ハイブリッドに気づくことが価値を生み出す

こんにちは。
アーキテクチャーフォトの後藤です。

有料noteの審査が通りましたので、こちらでも色々と書いていきたいと思います。「日記」とタイトルにつけましたのは、これまでのウェブ発信に関する洞察に加えて、もう少し幅広い「気づき」「学び」についても書いてみたいと思ったからです。是非、お付き合いいただき、購読頂ければ嬉しいです。
更新頻度は、(びびっていましたので)低めに設定しましたが、色々と書いてみたいと思っています!

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今日書いてみたいのは、「ハイブリッド」ということです。

昨今の建築業界を見渡してみると、既存の枠組みにとらわれない、様々な活動が生まれていることに気がつきます。
それは、人口減少や空き家増加といった社会背景とリンクしているとも言えるでしょう。また、インターネットの普及によって、クライアントとの繋がり方の構造が変わったからともいえると思います。

私は、ウェブメディアを編集する傍ら、色々な人たちの活動を見てきましたが、その中で、職業や分野を「ハイブリッド」した人たちの活躍に、気づくようになりました

例えば、創造系不動産の高橋寿太郎さん。高橋さんは今、建築業界・不動産業界の両方で注目を集める方ですが、実は不動産業を始める前は、アトリエ建築設計事務所に勤務していた一級建築士でもあるのです。

つまり、建築家の世界と不動産の世界をハイブリッドした人物と言えると思います。

高橋さんの活動を見ていると、ハイブリッドしているからこその強みに気がつきます。不動産に精通していることはもちろんのこと、建築家が大切にしているもの、建築家が成し遂げたいこと、その心情部分を非常に理解されて活動されているのです。

だからこそ、多くの建築家に信頼され、コラボレーションする形で、不動産仲介をはじめとした様々な仕事が成り立っているのだと思います。(詳細はウェブサイトを見てみてください。)

もし寿太郎さんが、不動産の世界のみを経験していたとしたら、そのような建築家とコラボレーションする不動産会社、というのは生まれていなかったと思います。

職種・業界をハイブリッドすることで、新しい視点や価値が生み出されたという、素晴らしい前例だと思います。

しかし、よくよく考えてみると、高橋さんのような、ある種明確な業界のハイブリッドでなくても、設計と言う業種の中でも色々と「ハイブリッド」しているケースがあるのでは、と最近思うようになりました。

まず思い浮かんだのは、日建設計に勤務しtwitterでの発信でも注目を集めている三井さん
最近は、書籍に寄稿したり、日本建築学会の『建築雑誌』にも関わるなど様々な活躍をされています。(全て公開されている情報から書いていますよ。笑)

そんな三井さんも、ハイブリッドだと僕は考えています。

三井さんは、プロフィールにも記載しているように、東京工業大学塚本研究室出身です。塚本研は院生も色々な実施設計に関わっていることでも知られています。三井さんも院生時代に色々なプロジェクトに関わったと予想します。

僕は、そんな三井さんは、「組織設計」と「アトリエ事務所」のハイブリッドなのではないかと、(勝手に)思っています。

三井さんの中には、塚本研で培ったアトリエ事務所的な精神と、日建設計での組織事務所的なマインドの両方があり、だからこそ、現在のように、様々な場面で三井さんの活躍を目にするようになったのではと、私は予想しています。

厳密に分けられるものではありませんが、その二つの世界のマインドを体験し理解していることは非常に貴重な立ち位置だと思います。

続いて、その他の事例を紹介しつつ、さらに、自身の中のハイブリッドを見つけ出すことや、その価値についても考えてみたいと思います。

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