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これまで来た道、これから行く先

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旅がどこまでも続くように。1000字エッセイ。
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2019年6月の記事一覧

心に注ぐ言葉の雨

心に注ぐ言葉の雨

暮れの春を温めていた西日本にも梅雨が訪れ、うるおいの季節がやってきた。北海道や小笠原諸島に梅雨がないことを羨む声は毎年のように聞くが、個人的には嫌いな季節ではない。

梅雨には素敵な表現がたくさんある。梅雨前のぐずついた空模様を表す「走り梅雨」などはしばしば耳にする言葉であるが、七夕に降る「洒涙雨」(さいるいう)に至ると、とても美しい響きだと思う。「洒涙雨」の由来は、七夕に会うはずだった二人が、天

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その包丁は、その血液は、何色に見えただろうか

その包丁は、その血液は、何色に見えただろうか

今日付のNHK WEBより。

農林水産省の元事務次官の76歳の父親が44歳の長男を刺したとして逮捕された事件で、父親は先週、川崎市で男が小学生らを殺傷した事件を受けて「川崎の事件を見ていて、自分の息子も周りに危害を加えるかもしれないと不安に思った」という趣旨の供述をしていることが捜査関係者への取材でわかりました。

この報道を目にした時、無意識のうちに背中に鳥肌が立った。2週間ほど前に1000字

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