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シラスのアンチョビ風味パスタのイケナイ香り サルディーニャの島ワインの潮香

シラス干し1パック(税込み347円)。これで大人のパスタを作ろう。

アンチョビとガーリックをバターで炒め、ざく切りキャベツを投入。茹で上がったパスタを絡めて、トップにシラスを豪快にワサーっと。刻んだ大葉を散らして仕上げ。お好みで黒胡椒を少々。酒のつまみになるシラスパスタが完成。
子供用にはアンチョビ、ガーリック、大葉を抜きにして、大人用を作る前にフライパンを振る。余裕がないときは子供用で調理して半分とりわけ、フライパンに残したものに大人用調味料を投入して料理する。

アンチョビはカタクチイワシの塩漬け。シラスもカタクチイワシの稚魚(イカナゴやマイワシなどの稚魚もシラスと呼ばれる)。アンチョビの風味の強さで繊細なシラスの風味が圧されるかと思いきや…。心配をよそにシラスの一歩踏み込んだ旨味、磯の香り伴うほろ苦さの魅力を引き出してくれた。さすが親子!親子丼ならぬ親子パスタ。ガーリック、バター、胡椒にアンチョビ特有の発酵した魚の香りが絡み、口内にはイケナイ香りが溢れる。そこに白ワインをゴクっと、背徳感と口臭をリセット。

合わせた白ワインはイタリア サルディーニャ島のヴェルメンティーノ品種、北部の山あいのトレンティーノ・アルト・アディジェ州のピノ・グリージョ品種。どこか海岸を歩いているような潮の香りを伴うサルディーニャの島ワインが、シラスとアンチョビの風味に活力を与え、料理の風味をさらなる高みへと導く。

さて、シラスのアンチョビ風味パスタとそれぞれのワインの相性について。


パーラ, ソプラソーレ, ヴェルメンティーノ, イタリア, サルディーニャ, 2021, 13.5%, 2,376円
Pala, Soprasole, Vermentino di Sardegna DOC

1950年創業。1990年に全てのブドウ樹をサルデーニャの地ブドウ品種に植え替え。このワインには標高150~180mに位置する畑から、樹齢平均35年のブドウを使用。ステンレスタンク発酵。
香りにはフレッシュな青リンゴ、グレープフルーツに微かにライチと白桃、セルフィーユのハーブ香やフラワー香。海岸の潮風や貝殻の香り。フレッシュで軽快ながら個性が凝縮。
味わいには瑞々しくもグリップのある果実味が伸びやか。こぎみよい酸味と塩味、中盤からほろ苦さ。余韻はフレッシュで爽やかながらヴェルメンティーノ品種の楽しみが凝縮。

シラスのアンチョビ風味パスタにワインを合わせる。シラスにワインのほのかな潮香、大葉にワインのハーブ香、そして強めに効かせたアンチョビ、バター、ガーリックにも負けないワインの果実味のボリューム。全てがかみ合い幸せな余韻に誘う。相性: ★★★★★


テルラン, ピノ・グリージョ, イタリア, アルト・アディジェDOC, 2021, 3,366円
Terlan, Pinot Grigio, Alto Adige DOC, Italy

アルプス山脈の麓にあるワイナリー。ピノ・グリージョ品種は標高約300m以上の斜面の場所に植わる。寒暖差が大きく、ブドウの酸は高いレベルで保たれる。土壌にはミネラルも豊富。
香りには青リンゴ、マルメロのハリのある瑞々しい果実香、ライムの引き締まった香りもほのかに。微かにイースト香、白い花。白胡椒のヒントがワインを心地よく引き締める。
味わいには瑞々しくハリのある果実味、キュッとした酸味が心地よい緊張感。ほのかな塩味と余韻のほろ苦さがワインに抑揚与えていて楽しい。癒しの果実の滋味が上品に広がる。

シラスのアンチョビ風味パスタに。シラスの優しい風味に透明度の高い果実味とミネラルが寄り添う。山のワインと海の恵みの抱擁。バターとガーリックの香りに、涼やかな山のワインが与えるリフレッシュが心地よい。相性: ★★★★☆

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