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これまで来た道、これから行く先

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旅がどこまでも続くように。1000字エッセイ。
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2024年1月の記事一覧

コノセカイハキレイダ

コノセカイハキレイダ

Mr.Childrenのヒット曲『innocent world』に、こんな一節がある。

最近、まさにその通りだと感じている。noteへの投稿を考えようとすると、 まず頭に浮かんでくるのは仕事に関する話題だし、ぼうっと一人で考え事をしているときも、仕事のことが頭をちらつく。そのことを形容する場合、仕事に「よごされている」という言葉がやはりしっくりくる。仕事に「支配されている」とか「侵されている」で

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車内販売セレナーデ

車内販売セレナーデ

本職はメーカーの海外営業である。基本的には海外の顧客向けに自社製品を販売するという仕事だが、ヤレ自社工場に顧客を案内だ、ヤレ外注先の視察だ、といって、国内出張も少なくない。その際に新幹線を利用することも多いのだが、例にたがわず私も幼少の頃から新幹線への漠然とした憧れを抱いてきたので、業務の一環とはいえ移動時間はちょっとした旅気分である。

その気分を盛り上げてくれるのが、車内販売の存在だ。前の座席

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ワンワン、ウキー

ワンワン、ウキー

直属のX課長と不仲である。国内複数拠点に合計400人いる当社従業員の少なくとも半分は、それを認識していそうだ。当初は私も(一応)否定していたが、それにも疲れて、最近は言わせるままにしている。

このような公衆の面前で、上司の愚痴を書き留めようとは思わないし、上司との問題を淡々と書き連ねようという気も起きない。ただ、同様の状況に置かれている人や、就職を目前にしている人に向けて、何か少しでも伝えられる

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出張収支の怪

出張収支の怪

このような算数の問題を思いついた。

出張に多く行った月の方がお金が貯まる、と直感する。出張に必要となった費用は実費請求でき、財布から出ていく昼食費用も変わらず、出張の日数分で月給を差し引かれるわけでもない、と定義されているのだから、日当の分だけ収入が増えているはずだ。

しかし、現実的には正反対だ。私は出張に行くほどお金が乏しくなる。いわゆる「出張貧乏」である。

なぜだろうか、と振り返ってみる

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どこ吹く風邪

どこ吹く風邪

風邪を引いてしまった。もっとも、この記事を書いているのは2024年1月10日なので、投稿する頃にはすっかり治っていることだろう。稚拙な執筆などせずに、早く寝た方が良いとは思うのだが、コンスタントな投稿のためにがんばってみる。

さて、風邪の具合だが、熱や咳は特にないものの、鼻水が止まらず大変困っている。とにかく頭がぼうっとする。鼻が詰まっていることもあって、涙もあふれてくる。体調としては仕事を進め

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「私」の外側に

「私」の外側に

コロナ禍とは何だったのだろう、と思うくらいに、最近では各地で観光客の姿を見かける。殊に最近一気に増加した(あるいは人数が回復した)と感じるのは、外国人観光客である。都内の自宅から横浜の職場まで通う私としては、誇張ではなく彼らを見かけない日はない。

それとともにしばしば目にするのが、困っている外国人観光客を横目に、知らぬ顔をしてすりぬけていく人々である。そのような光景を見る度、寂しい気持ちになりな

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現在地 [Jan. 06, 2024]

現在地 [Jan. 06, 2024]

年始から、地震に航空機事故と、心が重くなるニュースが続いています。深夜の電車内での刺傷事件が発生した秋葉原駅にしても、自宅から近いということもあり、私自身なかなか気持ちを切り替えられずにいます。その中でも、事故には原因があり、事件には実行者がいるということを踏まえると、やはりやるせない気持ちを大きく占めるのは天災なのかもしれません。

ただ、「いつ切り替えられるのか」と問われると、答えは見つかりま

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「がんばれ」なんて言えないから【能登半島地震】

「がんばれ」なんて言えないから【能登半島地震】

元日を襲った能登半島地震は、あまりにも衝撃的だった。そしてその衝撃は今も区切りがついているわけではない。

普段はテレビの習慣はないのだが、午前中から観ていた実業団駅伝が終わって一休みした後、再び暇潰しにテレビをつけたのは、15時50分頃だったと思う。特にめぼしい番組もなく、何の気なしにザッピングしていたところ、突然緊急地震速報が流れ始めた。対象は石川県という。

その瞬間に思ったのは、率直に書け

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