見出し画像

パクりの流儀〜ライオンキングは二次創作だった?〜

こんにちは。
トトロはカビゴンの親戚だと思ってる松木蓮です。
#既視感


(3406文字 / 約7分で読めます)

ちなみに、トトロの正体について真面目に説明すると、あれは日本の古代神で縄文時代くらいにまで遡るようです。この辺の描写は映画内の土器などで綿密に描かれています。
#岡田斗司夫さんのYouTubeのジブリアニメの解説が面白いです

さて、今日は「パクりの流儀」というタイトルで、「世の中的にパクりや模倣ってよしとされないけど、本質的にはそれって生き物として間違っているよね」という感じの話をしたいと思います。


▼パクりはなぜ非難されるのだろう?

パクりといえば、既存のものを真似て新たに違うものを作ること。中国の御家芸ですね。僕はパクり自体にはそんなダメだとは思わないのですが、上品さが欠けているモノについては良くないなぁと思います。

世界的デザイナー佐藤オオキさんの書籍でこんなことが書かれていました。

”ゼロからアイデアを考えるのもデザインですが、すでに存在するものにアイデアを付加することも、立派なデザインです。デザインリテラシーの低い地域では、これを「盗作」と誤解してしまうこともあるようですが(さらにリテラシーが低い地域では、パクること自体が日常的なのでそんな議論も巻き起こりませんが……)、欧米では「リデザイン」という名称で市民権を得ています。”

佐藤 オオキ. 問題解決ラボ (Japanese Edition) (Kindle の位置No.1068-1072). Kindle 版.

つまり、デザイン的角度から見ると、似たようなものを作るというのは全く普通のことで、立派なデザインとさえ言っています。大元のエッセンスを取り入れて、それを軸に作り直すことからも新たな価値は生まれているので、それって全然ウェルカムなことですよね。

特に車などではマイナーチェンジ(BMWやフォルクスワーゲンなど)がよくされますが、日本車にはそれが少ない。これについて、佐藤オオキさんは日本人がどうもパクりを嫌厭しがちな理由と合わせてこう説明しています。

”その点、日本車はキレイさっぱり「捨てる」のが好きなようで、新しもの好きというか、新陳代謝への抵抗感が少ない。その気質こそが戦後の日本をモノづくり大国に押し上げたわけですが、これからは日本らしい「リデザイン」の発想も求められているかもしれません。”

佐藤 オオキ. 問題解決ラボ (Japanese Edition) (Kindle の位置No.1080-1082). Kindle 版.

なるほど、精巧で耐久性のあるモノづくりで有名な日本の裏側にはこうした背景があったようです。

一方で、日本は他を真似ることをやってこなかったかというと、全くそんなことはなくて、明治維新や戦後はヨーロッパやアメリカに追いつく一心で色んなものを見て回りました。

大日本帝国憲法なんかはドイツの憲法に基づいて作られたというのは中学日本史でも出てきますよね。法律は、明治維新以降はヨーロッパ大陸法の流れを汲み、戦後は(主にアメリカ)英米法に由来していると言われています。

なので、めちゃくちゃパクっているんですよね。


▼北欧留学大使はもろパクり

かくいう僕も真似できることはどんどん真似ていこうというマインドを持つようにしていて、それでハッピーになる人が増えれば良いと思うんですね。

ちょうど一年ほど前にインスタグラムアカウントで「北欧留学大使」というのを作りました。


画像1

これが僕がやったパクりの例です。

アカウントの趣旨としては、
ー北欧に留学したい人の「情報収集の場」
ー北欧に留学してる人の「情報発信の場」

です。

実際に留学している方を大使として迎え入れ、1週間現地の生活や学校の様子、出願方法などなどを発信してもらいます。最初は大使をお願いすることもあったのですが、今はやりたい人から連絡をもらって運営しているという感じです。

色んな人から「北欧留学大使のシステム良いね〜」と褒めていただけるのですが、実は僕のオリジナルではないんです。

で、肝心の何をパクっているのかということなのですが、僕が学部時代に留学していたスウェーデンのルンド大学の公式アカウントです。

このアカウントではルンド大学に留学を考える人に対して、実際に留学中の学生が大使(Ambassador)として発信しています(何回投稿するのか、期間などの詳細は不明)。色んな国からの留学生が大使としてルンドでの生活を発信していて、僕自身見ていて結構面白いなと思っていたんですね。

このアカウントのエッセンス(現役留学生と潜在留学生の待ち合わせ場所)だけを抽出して、ターゲットは日本人に絞ってやり始めました。もちろん、範囲は北欧全体で、多くの日本人は漠然と「北欧」というエリアとしての認識が強いので、ニッチになりすぎない(スウェーデン留学大使にすると発信者を見つけるのが難しくなって運営が厳しい)。

北欧留学なので大化けすることはないでしょうが、大ゴケしているというわけでもなく、現在は700人前後の北欧留学を考える人の情報収集場所として機能しています。ちなみに、コロナがなければ一斉に交換留学生が北欧にくるので結構化けてたんじゃないかなぁと思いますが。

それから、バックエンドとして発信者(大使)が集まるスラックコミュニティーもあって、こっちではもっと密な繋がりを目指しています。成果としては、大使を務めてくださった方(僕は直接お会いしたことがありません)がポッドキャストのMCをやってくれていて、積極的に動いてくれています。

このアカウントの中期目標(コロナ次第ですが)としては、北欧留学大使を見て、北欧留学を実現し、その人が今後は大使をやる、と言ったサイクルを作ることです。バックエンドコミュニティーもその都度大きくなるので、ここから北欧に根ざした新規事業が生まれたりしたらめちゃくちゃ面白いなと思います。

ということで、僕が実際にパクった例でした。


▼パクりの流儀

さて、そんなわけでパクりを肯定して終わりにしようと思うのですが、パクりの流儀を伝授します。なぜパクった方が良いのか?どうやってパクるべきなのか?です。

其の壱)失敗確度が下がる
実際に試した結果物のエッセンスを抽出して自分のものにすれば、それ自体上手くいくかどうかがすでに結果で現れているので上手く行きやすい。先ほどの北欧留学大使がそれです。

ちなみに企業レベルだとスタートアップが上手くいった事業をまんま大手が低価格でパクって潰すというのは常套手段ですが、まあ資本主義なのでこれは仕方ないですね。→大手が入り込めないところを切り込むのが良さそう

其の弐)生存戦略
其の一と被る部分があるのですが、そもそも先代の知恵や経験を生かして人間は発展してきたわけですから、パクることを否定してしまったら人類の進化の歴史を否定することになります。

つまり、「そこの曲がり角には落とし穴があるから、こっちから行った方が良いよ」みたいに他者のノウハウを活かすことが自分を生かすことに繋がり、結果人類としての生存戦略になっているということです。

其の参)品を忘れない
大元のエッセンスを抽出して新たな価値創造をするというのがパクるとするなら、それは大元と同等以上のものでなければならないと思います。そのエッセンスを使っておきながらそれ以下のものを使うのは侮辱や冒涜に値します。お隣の国、、品を持って、敬意を忘れずに学び真似るというプロセスが大切だと感じます。

なので、今日のブログは見方によっては「パクり」というよりも、「オマージュ」に近いかもしれません。

*****

大人気ディズニー映画「ライオンキング」をご存知の方も多いと思いますが、実はある日本の作品の模倣なのではと言われています。それが手塚治虫さんの「ジャングル大帝」です。

色々検索かけてみれば、「絶対パクりだろ!」だとしか思えない描写やストーリー展開、キャラ設定ばかりなのですが、一応ディズニー側は否定をし続けているよう。

エンタメの巨人としてのプライドなのか、当時のジャパニーズアニメへの信用の欠落なのかは定かではありませんが、「はい、オマージュです。ジャングル大帝最高!手塚治虫ブラボー!」と認めれば王者としてカッコよいし、それこそライオンキングならぬエンタメキングたる態度だなぁと思ったり。

そんなわけで、パクりは悪くないと思うよーという内容を書いてみました!最後にかの有名な映画監督黒澤明の言葉を載せて。

「創作とは、記憶である」

いただいたサポートで、心の栄養を蓄えようと思います。よかったらサポートお願いしますo(^▽^)o