マーニー・スカーレットは独創的でインパクトのあるラテックス・デザイナーであり、ユーモアとカオスに溢れたパフォーマーです。
フェティッシュ業界での活動自体がとても長いマーニー。
今回は彼女のクリエイティブの歴史などを少し聞かせてもらいました。
彼女は本当に素敵な人。
毎回ハッピーなメールをくださいました。
マーニー、ありがとう！
画像は全て公式となります。

※アンダーラインがあるものは、詳細へ飛ぶことができます。

Rei
今回はこのような機会をくださりありがとうございます。
TGJでお会いしてからもう7年(2022年現在)が過ぎました。改めて、貴女にお話を伺えて大変嬉しく思っています。

Marnie
こちらこそインタヴュー、ありがとう！
wowww！あれから7年？！時間が経つのは早い！！

Rei
貴女はパフォーマーでもあり衣装デザイナーとしての顔も持っています。
演目を考える時は、どちらが先に出来上がっているんでしょうか？

Marnie
頭の中ではショーが出来上がっていて、あとは衣装を作るだけということもあるし、頭の中で衣装が出来上がっていても、それを舞台でどう生かすか考えなければならないこともあります。
衣装を作っている間に、とある動きが難しいことに気づいて調整することもありますし、その都度、様々ですね。
とはいえ、衣装とショーの両方を作るのは本当に楽しいですよ。

Rei
パフォーマンスは火を扱ったり、流血したりと過激なものも得意ですが、どこかコミカルな要素も含んでいます。
それはどのような意図で取り入れているのですか？

Marnie
私はいつも自分が”カオス・クラウン(混沌の道化師)”だと言うのだけど、何をするにしても、どんなにシリアスでも、そこには一筋の光がなくてはならないと思っているからなの。
だけど、どういうわけか私はいつも病的でダークなものも見ている。この2つは私にとって自然であり一緒なの。
それには笑顔が常に必要な気がするんですよね。

Rei
貴女はフェティッシュシーンに長く出入りをしていますね。最初はイベントなどへはお客さんとして参加していたのですか？

Marnie
18歳か19歳の時に初めてアムステルダムで開催されたフェティッシュイベントに参加し、その2か月後にDemaskでラテックスデザイナーの見習いとして働き始めました。
そうなの、私は単なる客だったのですが（笑）、その後あらゆる面でそれはライフスタイルになりました。
ラテックスのファッションショーで初めてランウェイを歩いたのも19歳の時でした！

Rei
パフォーマーになったきっかけは？
いつから始め、何がきっかけでパフォーマンスをすることになったのでしょうか？

Marnie
多くの素晴らしいラテックス企業のために働き、これらの企業のために、私はデザインするだけでなくラテックスのファッションショーも開催していました。
ファッションショーというのは”劇場”なの！
私は自分の大きな衣装をたくさん持っていたので、15年ほど前に自分の衣装でパフォーマンスをすることが可能かもしれないと思い、少しずつやっていこうと思ったんです。
それが今では世界中を飛び回っている。
とてもエキサイティングなことです！

Rei
貴女に影響を与えたパフォーマーなどはいますか？

Marnie
影響を受けたものはたくさんありますが、衣装や演劇が好き！
アニー・レノックスやグレース・ジョーンズ、プリンスが好きで、ラテックスではAtomAgeが好きでした。
ポップアート、シュールレアリスムなどたくさんの素晴らしいアートの流れに影響を受けています。

Rei
衣装について聞かせてください。
貴女が着る衣装は基本ご自分で制作しています。主にラバーが多いですが、なぜその素材で衣装を作ることにしたのですか？どなたかに教わったんですか？

Marnie
私は着るもの全てを自分で作っていて、ショーで着る衣装の90％は最新作です。
コーラの缶やメイク拭き取りシート、買い物袋など、リサイクルされた素材で作ることもあります（どれもとても楽しい作業です）が、私の最も得意な作品はラテックスです。

1993年、19歳の時に見習いラテックス職人としてスタートしてからもう30年近くになります。
それ以来、本当にたくさんのクレイジーなものを作ってきました。
私の最初の仕事場はDemaskでしたが、Skin Two、Inner Sanctumでも働き、現在はLibidexに所属しています。

Rei
ラバーを着ることは貴女自身のフェチズムでもあるのでしょうか？

Marnie
私の最大のフェティッシュは『変身・変容』です。
日常のマーニーからスーパーヒーロー、 スーパーヴィラン（超悪役）、まだ発見されていない生き物に自分自身を変身させます。
ラテックスは肌にぴったりと密着し、皮膚のように見えるのにまったく違っていて、すべてに光沢を与えてくれるので、私にとって変身に最適な素材の一つ。
セクシーでありながら奇妙でもある。つまりそれは愛と同じなんです。

Rei
衣装は独創的で素晴らしい作品ばかりです。どんなものからイマジネーションを得ていますか？

Marnie
どうもありがとう。
私はファッションやファッションの歴史が好きで、アートも大好き。
また、クラブに出かけるとたくさんのアイディアが浮かびます。
私はイマジネーションに溢れたロンドンに住んでいるので、とてもラッキーだと思っています。

Rei
好きなファッションデザイナー、芸術家などがいましたら教えてください。

Marnie
う〜ん。
好きな有名デザイナーは沢山います。Muglerは当然！
AlexanderMcQueenや Ziad Ghanemも。
ストリートアーティストも大好きで、SwoonやMs.VanやOschとか。
Claude CahunやElsa Schiaparelli、Baileyなど、過去のアーティストも大好きです。
他はバウハウス、ダダなどかな。

Rei
コロナ禍でイベントも閉鎖になったりと、パフォーマーにとっても厳しい時代でした。貴女の日々はどのような変化がありましたか？

Marnie
私はLibidexで仕事をしているのでとても幸運でした。
数ヶ月間はすべて自宅からで、自宅でのショーもズームで行っていました。
今はロンドンのすべてが元通りになってきています。
ありがたいことです。

Rei
貴女は日本に2015年に来日しています。
日本はどうでしたか？

Marnie
私は日本が”大好き”です。
たくさんの素晴らしい人たちがいて、とても歓迎してくれて。日本人は最高のホスト！
素晴らしい食べ物、素晴らしいデザインとアート。
私にとって、それは人生で最高の旅行の一つ！

Rei
今後の活動を教えて下さい。また、日本に向けてメッセージをお願いします。

Marnie
3年ぶりに新作のショーを完成させたばかりなので、2023年にはこれをもっと上演したいですね。
再び世界を旅できるようになった今、さらに多くのショーを作っていきたいと思っています。

Libidexでの私の仕事ですが、私たちはさらに多くのエキサイティングな最新コレクションを計画しています。
面白い場所での撮影を計画していますし、2023年にはもっと作品を作りたいと思っています。

そして日本へのメッセージ。
私は日本に本当にたくさんの愛を持っています。
日本と美しい日本人の皆さんにまたすぐ会えることを本当に願っています!!

Marnie Scarlet（マーニー・スカーレット）
Marnie Scarletはパフォーマンスアーティストであり、フェティッシュ/コスチュームデザイナー。
96年にオランダを離れロンドンへ。
アートソサエティソーホーのメンバーでもあり、美術品としての作品制作、展示も行っています。
ラテックスデザイナーとしては、Demask、SkinTwo、Inner Sanctumを経て現在はLibidexに所属。
2015年にはTorture Garden Japanへパフォーマーとして来日。
世界中でショーを行っています。

後記
日本をとても想ってくれているマーニー。
前回の来日では活き造りを見てものすごく怖がっていたり（というか外国の人はみんな怖がる）常ににこやかでチャーミングでした。
彼女のハッピーオーラを再び浴びられるのを心から楽しみにしています！

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©Marnie Scarlet
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