Reeya

ものがたちデザイン "KATACHI"にものがたりを吹き込むデザイナー

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いつかはレトロになる日々よ

「いつかはレトロになる日々よ」 私にとって「レトロになる」とは必ずしも「いい思い出になる」ということではない。 「いつか笑えるようになる」ということでもない。 笑えなくてもいい。だけどその「いつか」が来た時に、当時のどうしようもなかった私を認めてあげたい。なかったことにするのではなくて、あの時の私がいるから今があるんだと愛おしく思えたら……という気持ちでいる。 昔から私は、いわゆる「普通」ではなかった。 重度の食物アレルギー持ちで、みんなと同じものが食べられなかった。 先生

    • 歩きたくなる靴を買った話。

      2024.02.28 Wednesday ならまちのNAOTさんでDANIELAという赤い革靴を買った。 NAOTさんに足を運ぶのは数年ぶりだ。 最後に行ったのいつだっけ???覚えてないくらいなので、随分前だったように思う。 ただ1つ覚えているのは、当時とてつもなく欲しい靴があって、お財布と相談した結果、いや、相談するまでもなく諦めたということだけだ。 ところがどういうわけか、数年たった今、赤い革靴を手に入れてしまった。 それもお店に着いてからの30分くらいで購入を決め

      • 活動8周年。

        今更?という感じではあるが、2024年2月7日は活動8周年記念日だった。 個展の在廊準備やら諸々で、すっかり忘れていた。 忘れてしまうくらいだし、8周年だからと言って別になんなんだ!という感じではあるのだけど、今年も毎年のルーティンとしてこれまでを振り返っておく。 私がSNSで活動しはじめたのは2016年2月7日で、当時はイラストを描いていた。 当時、国公立1本、浪人覚悟で受験していた私は、ちょうどセンター試験を終えた頃で、まあもう浪人するだろうという感じだった。 そん

        • 一寸先は靄

          闇と言うほど暗くはないが、光が見えるわけでもない。 何かがありそうなんだけど靄がかかっていてそれが何か掴めない。 最近というか、半年くらい? ずーっとそんな感じで過ごしている。 この前の個展のトークショーで「やりたいことは全部やり切った」と言ったことがずっと心のどこかに引っかかっている。そんな気がする。 言葉はやはり呪いみたいなもので、たとえどれだけ曖昧でふわっとした気持ちでも、口に出した瞬間に本当にそんな気がしてきてしまう。 言霊ってやつです。よくも悪くも。 まあで

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        いつかはレトロになる日々よ

          私、こういうものでし展 プロローグ

          明日2/2から2/27まで、私の3度目の個展「私、こういうものでし展」を開催する。 プロローグと言ってはあれだが、少しだけ今回の個展のタイトル、内容についてふれておきたくて、書いてみることにした。 さて、なぜこんなタイトルにしたのか、主な理由は2つある。 1つ目は、淡路島で「はじめまして」という意味での展示だからだ。 今回の個展は、ASOBU KAPPANさんからお声かけいただいて実現した展示会。 打ち合わせの際にASOBU KAPPANさんから、淡路島の若い人たちに

          私、こういうものでし展 プロローグ

          100人いれば100通りの正解

          奈良の大和郡山市にある素敵な本屋さん とほんさんの栞展に参加している。 2/3-2/26 木曜日定休 せっかくなので作品の裏話をしようと思い! 「100人いれば100通りの正解」 私は読んだ本の内容をほとんど覚えていない。 多分そういう読み方をしていない。 私は(もうご存知の方も多いと思うが)文学部日本語日本文学科を卒業している。 ゼミは近代文学。 文学部に来た理由は、(いろいろ割愛して結論だけ言うと)国語の先生になりたかったから。 国語の先生になるのを辞めた理

          100人いれば100通りの正解

          2度寝は人間の再起動

          朝が苦手です。できれば、ずっと寝ていたい。 さて、これ(サムネイル)は今年の新春レトロ文字部で描いた作品。 正確にいうと、アナログで描いた作品をイラレで画像トレースしたもの。 アナログはこちら↓ 「2度寝は人間の再起動」 よく2度寝しちゃう。2度寝どころか3度寝しちゃう。 この言葉の元ネタは会社員時代に詠み貯めていた自作短歌のうちのひとつ。 2度寝はね、人間たちの再起動。だからお願い責めないでいて 2度寝した後って個人的にネガティブな気持ちになることが多くてどんよ

          2度寝は人間の再起動

          この物語の主人公は自分

          私は文学部卒のデザイナー。 文学部での学びがどう役に立ってるんですか?って最近よく聞かれる。 文学部って何の役にも立たないなんて思ってる人、中にはいるでしょう。 文学の研究して何の役に立つんだ!なんて思ってる人、中にはいるでしょう。 文学研究が社会の役に立つのか?と聞かれると正直なところ、私もなんと答えたらいいのかわからない。 でも、私は思う。 大事なのは研究の成果ではなく、過程だ。 多分、答えなんて一生わからない。作者ですらわからないんじゃないかって思う。 私が作者だっ

          この物語の主人公は自分

          悩んでる時点で進んでる

          私は文学部日本語日本文学科を卒業している。 日本語日本文学科は、読書レポートという地獄みたいな課題が1年間に4回もあって、毎回苦しんでいたことを思い出す笑 あれは多分2回生の頃だった。 読書レポートが返却された時、添削の内容が理解できなくて、どうしても気になって、はじめて先生に聞きに行った。多分それが先生とお話した最初だったように思う。 実はこの作品は、そのときの先生の言葉が元ネタになっている。 読書レポートは要約と論述の2部構成。 課題図書を疑いながら読んで問題点を見

          悩んでる時点で進んでる

          ものがたちデザイン

          大学時代にお世話になった先生からお声かけいただき、母校の国文学会の会報に寄稿した。 フリーランスのデザイナーになった直後に執筆したエッセイ。 最初の気持ちをこれからも大切にしたいと思い、ここに残しておくことにしました。 実は、私はもともと美術の教師を目指していた。 幼い頃から絵を描くのが好きで、将来は絵に関する仕事がしたいと思っていた。 安定した職に就こうということで、教師になろうと思った。 だけど、人の絵を評価することはなんか違うなと思う自分もいて、結局現役時代にやめて

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