

車が走る車線が逆なら、ドアを開ける方向も逆なのだろうか?

それとも、イギリス人はずかずかと建物に入っていき、フィンランド人は一歩引くのだろうか?

またはその逆で、イギリス人は建物の中の人が客を出迎え、フィンランド人は客が先にドアを開けて、建物の住人にあいさつする文化でもあるのだろうか?

…なんて、どうでもいいことを考えてしまう。

どうでもいいのだが、そこに何か文化的な側面があるのであれば、面白いな~という妄想。

それからもう一つ。

ヘルシンキの街中では、保育園児たちが保育士さんたちと一緒に、お散歩をしている様子を多々見かけた。

そういえば、イギリスではこういう光景を見たことがないな…と。

これはおそらく治安の問題だろう。
ヘルシンキは子供たちが街中をぞろぞろ歩けるほど、治安が良い町なのだろう。

確かに、どの街に行ってもそれなりに人々に活気のあるイギリスとは違って、ヘルシンキの街はどこか落ち着きがある。

フィンランドの首都なのだが。

落ち着きはあるのだが、それでいてクリエイティブ。
街を歩いていると「どうしてこうなった?」という感じのデザインの建物や、雑貨をたびたび目にする。

でもおしゃれだし、街や自然に調和している感じがある。

マリメッコやイッタラといった、北欧雑貨に代表されるように、見た目に模様が多くてもガチャガチャしない品の良さは、我々日本人を引き付ける所以なのでしょう。

英語の"ellegant"とはちょっと違くて、
日本語の”品が良い”という言葉の方がしっくりくる感じ。

街を歩きながら、観光スポットらしき建物を巡った。
とりあえず、いろんなところに大聖堂や教会と思しき建物があり、外側から眺めたり、入れそうなところは中に入ってみたりした。


ルーテル教会(プロテスタント)系の大聖堂・教会

ヘルシンキ大聖堂
ヘルシンキ大聖堂の中
大聖堂の前の広場では、何かのマーケットが開催されていた
聖ヨハネス教会
カンピ礼拝堂(休業中)
テンペリアウキオ教会(石の教会)、岩の中に作られている。


正教会系の大聖堂

ウスペンスキー大聖堂


やはりどの建物も、見た目は綺麗で上品なのだが、イギリスのそれと比較すると、大きさにしても、装飾にしても、やや控えめという印象。

特にルーテル教会系の教会には、独特でクリエイティブだけど、シンプルな形の建物に目を引かれる。
ここがある意味フィンランドらしさというものなのかもしれない。

さらにルーテル教会系の中でも、テンペリアウキオ教会(別名:石の教会)は、なんというか、中はとても静かだし、自然と一体となる感じがとても心地よかった。

下手したら、一日中ここで過ごせるかもしれない、と思ったほど、今回のヘルシンキ訪問では一番のお気に入りのスポット。




朝のヘルシンキ中央駅

だいぶ歩いて、少し疲れたので、駅前のチェーンと思しきカフェで休憩をすることに。
当然ながら、メニューの表示はほぼフィンランド語。
私の前に並んでいたのは、フィンランド人らしく、店員のお姉さんとフィンランド語でやりとりしていた。

「英語で大丈夫かしらん…」

と不安になっている私をよそに、さっきまでコロコロとした言語を話していた店員のお姉さんは、スッと聞きなれた言語で私に話しかけてくる。

そして私もそれに応じて、難なく注文完了。

ここまできれいに英語が通じてしまうと、さすがに英語という言語の便利さを実感せずにはいられない。
英語を勉強してよかった、とつくづく思う。

よくよく店内を眺めてみると、英語で会話やリモート会議をしている人もちらほらいて、意外と英語を当たり前に使う環境なんだな、と日本(特に地元)との違いを大いに見せつけられた。

コーヒーと、ちょっとしたケーキのようなものを頼んで€11(≒1700円)
イギリスで似たようなものをカフェで頼むと、だいたい£6(≒1080円)くらいなので、驚異的な物価高を肌で感じた。
こんなところに何日も滞在していたら、破産してしまう。

そのうえ、日本のコーヒーの方がおいしい。




休憩が終わると、自由に使える時間も残り少なくなってきたので、駅の近くのムーミンショップに行ってみた。

ムーミン好きにはたまらないお店なのだろうけど、思いのほか小っちゃく、品ぞろえもそこまで豊富とは言えなかった。

それでも何か記念に買っていこうかな~と思って、いろいろ手に取ってみるのだけど、どれもびっくりするほど値段が高い。

すでにイギリスでだいぶお土産を買って、無駄遣いを(?)をしてしまったので、ここは我慢して、またの機会にお預けとすることとした。


そんなこんなをしているうちに、あっという間に昼頃になってしまった。
そろそろ空港に戻っておきたいな、という時間になったので、ヘルシンキ散策をこの辺で切り上げて、空港へと向かう。

ホテルにいた時間を除けば、半日くらいの滞在時間だったが、意外とうろうろすることができた。

総じていえば、落ち着いていて平和な街。
日本人に人気の観光地なのも納得。

今回は、博物館や美術館系を回れなかったので、機会があれば、また来てみようかな。…お財布と相談して。


みんな大好きニョロニョロ。(ヘルシンキ空港にて)


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