見出し画像

家庭科3

 今日は調理実習の学習日。事前の知識の学習を終えて、今日は本番。いざ食べるものを作ります。こちらも事前準備の食材手配から、調理道具の手配、人のヘルプのお願いと本番に向けてそれなりにやることはいろいろと。どんなお仕事でも、事前準備が必要なことは少しも変わらないので、コツコツとするところです。

 初めてドキドキ包丁を持つ子もいます。「猫の手!」なんて言って右利きの子に野菜を左手で添える手の形を教えます。主婦として何年も台所に入っていると包丁さばきはプロの料理人とまでいかなくとも、毎日していることですから、それなりにできるようになってきているわけです。しかし、なんでも初めてはあるわけで、「猫の手!」などと言われても、よく切れそうな包丁を使う時の合いの手になるわけですから、やっぱり怖いわけです。

 そんな、
「初めてで怖いのだけれど、頑張りたい。」
「料理を楽しく作ってみたい!」
「いつか、お母さんみたいにお父さんみたいにサクサクと美味しい料理を作れるようになって、みんなに食べさせてあげたい!」
と思っているわけです。

 その気持ちを大切にしたいと思うのです。うまくできないかも知れないけれど、こちら側が事前準備をしっかりとして、万全のサポートをすることができたなら、この子どもたちの初めの一歩に少しでもベストを尽くして寄り添うことができます。
何回も同じような授業をしていると、気付かされるのは、うまい展開で時間内に美味しいものを作らせてあげられるのは、教える側の気遣い、心構え、段取りのシュミレーション等の力が試されているなあと思うのです。
ほとんど何も知らないような子どもたちに、未知の楽しさを安全を確保しながらきちんと教えていくことが、最終的に、ゴールへたどり着くことができた喜びに繋がっていくのだと思うのです。

 確かに配慮しても、なかなかうまくいかないこともあります。しかし、それを教えられる側の子どもの未熟さに目を向けても仕方がないと思うのです。今の時代、難しいお子さんも確かにいます。それでも、自分で食べるものを作れるようになる喜びは、これから先、毎日食事をしていく命の原点として、身につけるべき大切なことで、誰もができるようになりたいと目を輝かせるものだと思うのです。

 ベストは尽くしました。どこまでできるようになったかは人それぞれですが、出来合いの買ってきたものではなくて、自分で包丁を使って、まな板を使って、菜箸を使って、フライパンを使って全身を使いながら自分が食べるものを材料から作り上げた経験は、素材から何かを生み出す力へも繋がっていくと思うのです。

料理は 生命を続けるための日々の行い。
料理は 自分を大切にしてあげることのできる手段。
料理は 愛情の現れ。
料理は みんなで笑いあって「美味しい!」と微笑み合えるもの。 

そんな素敵なそして大切な瞬間を共にできることが幸せです。パワーを使いすぎてクタクタですが、それでも生命の輝きに触れることのできる素晴らしい時間でした。
「ありがとう。」時の共有の中で学びあえて、幸せな今です。

 

ありがとうございます。サポートいただいたお金はワークショップ開催等の費用に充てさせていただきます。