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人事コンサルタント業界で働いています。 キャリア、組織開発、生涯学習、コーチング、カウ…

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人事コンサルタント業界で働いています。 キャリア、組織開発、生涯学習、コーチング、カウンセリング、メンタリング、道徳哲学(倫理学)、人間性心理学、教育学、リーダーシップ、マネジメントなどに興味があります。 考えに共感してくれる人との学び合いが実現できたら、この上ない喜びです。

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コンピテンシーについて自分なりに整理してみる

はじめに人事に携わる人なら一度は耳にするであろう言葉、その一つにコンピテンシーがある。 ざっくり言えば、「特定の職務を上手くやれる能力」のことだ。 例えば、提案型営業を行うなら「顧客と良い信頼関係を築ける」「顧客の課題を把握する」「提案を補強するエビデンスを示せる」等が思い浮かぶかもしれない。 このように、コンピテンシーは目に見える「行動」として示すことができるため、企業で人事評価制度や選抜の指標、能力開発のポイントとして設定されることが多い。 では、なぜコンピテンシ

    • キャリアコンサルティングを受けた話

      私は現在、国家資格キャリアコンサルタントを目指して勉強している。 7月の試験を控え、いまいち勉強のモチベーションが上がらないことに危機感を覚えた私は、無料でキャリアコンサルティングを受けられる「キャリア形成・学び直し支援センター」にて体験してみようと思い立ち、先日実際に受けてみた。 目的は2つ ①やる気の出ない自分の状態を客観視すること ②目標であるCCの働く姿からモチベをあげること 結果としては、 ①は思った通りの整理ができた ②は予想とは少し異なった ①に関しては

      • 企業内キャリアコンサルティングの6つの機能とは

        伊藤忠商事でキャリアカウンセリング室を立ち上げた浅川正健氏の著作を読み始めた。まだ冒頭だがワクワクが止まらない(良書の予感)。 このまま一気に読み進めたい気もするが、 少し立ち止まって内省してみたい。   企業内キャリアコンサルティングには以下の6つの機能があるという。 ①アンテナ機能  社員の面談を通じて職場の実態を知る ②相談機能  心理的に安全な相談の場を提供する ③問題解決機能  問題解決に向け本人が考えて動ける支援をする ④連携機能  必要に応じて複数の部門と連携

        • 転職大全 を読んで

          キャリアコンサルタント資格を持ち、ヘッドハンター企業を経営している小林毅氏の著書。 YouTubeでたまたま見かけた「キャリアホライズンチャンネル」がきっかけで手に取った本だが、これが痛快な面白さだ。   人材紹介業の構造はもちろんのこと、あまり知られていないであろう企業と求職者の実態、思惑などをわかりやすく教えてくれている。   人材紹介業などというととかく胡散臭いイメージがあるが、素晴らしいコンサルタントも自己利益追求の荷捌き人もいて、玉石混交のようだ。 目利きは必要だ

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        コンピテンシーについて自分なりに整理してみる

          お盆休みはエネルギーチャージ

          先週のお盆は妻の実家に帰って過ごした。 お盆明けの今日は、不思議と心身共にリフレッシュできている。 いろんな効用があったように思えるので、やったことを振り返ってみる。 お盆休みにやったこととしては、主に次のことだ。 ①ひたすら食べる ②義祖父と将棋で対局 ③山でBBQ、クワガタ探し ④お墓参り ①ひたすら食べる は、帰省した時の恒例行事だ。 蟹ピラフ、ステーキ、寿司、エビフライ、ジェラート、、挙げれば枚挙にいとまがないが、体重増加するほど満喫したことは間違いない。 ②

          お盆休みはエネルギーチャージ

          研修と行動計画

          私が社内で尊敬する講師の例え話がガツンときたので、紹介したい。   アクションの歯磨き化   ・最初の頃は好きではない (歯磨きが生まれつき好きな幼児はあまりいない) ↓ ・次第にやらないことが気持ち悪くなる (やることが自分の中で当たり前に) ↓ ・それほどの労力を費やさない (ちょっとの意識で継続しやすい) ↓ 効果が見えやすい (虫歯にならない、歯石がつかない) 能力開発の本質を捉えた考え方だと思う。

          研修と行動計画

          「働くみんなの必修講義 転職学」を読んで

          立教大学経営学部教授の中原淳氏とパーソル研究所の共著。   転職における通説となっているマッチング思考(自分の特性や価値観にあった職を見つける)には限界があると主張し、ラーニング思考を薦めている。   ラーニング思考の意味するところは最後に取っておくとして、まずは本書で印象的だった部分に触れておきたい。   そもそも転職のどこに問題を感じているか? 筆者によれば、不適切な転職活動の進め方が横行しているという。 彼らはまず、転職しないとまずいのでは等と「感情」を煽られ(Aff

          「働くみんなの必修講義 転職学」を読んで

          『マズロー心理学入門』を読んで

          マズローといえば5段階欲求。これは非常に有名であり、「生理的欲求」「安全の欲求」「所属と愛の欲求」「承認の欲求」「自己実現の欲求」まで思い浮かべる人もいるだろう。   しかし、その理論構築に至った背景や主な著作までは知らなかったし、人間性心理学という人の成長可能性に着目した心理学の創始者の一人と言われていることも知らなかった。    そしていきなり原典ではなく、わかりやすくまとめてくれる本書に出会えたのは幸運だった。   マズローの5段階欲求は本人が唱えたものではなく、正確

          『マズロー心理学入門』を読んで

          反省と気づき(育休をとる話)

          近い将来、私は育児休業制度を活用してしばらくの間休みをもらおうとしている。 先日チームのメンバーにそれを伝えたところ、ありがたいことに祝福の言葉をいただいた。   しかし今日、改めてメンバーと話す機会があり、 自分がいかに自分本位だったかを痛感させられた。     メンバーの皆はポツリポツリと本音を話してくれた。 「先行きが見えず、とても不安」 「既存のフォローで手一杯になる未来がみえる  むしろそのフォローすらも、未経験の業務が多くて  回せないのではないか」 私の勤め

          反省と気づき(育休をとる話)

          『暇と退屈の倫理学』を読んで

          哲学者の國分功一郎氏が著し、その人気ぶりから最近文庫化された作品。 暇と退屈は必ずしもイコールではなく、暇だけど退屈しない人、忙しいけど退屈な人がいるのだという。 いったいどういうわけか? 気になって読み進めていくと、文章構成からして独特だ。 初めから倫理学(何が善いか悪いかの価値判断を与える)の視点で主張するのではなく、歴史→人類学→経済史→社会学→哲学などと、一見繋がりの見えないような視点から「暇と退屈」について考察を展開している。   國分氏がさまざまな視点で外堀

          『暇と退屈の倫理学』を読んで

          『このまま今の会社にいていいのか?と一度でも思ったら読む 転職の思考法』を読んで

          キャリアに関する著書を多く出版し、ワンキャリア取締役でもある北野唯我氏の名著。 物語調で展開される筋の分かりやすさは勿論のこと、その裏付けとなるキャリア論や転職市場の分析の緻密さに、何度読み返してもハッと気づきを与えてくれる。 本書のテーマは一貫している。 「いつでも転職できるという選択肢を持つことが、私たち一人ひとり、企業、ひいては社会を良くする」ということ。 転職は悪だ、なんて固定観念は持っていないつもりだけど、いつのまにか社内での自分の立ち位置ばかりに気を取られて

          『このまま今の会社にいていいのか?と一度でも思ったら読む 転職の思考法』を読んで

          YouTubeにある就活関連動画への雑感

          顧客企業が注力している分野の情報に触れたくてYouTubeで検索してみたら、就職活動に関する動画が多く出てきた。   就活は情報戦、などと昔から言われているものの、就活関連の動画がここまで多くヒットするということは、情報収集の仕方が大きく変わりつつあるのかもしれない。   考えてみれば、視覚的にわかりやすくノウハウや体験談を視聴できるというのは、就活における情報収集とYouTubeというコンテンツとの親和性が高いことの現れかもしれない。   しかし、検索でヒットする数が多い反

          YouTubeにある就活関連動画への雑感

          『メノン 徳について』を読んで

          哲学者プラトンの著作。 ソクラテスの思想を弟子プラトンが文字に起こしている初期の作品。 【エピソード】 弁が立ち、(偏った)考えを信じて疑わない若者メノンに対し、哲学者ソクラテスが「徳とはなにか」「善さとはなにか」「有益性とはなにか」「知識とはなにか(知とはどう違うのか)」をメノンにも読者にも考えさせる対話篇。 ・徳とは善いものであり、知識(その人の内的な動機、考えの適切さにより行為を促すもの)である ・ソクラテスは、想起説(人の魂は既に全ての事柄を知っていて、人生にお

          『メノン 徳について』を読んで

          『スパークする思考』を読んで

          早稲田大学教授でボストンコンサルティングのアドバイザーとしても活躍している、内田和成氏の2000年代の著書。 【個人的な気づき】 ・情報を細かく整理し、丁寧にファイリングし、それで満足してしまうのでは意味がない →時間をかけたわりに、その情報の核心の部分を覚えてない、なんてことが多々ある。 情報そのものに価値があるんじゃなくて、情報を咀嚼し思考することに価値があるんだよね。 ・普段から自分の興味・関心に注意をはらい、 少しひっかかりのあった情報には頭の中でレ点をつけると良

          『スパークする思考』を読んで

          『外資転職思考法とGAFAでのキャリアデザイン』を読んで

          IBM→マイクロソフト→Amazonと外資で転職経験してきた著者のキャリアデザインに関する実体験が書かれている。 【比喩表現】 キャリアはハシゴではなく、ジャングルジム →単に最短ルートを目指すようなものではなく、縦横無尽に、時には一時的な後退も含めて自由にデザインできるのがキャリアの良いところらしい。 キャリアを考えるにあたり、変に思考を枠にはめて考えなくてもよい、あらゆる行動や意思決定が最終的にプラスに捉えられるなどの示唆に富んだ表現だと思った。 【自分を知る】 自

          『外資転職思考法とGAFAでのキャリアデザイン』を読んで

          『リフレクティブ・マネジャー 一流はつねに内省する』を読んで

          企業人の学習や成長に関する研究で有名な立教大学 教授 中原淳氏と、経営学を教えながら人の発達・成長に着目する神戸大名誉教授 金井壽宏氏の共著。 高校、大学等で学びの場は終わったかのように見えるが、社会人としてはるかに長い月日を過ごす中で、人は生涯学び続ける、成長し続ける、という視点に当たり前ながらハッとさせられた。 確かに、ぼんやりと日々を過ごし、漠然と不安を感じるくらいなら、自分の興味関心にどんどん触れていきたいよね。 そこで大事なのが内省。自分に向けて問いを投げかけ、

          『リフレクティブ・マネジャー 一流はつねに内省する』を読んで