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「メンタル・クエスト」は心のHPが0になりそうな人へ、ぜひ読んでほしい本だと思った。

おはようございます。
本日は、本の紹介というか、本を読んで共感したというか、感動したので、少しでもこの本が広まって、「生きづらさ」を抱える人に届けばいいなと思った。

それは、以下の本「メンタル・クエスト 心のHPが0になりそうな自分をラクにする本」です。

「それ」は書店の中をぶらついていたときに見つけた。

わたしは上の本について、書店の中をぶらついていたとき、何となく面白そうだと思って手に取ってみた。

わたしも以前、仕事・人間関係・趣味(推し関連)で、心身の不調を経験し、その時は心のHPがどんどん減っていって、0とまではいかなくとも、相当低い数値になっていたことがあったと思います。(その様子については以下の記事にも触れています。)

今は、食事を中心に生活全般を見直したこと、会社員の仕事を辞めて自由になったこと、自分を優先して好きなことをどんどん見つけていって楽しむようになったこと、それぞれ積み重ねることで、心のHPが満タンになって、元気になりました。

ただ、わたしの身の回りの人、友人や後輩には、毎日楽しんで生きている人もいれば、毎日苦しそうに生きている人もいて、ただ、わたしはその人たちに対する上手い言葉も、好転するための方法も見つからず、何とか少しでもラクになってくれればいいのになあ、と思います。

そうして、時々書店にいっては、何かわかりやすくて、良さそうなものってないのかなあとぶらついてみたり、兄から面白そうな本、参考になりそうな本を時々見ていたりするのですが、そうしましたら、上記の「メンタル・クエスト 心のHPが0になりそうな自分をラクにする本」にとても感動してしまったので、どうしてもnoteの記事にしたいと思いました。

(以前から、本で学んだことや気づいたことなどもnoteの記事にしたいと思っていましたが、なかなかその内容をnoteで上手くかけずに途中で挫折してしまいましたが、今回の記事だけは書ききりたいと思います。)

内科医だけれども、メンタルヘルスが「ライフワーク」。

今回紹介する本を書いた著者は、Dr.ゆうすけさん(本名は鈴木裕介さん)。noteにも2020年12月末までではありますが、50本ほど書かれているようで、メンタルヘルスがライフワークの内科医です。

内科医だけれども、著者は元々交流のあった人間関係の中で、生きづらさを抱えている人に対して、「仕事」ではなく「友人」として、「個人的な趣味」としてかかわっているそうですので、メンタルヘルスがライフワークなのだそうです。

その人は、とってもゲームが好きだそうで、「スプラトゥーン」というゲームを通算1000時間はプレイしているのだそうです。また、本を見るとゲームだけでなく、漫画とか音楽とか様々なコンテンツに詳しそうで、同じコンテンツが好きな人にとっては、クスリと笑えるもの、共感するものが多いかなと思います。

また、著者のTwitterをちらっと覗いてみると(2022年1月31日時点)、最近は「ダイの大冒険」のポップ覚醒会に涙されたのだそうです。
わたしもとってもわかります><

アニメはまだ見られていないのですが、わたしも小さい頃は「ダイの大冒険」が大好きで何度も読んでいましたし、魔法使いポップにはとても勇気をもらっていました。(以下は「ダイの大冒険」のネタバレをちょっと含みますが、ご容赦ください・・・。)

一度は逃げ出しそうになりながらも、勇者ダイという友達を助けるために、ロモス城へと向かって、クロコダインに立ち向かうシーン。

勇者ダイが父親であるバランが敵となって、バランから記憶を奪われ、戦う力を失くしてしまったダイを守るために、ポップが周囲の見方に嘘をつきながらも、一人でバランたち敵陣(竜騎衆)を喰いとめるために、向かったシーン。

最後の敵である大魔法バーンの城に乗り込むために必要な、最大の破邪呪文であるミナカトールを完成させるため、ミナカトールの威力を最大限まで「アバンのしるし」を何度も何度も光らせようとして上手くいかないシーン。それでも、最後の最後で、ポップの好きな人である女武闘家マァムに告白することによって、ポップの「勇気」に「アバンのしるし」が光るシーン。

ポップが、最初は臆病で周りから頼りのない人物に見られていたけれども、回を追うごとに人間的に成長していって、どんどん強力な魔法を身に着けていって、周りからも頼れる人物に育っていき、とても魅力的なキャラクターになっていきます。
まさに、わたしから見たら「勇気の使徒」であり、自分も「勇気の使徒」になれたらいいなと思いますし、なろうと思います。
そういう意味では、「ダイの大冒険」のなかでは、ポップが一番好きなキャラクターです。

話が脱線してしまってすみません・・・。

読めば読むほど、わかりやすく、そして惹きつけられる。

話を戻しまして、実際にその本を読み進めてみると、わたしだけそう感じるのかもしれないのですが、とても面白くて、とてもわかりやすくて、とても読みやすいと思いました。

その本では、「現実の世界」や「生きづらさを抱える人が持つ思考のクセ」などについて、RPGのように例えられています。
まるで「ドラゴンクエスト」や「ファイナルファンタジー」のように。

わたしも「ファイナルファンタジー」が好きで、ゲームの中で剣や魔法を使ってダンジョンやクエストに挑んだりしていましたが、本でも魔法を使って例えているものがあって、「なるほど!」と、とっても腑に落ちました。

例えば、人間関係などで問題が起きて精神的に落ち込んだり、自分自身のネガティブな思考の癖に苦しんだり人に対して、何らかのアプローチを与えていく場面があると思いますが、そのアプローチには2種類あります。

「白魔法」と「黒魔法」

まず、心理学的用語から説明したいのですが、本の中にも定義があって、以下のように「ケア」と「セラピー」というのがあります。

臨床心理学者の東畑開人さんの名著『居るのはつらいよ ケアとセラピーについての覚書』(医学書院)では、ケアとセラピーについてこう定義されています。
▶ケアは傷つけない。ニーズを満たし、支え、依存を引き受ける。そうすることで、安全を確保し、生存を可能にする。平衡を取り戻し、日常を支える。
▶セラピーは傷つきに向き合う。ニーズの変更のために、介入し、自立を目指す。すると、人は非日常のなかで葛藤し、そして成長する。

「メンタル・クエスト 心のHPが0になりそうな自分をラクにする本」 p.177
鈴木裕介 著

続けて、「ケア」と「セラピー」について、著者は次のように例えています。

ケアは相手を受容し、安心と癒しを与える働きかけです。魔法でいうと、相手のHPを回復させる「白魔法」のような存在です。
一方、セラピーは、相手の自立のために課題を指摘したりして、成長を促すような関わりです。課題と向き合い成長するためには、この章で紹介している自分の中の「見えない敵」に気づき、自立のために戦うことが必要になります。そしてそこには、当然痛みを伴います。葛藤を前提としているからです。
対象を癒す白魔法に対して、痛みを伴って自分の中の敵と戦うセラピーは黒魔法のような存在でしょう。

「メンタル・クエスト 心のHPが0になりそうな自分をラクにする本」 p.177
鈴木裕介 著

これらの文章を見て、過去の自分の経験も思い出しながら、「そうか。。。そういうことだったのだなー」と思いました。

例えば、仕事で色々と問題が起きた時、人間関係でトラブルが起きた時など、とてつもないダメージを受ける瞬間があります。
また、普段の生活の中でも、ふとした拍子でネガティブになったり、過去のトラウマを思い出して、まるでRPGの「ファイナルファンタジー」の「毒状態」のように、HPがじわじわじわじわと削られていき、だんだんやる気と元気がなくなっていくこともあります。

そんなときは「白魔法」(ケア)の出番です。大きなダメージを受けた人やじわじわHPがなくなっていく人に対して、
「頑張ってるね!」
「大丈夫だよ^^」
「辛かったんだね><」
とか、相手の全てを許容して、癒し、安心を与える「ケアル」をかけていきます。(※ケアルはファイナルファンタジーの回復魔法)

一方、本人が、ネガティブな思考の癖を直したかったり、人間関係をよくするために成長したい、自立できるようになりたいと思ったら、信頼できる友人やカウンセラーなどから、
「〇〇しなければならないとか、”べき”、"しなければならない"と思いがちになってしまっているのかも?」
「うーん、とっても言いにくいけれども、〇〇が悪いのだ、と思うようにすることによって、周りのせいにすることで、自分の問題となかなか向き合えずに、ラクに逃げすぎてしまっている部分があるのかもね^^;」
というように、課題を持つ本人が受け止められそうな言い方をしっかり考えて、配慮したうえで、本人が自分自身の中の問題(見えない敵)と向き合う、成長するための機会を与えていく「黒魔法」(セラピー)が必要です。

ただ、この「黒魔法」を唱えることができる存在は貴重な存在です。なぜかというと、本人の課題を指摘するというのは、加減を間違えたりすると、相手も傷つきますし、逆に怒ってそれから聞いてくれなくなって、関係が壊れる可能性もあります。
また課題を指摘する人も、指摘された本人の痛みを思うと、なかなか言い出せませんし、言えたとしても、言った本人にも痛みが伴います。

そういう意味では「黒魔法」を唱えることができる存在は、課題を持つ本人に対して配慮した言い方(「知恵」)ができること、「勇気」を持って言えること、痛みに耐えてでも本人のために愛情・友情(「優しさ」)を持って言えることなど、様々なパラメータが必要で、「黒魔法」を唱えるにはとても難易度が高いスキルなのだと思います。。。

過去の自分を思い出すと、運が良かっただけでなく、周囲の人々に助けられたんだなと実感。

先ほどの「白魔法」や「黒魔法」のことを知ってから、過去のことを思い出していました。

以前、上記の記事にて、仕事やプライベートで色々と問題が起きてストレスが重なったときに、心身の不調になりましたが、そんなときに大学の信頼できる友人たちが色々と助けてくれました。

中には、「白魔法」をかけてくれた存在、「黒魔法」をかけてくれた存在もいたと思います。その人たちは主に大学で出会った、同じ聞こえない(聴覚障害)の友人たちです。

わたしのネガティブな思考から発する愚痴や悩みについてしっかりと最後まで聞いて、そして励ましてくれた、「白魔法」を唱える友人。
自分の好きなものを好きと言えずに、また自分を犠牲にして周りに合わせてしまう自分に対して、配慮を持って言ってくれた、「黒魔法」を唱える友人。

わたしが立ち直れたのは、その人たちのおかげでもあるのだな、と実感いたしました。

本の著書によると、「人生」という冒険の旅の中で、生きぬいていくためには、「自分」という主人公以外にも、「自分」を癒す「白魔法」を唱える存在、そして、「自分」の課題を指摘し、「自分」の成長を促す「黒魔法」を唱える存在がどちらも必要である、と説いています。

色々と納得いたしました。
そのような感じで一気に本を読み進めていきました。

「コンテンツ」を楽しむために、生きていたっていいじゃないか。

わたしも、そう思いました。

著者は、職場の関係、家族、友人、様々な人間関係の中で、苦しんでいて、逃げ場がないとき、「白魔法」を唱えてくれる存在すらもいなさそうなときでも、その逃げ場として、「コンテンツ」があって良い、と書いています。

例えば、過去の「ドラゴンクエスト」や「ファイナルファンタジー」シリーズ等の名作ゲームを楽しむ、忙しくて時間がなかったからまだ読んだことがないけれども面白そうな漫画とか小説(ライトノベル)を読んでみる、ということなのだと思います。

わたし自身も「コンテンツ」に救われた経験があって、とっても落ち込んで元気がないときに、
・ゲーム「ダンガンロンパ」シリーズ
⇒特に2の日向創というキャラクターが好きで、絶望的すぎる状況の中で一度は諦めかけたけれども再び奮い立ったところに感動しました。
・漫画「3月のライオン」
⇒主人公の桐山零や川本家の三姉妹(あかり、ひなた、ももちゃんという家族のあったかさに救われました。
・ライトノベル「ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか」⇒主人公がすさまじい勢いで成長していき、予想もできない先が見えない展開、ワクワクするバトルにとってもワクワクして、現実を忘れて熱中していました。
・ライトノベル「デート・ア・ライブ」
⇒ラブコメ系、バトル・シリアス要素が入りつつも主にハーレム展開で見る人によっては受け付けないかもしれませんが笑。
それでも、五河士道とその何人もの精霊たちが、最初はなかなか仲良くなれずに問題が色々と置きながらも、一度乗り越えれば、毎日ワイワイと楽しみながら過ごしていくその空気感に沢山癒されました。
中でも精霊の十香というキャラクターが、とても食いしん坊なのですが、性格がとても明るくて周りを元気にさせてくれて、とっても好きでした。
・ライトノベル「弱キャラ友崎くん」
勉強も運動もできなくて、人間関係で上手くコミュニケーションも取れなくて、でもゲームだけは日本一うまいという高校生が主人公ですが、最初は弱キャラだと思っていた自分が、ゲームを通じて知り合った日本二の高校生(なぜか同じクラスにたまたまいた)の女性が、勉強・運動・コミュニケーションなど、様々な場面でオールトップのパラメータを持つ自身の強キャラならではの知識・経験・ノウハウを生かして、主人公を変えていくというものです。
主人公が、その強キャラの女性から、論理的に具体的に教わることで、自分が少しずつ成長し、その成長を実感していると、どんどん変わっていく自分が楽しくなり、人生が楽しくなっていきます。
その様子をわたしもみて、「現実でも活かせそうだな・・・」「わたしでも変わっていけるのかな」と思うようなところがいっぱいで、物語の世界に引き込まれつつも、現実の世界でもプラスに捉えていけるような、そんな学びがありました。

またまた、脱線してしまいました・・・。
他にもいっぱい「コンテンツ」に助けられたゲーム、漫画、ライトノベルがありますが、これ以上は熱くなりすぎてしまうので、この辺りで止めます。(既に十分熱くなってしまっていますが)

話を戻すと、「コンテンツ」を楽しむため、例えば「〇月〇日に新作のライトノベルが出てくるから、そのときまで頑張って生きよう!」と、それを生きがいにしてたっていいと思います。

まだ「自分がどうしたらいいのか?」「何を生きがいにすればいいかわからない」という人でも、そのような苦しみや悩みからいったん逃げるために、または人生を楽しんで、ラクに生きていくために、「コンテンツ」があったっていいと思います。

真面目に生きたいと思っている人でも、「何のために生きているか」「何のために働くか」を見つかるまでの繋ぎの場として、楽しめる「コンテンツ」はあっても良いと思います。

本で書かれている最後の「怒っていた僕は、ポップな仇討ちをしかけていく」に感動し、泣いた。

あえて、詳細は触れないのですが、読んでみて、著者の無念や悲しみが伝わってきた。それでも、前を向いて、希望を持って、「世の中」への仇討ちをしかけていこうとするところに、とっても熱いものを感じた。

もっとこの本が知られてもいいと思い、できるだけ早くnoteに書きたいと思った。

著者と同じように、わたしにも身の回りに、今も苦しそうな友人や知り合いがいます。
ある人は、父親との関係に苦しんでいたり。。。
ある人は、以前に受けた傷が原因で、今も傷つきながらも、頑張って立って歩き続けようとしたり。。。
ある人は、自分のやりたいことをやりたくても、お金とか人間関係とかさまざまなしがらみに縛られ、なかなか思うようにいかなかったり。。。
ある人は、最初は楽しそうに仕事をしていたと思ったら、忙しくなるにつれ、そして周りの環境に合わせていくにつれ、だんだんと楽しそうに見えなくなって、こちらが時々心配になってしまったり。。。

あくまで他人は他人の問題であって、手を貸しすぎたり干渉したりすぎるとあまりよくないと思うので、言いすぎないように時々励ましたり、言わずに耐えて様子を見守ったりはしているのですが、少しでもラクになっていけたら、未来に希望を持っていけたら、もっとみんなしあわせになって、毎日楽しく過ごしていけるのかなあと思います。

もちろん、わたしはわたしの問題もあるので、ちゃんと自分を満たして、ちゃんと毎日好きなことを過ごして、ちゃんと毎日楽しんで、人生を謳歌していきたいと思います。

できることならば、周りにいる人たちも、少しずつ幸せになって、一緒に楽しめるようになって、みんなわいわいとしながらも、だんだん盛り上がっていければ、わたし自身の幸せも、何倍にも、何十倍にもなっていくかもなあ、とも思います。(欲がでちゃっていますが)

だからこそ、わたしもこの記事を書いて、これをnoteで公開して、少しでも著者の「ポップな仇討ち」に貢献出来たら、と思います。

大変長くなってしまって申し訳ありません。
ここまで読んでくださって、ありがとうございました。
最後まで、書ききることができて、よかったです。

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