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お魚ブッシュドノエル 本マグロかま照り焼きの暴れる脂に深淵なバローロの世界を展開

年の瀬のデパ地下をウロウロと。お魚惣菜を物色しているとまるでブッシュドノエルのような見た目、豪快な本マグロかま照り焼きを発見。550gで1,071円。クロアチア産の養殖。

ちょうど先日の我が家でのクリスマスパーティーでビーフシチューに合わせたバローロが残っていたので、このかま焼きに合わせてみよう。せっかくなのでサルディーニャ島の赤ワインも開けてみよう。

まずはバローロから。8年ほど前にピエモンテの銘醸を訪問してからすっかりファンになったルチアーノ・サンドローネ。神の雫には第六の使徒として登場。

ルチアーノ・サンドローネ, イタリア, バローロ, アレステ, 2014, 14%
Luciano Sandrone, Aleste, Barolo, 2014, 14%

コアには濃いダークチェリー、エッジにかけて落ち着きを伴うレッドのグラデーション。
香りにはドライフルーツとドライフラワーが高い密度で収斂しながらグッとくる。温度が上がるとフルーツ香がさらに強く、凝縮感ありつつも質の高いボルドーワインのように深淵、静謐。黒鉛にミントの爽やかなフレーバー。複雑ながら静かでどこまでも続くようなフレーバー。
味わいは滑らかでエレガント、それでいて余韻にはグッとタンニンが立ち上がる、そして長い長い余韻。2014年産で9年熟成。まだ早いかもしれないが私にはちょうど良い。黒い果実味にキュッと酸味の効いた赤い果実味もほんのり。瞑想したくなるような深く静かなワイン。
(92/100)(12月27日)

本マグロかま照り焼きにワインを合わせていく。かまから暴れ出る脂。胡椒で引き締めて。ねっとりと濃密、そして磯の香り、優しめの甘辛のタレが脂に絡むまぐろの、いつもとは違う楽しみ。
そこにバローロの深淵な世界、滑らかなタンニン、力はあるがまとまった果実味が暴れる脂を宥め、手懐け、きれいに収束させる。相性: ★★★★☆

続いてサルディーニャ島の赤ワインに。カンノナウ品種で造られるローカルなワイン。

ジュゼッペ・ガッバス, リッローヴェ, イタリア, サルディーニャ, 2020, 14%, 2,695円
Gabbas, Lillove, Cannonau di Sardegna, 2020, 14%

グラス底まですっきり見通せる明るいレッド。
香りにはチェリーリキュール、シェリー酒のようにギュッと詰まった香りがあり重心の高いこの品種をしっかりと低めに。乾いたハーブ、黒胡椒もありスパイシー。潮香もほんのり。樽は使ってなさそうだが微かにヒノキのような背筋が伸びる香りはハーバルな香りの延長か。
味わいには甲高くチャーミングな果実味、甲高い酸味はやや垢抜けないが飲んだ後に鼻腔に迸る潮香。
(89.5/100)(12月27日)

本マグロかま照り焼きに。マグロの暴れる脂にぶつかると甲高い果実味も制御不能になり思わぬネガティブな展開に。とはいえワインの潮香がギリギリ、悪くない余韻にまとめていく。相性: ★★★☆☆

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