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2020年12月の記事一覧
千夜を超えて 一夜を見つめて
例年ほどではないにせよ、昨日、今日とクリスマスの街並みに多くの人影がきらめいていた。自粛はしなくてはなるまい。ただ、幸せそうに寄り添って歩くカップルなどを見ると、心が揺れる。この一年、会いたくても会えない日々を重ねてきたのなら、一晩くらい思いのままに過ごしても責められない気がしてしまう。千夜を待って再び巡ったこの一夜。その意味では、ある種の千夜一夜物語かもしれない。
今日の仕事帰りのことである。
薄汚れた街並と冷えきった指先と
職場の上司から双眼鏡を譲り受けた。誰かからのもらいものと聞いたが、以前から天体観測が好きだと話していた私にそのまま横流ししてくれたらしい。
辛いことや悲しいことがあった時には、決まって私は夜空を見上げる。静まりかえった街の中で、まるで自分一人が取り残されたような感覚を抱きながらも、寂しさは不思議と感じない。星を見ていると、気持ちが落ち着くことも多くある。
夏ごろから色々なことが重なって、眠りが