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エビ天かじり蕎麦すする 繊細で穏やかな果実味の島根ワイナリーの甲州ワイン

先日の夕食、天ぷらを載せた蕎麦。スーパーの惣菜コーナーで買ってきたかき揚げ、レンコン天にエビ天。エビ天が載っている蕎麦もシーフード認定ということで私のシーフード&ワイン集のNoteに。

和食の麺では過去に、にしんの甘露煮を素麺に載せてワインに合わせていた。厚みのあるタイプのソアーヴェとの相性バッチリ。

蕎麦に載せた天ぷらは遅かれ早かれ麺つゆに浸るが、その直前の刹那のサクサク感を楽しむためにオーブントースターでカリッとするまで温めておく。

蕎麦をすすり、咀嚼の途中で天ぷらを口内参戦。しばしのハーモニーを楽しみ麺つゆで胃袋に流し込む。その余韻が消える前に間髪を入れず、白ワインで追いかける。

合わせたのは島根ワイナリーの白ワイン(甲州品種)。繊細でややスリム、3年少々の熟成も手伝って穏やか、まろやかな果実味で、揚がったエビの強いフレーバーには圧されてしまった。が、蕎麦との相性は素晴らしい。麺はそば粉の比率の高いもので、蕎麦の強いフレーバーが広がったところに、ワインの風味バランス、おしとやかさ、そして何より吟醸香に似たフレーバーが絶妙に調和。

さて、エビ天蕎麦とワインの相性について詳しく。


島根ワイナリー, 縁結, 甲州, 2019, 1,980円

起源は昭和34年(1959年)に遡る。デラウェア100%でのワイン醸造を開始。ワインの原料となるブドウは、生食用のデラウェアや契約栽培の甲州、マスカット・ベーリーAを中心としていたが、適地を求め中国山地の奥出雲町(旧横田町)に自社農園「横田ヴィンヤード」を開園するなどし、シャルドネ、ソーヴィニョン・ブラン、カベルネ・ソーヴィニョン品種といった高品質な国際品種のワインもリリース。
香りには青リンゴ、白桃を微かに、吟醸香のような華やか香り、セルフィーユ、香りのボリュームは控えめでスリム。
味わいには瑞々しくピュア、透明感の高い繊細な果実味。酸味は穏やか。余韻に旨みとほろ苦さを軽やかに。わずかに熟成から来る落ち着きやひっかかりも余韻に。

エビ天蕎麦にワインを合わせる。揚がったエビの力のある甲殻類のフレーバーには、繊細でスリムなワインの風味が圧されてしまう。ケンカはしないが風味バランスが釣り合わずやや物足りない。一方で、そば粉の比率の高い香り高い蕎麦のフレーバーに、ワインが纏う吟醸香のようなニュアンスが絶妙に調和。今回の蕎麦は確か信州あたりの乾麺を茹でたものだったが、出雲そばに宍道湖のシジミの佃煮なんかをちょこっと添えてこのワインを合わせると、蕎麦、トッピング、ワインの島根フルコース。きっと極上の相性だろう。相性: ★★★☆☆

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