定期テスト対策で得られる、将来につながるスキル
こんにちは。塾講師のあさだです。
今回は学校の定期テスト対策を通して得られるスキルについてご説明したいと思います。
私は塾講師として、小学生~浪人生までを指導しています。
学生の頃を含めると、現在6年目になりました。
その経験の中でも特に中高生への定期テスト対策個別指導が最も多く、テストの得点向上を得意としています。
今回はその経験も踏まえてお伝えできればと思います。
1.そもそも将来につながるスキルとは
ここでの「将来につながるスキル」というのは、生徒が中学高校を卒業して社会に出た際に、社会で活躍するための能力のことを指しています。
文部科学省はこのような力を「生きる力」として、生きる力をはぐくむために以下の3つの柱を重視すると述べています。
①知識及び技能…何を理解しているか、何ができるか
②思考力、判断力、表現力等…理解していること・できることをどう使うか
③学びに向かう力、人間性等…どのように社会・世界と関わり、よりよい人生を送るか
(新しい学習指導要領の考え方,文部科学省)
これと自分の経験を踏まえ、私は社会で活躍するためのスキルを以下のように定めています。
自己成長能力…理想の姿・状態になるために、必要なことを考え、実行する力。
課題解決能力…自分もしくは社会の課題を認知し、それを解決する力。
今回は定期テスト対策を通して身に着くこのようなスキルについて説明していきます。
2.定期テスト対策方法の全体像
塾講師の目線では、テスト対策の全体像は以下の図のようになると考えています。
この図は実際に私が中高生の定期テスト対策を行うときに考えていることのイメージです。
まず①ゴールを決め、②現状分析を行い、現状とゴールのギャップから③課題を洗い出し、それに対する④対策を考えます。
例えば、次回のテストで80点を取りたい生徒がいた場合、①ゴールは「次回のテストで80点」となります。そして②現状は「前回の試験で60点」と直近の点数が入ります。そして、この差分を埋めるための③課題として、「1日の勉強時間が30分」や「簡単な計算問題で失点している」などが挙げられ、それらの④対策を行っていくという流れになっています。
①ゴールと②現状は生徒によって異なります。そうすると③課題と④対策も生徒によって変わってきます。③課題で生徒のどこの部分を課題と捉えるか、そして④対策でどのような対策を行うかが、塾講師の腕が試されます。
それでは、定期テスト対策を通して、生徒がどのようなスキルを身に着けることができるか説明します。
3.①ゴールと②現状に関して
中高生定期テスト対策を行うにあたり、まず①ゴールと②現状を一緒に考えていきます。ここは中学生でも自分で考えることができる生徒が多いです。目標点数が分からない生徒は、どこの高校に行きたいかや、成績の内申点が前よりも1上げるためには何点必要かを一緒に考えます。必要であれば高校別の合格基準内申点や、私立高校の推薦条件などをもとに、次回のテストで何点必要かを考え、最終的に本人が決めます。
②現状については直近のテストの点数になるため、比較的簡単に書き出すことができます。
この「①ゴールの設定」と「②現状分析」については、今後の人生の様々な場面で必要になってきます。自分の理想を実現したり成長していくためには、がむしゃらに努力をすればいいというわけではありません。まず自分のゴールを明確にし、現状を把握する必要があります。この過程が何かに対して努力し、理想の自分に近づくための最初の行動です。ここで適切な①ゴールと②課題を設定できないと、次の③課題と④対策の質が低くなり、結果の出ない努力になってしまうことに繋がります。
私は定期テスト対策を通して、常に①ゴールと②現状を確認し、まずはそこを考える習慣をつけてもらうことを大切にしています。
4.③課題と④対策に関して
①ゴールと②現状を明確にした後、現状とゴールのギャップから③課題を明確にします。これについて私は、高校生以上であれば自分で考えるように促すことが多く、中学生であれば一緒に考えることが多いです。例えば目標が80点で現状が60点のとき、失点してしまっている20点分は何によって生じているかを考えます。計算ミス、単語の暗記不足、問題演習不足など課題が挙げられると思います。80点以上とれている生徒と比較して課題を明確にしたりもします。生徒自身に考えさせたのち、講師からの目線で補足して課題を明確化していきます。ここで課題がずれてしまうと、④対策の効果がなくなってしまうため、課題が分析はじっくり行っていきます。
③課題が明確になったら、課題それぞれについて④対策を考えていきます。ここも最初は生徒に考えるように促し、最終的に塾講師としての経験と実績をもとに対策を考えていきます。生徒が自分で対策を面倒なことを避けてしまったり、「しっかり勉強する」など抽象的なことになってしまう可能性があります。④対策は具体的、定量的で行動が明確になっていることが重要です。
③課題と④対策を考えるプロセスは、生徒が社会に出たときに大きく役立つと考えています。どの部分を課題としてとらえ、どのような対策を行うかが、その後の成長に関係してきます。
例えばある職業に就きたいと考えたとき、「その職業に就くこと」を②ゴールに設定し、自分の②現状を分析します。ここで③課題として的外れなことを挙げてしまうと、④対策をおこなってもゴールに近づくのは難しくなってきます。③課題は「英語ができない」なのか「資格を持っていない」なのか、「業界分析が少ない」なのか、どこを課題と設定するかによって努力の仕方、結果が変わってきます。
また、③課題を明確にした後の④対策にも質の差が現われます。例えば③課題で「英語ができない」を設定した場合、④対策では「英会話スクールに通う」「留学する」「1日30分勉強する」「ネイティブの友人と1日20分会話する」など挙げられます。これのどれを選択するかによって習得レベルが変わってきますので、適切な対策を選択する方法を身に着けておくことが重要となります。
5.まとめ
以上のように、社会に出た際に「自らゴールを定め、現状分析し、課題を明確にし、対策を行う」という場面は数多く登場します。その際に、適切な対策を見つけ努力し成長できるためには、その訓練を社会に出る前に行う必要があります。
定期テストは結果が明確で努力がしやすいため、定期テスト対策を通してこのプロセスを習得し、結果を出す練習をしておくことは、社会で活躍するスキルの養成に効果的だと考えています。
お読みいただきありがとうございました。
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