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めくるめく出汁の重層的旨みは肝入りあんこう鍋 南仏コンドリューの24年熟成酒の甘美で複雑な世界がパーフェクトマッチ

猛暑が終わったと思ったら例年にもまして秋を楽しむ間もなく一気に寒さ本格化。ついこないだまで真夏日が◯日続きと連日ニュースで聞いていたかと思えば、もう鍋料理で身体を温めたくなる時節。この日はスーパーで購入した肝付きほあんこう。青森県産で切り身数枚が入って約1,000円。他の具には大根、人参、長ネギ、椎茸、そして白菜がなかったのでレタスの残りを投入。まずは鍋底で肝を煎り、みりんと味噌で伸ばす。程よく馴染んできたところでとびうおの出汁を入れる。あとは上述の野菜とあんこうの切り身を並べていく。

あんこう鍋に合わせたのは南フランス、ローヌ北部コンドリューの熟成酒、1999年産。24年熟成のワイン。あん肝と魚介の出汁が複雑に絡み合う重層的な風味に、熟成酒の複雑なフレーバーを合わせようという発想。
以前、ブルゴーニュ ジュヴレ・シャンベルタンの醸造所を訪問してすっかりファンになってしったルー・デュモンの仲田さん。仲田さんが味見をしてコストパフォーマンスに優れていると判断された古酒を瓶で買い付ける。そこにルー・デュモンの天地人のラベルで瓶詰めしてリリースするシリーズのレア・セレクション。この流通形態では造り手はシークレットだが、仲田さんのお墨付きとあって安心して古酒を楽しめるのが嬉しい。

ルー・デュモン, レア・セレクション, コンドリュー, 1999, 6,320円
LOU DUMONT, LEA SELECTION, Condrieu,

琥珀がかった落ち着いた色調。フィルター控えめか澱のためかほんの微かに濁りあり。
ドライアプリコット、アプリコットリキュールなどの円熟の果実味に、なんといっても甘美なシェリーがややはっきりと、どこかフラワリーなニュアンスはコンドリューのヴィオニエの真骨頂。24年熟成が生んだ極上のフレーバー。
豊満、円熟、で至福の果実香が鼻腔を抜ける。ほのかに蜜のような甘美なニュアンスが走る。穏やかになってもしっかろと存在する酸味が、ワインをヘタレさせず的確に芯を入れる、南仏ワインの熟成の妙の楽しみ。
(92/100)(11月26日)

あんこう鍋にワインを合わせる。あん肝、根菜の旨み、とびうおの出汁、重層的な旨味のオーケストラに、熟成ヴィオニエの角を削ぎ落とした無駄のない円熟の風味が素晴らしいシンクロを魅せた。鍋には様々な具材が溶け込んでいて予想以上に複雑な味わいだが、魚介出汁の鍋には熟成ワインの複雑さを合わせてみるのも楽しい飲み方の一つ。相性: ★★★★★

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