『メノン 徳について』を読んで

哲学者プラトンの著作。
ソクラテスの思想を弟子プラトンが文字に起こしている初期の作品。

【エピソード】
弁が立ち、(偏った)考えを信じて疑わない若者メノンに対し、哲学者ソクラテスが「徳とはなにか」「善さとはなにか」「有益性とはなにか」「知識とはなにか(知とはどう違うのか)」をメノンにも読者にも考えさせる対話篇。

・徳とは善いものであり、知識(その人の内的な動機、考えの適切さにより行為を促すもの)である

・ソクラテスは、想起説(人の魂は既に全ての事柄を知っていて、人生においてはそれを思い出しているにすぎない それを「学習」と呼んでいる)を論証するために、メノンの召使いにそれまで知らなかった数学の問題(1辺が2フィートの正方形の面積が2倍になるような1辺の長さ)の答えを導かせる

→想起説はなんだかロマンチックで、楽観的で、好きな考え方。
→どうやら人は知識を完全に獲得することはできないが、仮説を持って行動することで、不完全な情報から問いの答えに辿り着くことができるらしい。
ただし仮説の設定が曖昧でないことが前提。


自分がメノン並みに物事を理解していない、という前提で再読したい。

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