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デンマークの大学院の試験方法

リンツのチョコレートが好きなのですが、適切な温度がいまだにわからない松木蓮です。
#冷蔵庫に入れたら固まるし
#常温だとトロトロすぎる


さて、改めまして僕の自己紹介をさせていただくと、現在デンマークという国の大学院に在籍しておりまして、修士課程も2年目で残すところあと修士論文をいう佳境に差し掛かりました。

元々2019年夏にノルウェーの大学院に進学したのですが、プログラムの関係で2年目よりデンマークに移動になったという感じです。専攻はソーシャルワーク(Nordic Master in Social Work and Welfare)です。修士論文は「高齢者福祉のデジタル化」という分野について研究する予定です(まもなく)。

学部時代にスウェーデンに留学していたということもあり、北欧にはそこそこ想い入れがあり、北欧を憧憬の的として渡航を夢見ている人がいることはよく知っています。それは旅行レベルでもそうですし、留学という中長期的な滞在でも同じです。

それなりに北欧への留学経験がある僕から何か提供できるとしたら、大学院の手触り感というか、現役生としてわかること(渡航しなきゃわからないこと)を発信していくことだと思っています。デンマークに留学している人、博士課程の方などもそこそこいるっぽいですね。

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というわけで、今回はデンマークの大学院にはこんな試験方式があるよという内容を書きます。あくまでも僕のプログラムでは、、という話ですが、それでもなんとなく海外の大学院の輪郭が掴めればと思います。

▼試験方法3種

デンマークにきてから半年ほどで、滞在するのもトータルで一年ほどです。後半半年は修士論文なので、それまでの前半でどんな試験があったのかを書きます。

僕のプログラムでは、授業は大きく3種類あります。それぞれが相互的につながっていて体系的にソーシャルワークを学ぶというデザインがされています。


まず1つ目。

「グループプレゼンテーション」(5ECTS)

これが一番最初にあった試験です。学期始めにプログラムメイト内でグループを組んで(各グループ3、4人)、そのグループでフィールドワークに行きます。ソーシャルワークが絡んでいる施設などに訪問して、そこから得られたことなどを座学で学んだ理論に紐付けてプレゼンテーションしました。

プレゼン当日に向けて、グループでパワーポイントを作成します。1グループにつき試験時間は(たしか)40分程度。前半20分でプレゼン、その後質疑応答が20分。試験管は2人で、質疑応答はこの2人を中心に同じプログラムメイトも質問できます(あくまでも成績をつけるのは試験管)。

この試験での成績は「Pass or Fail」という2択でした。


2つ目の課題。

「課題論文」(10ECTS)

正確にいうと論文とは言えないのですが、良い言葉が見当たらなかったので。これは一般的な試験方法かなと思います。指定されたフォーマットに従って、文章を書くというごくごくシンプルな試験です。おそらくこの手の試験が一番メジャーです。

今回の課題論文は「3500words」が上限でした。少なすぎず、多すぎずという文量かなと思います。これまでの経験上、3000〜4000wordsの課題論文がほとんどです。

こちらの成績にはしっかりと数字が付きます。デンマークの成績の付け方がすごく不思議なのですが、詳しくは以前のブログに書きました。簡単にいうと、日本やその他ヨーロッパ諸国だとABCDEFなどで付けられると思うのですが、デンマークだと不規則な数字で成績が出るんですね。


最後に3つ目の成績の付け方について。

「グループワーク&論文&プレゼン」(15ECTS)

これが一番重い課題です。1つ目の課題ではグループでやったと思うのですが、そのグループのままこの課題もやります(そう!だからグループメイトが超重要!)。

以前のフィールドワークで訪問した際に感じた疑問やそこで起きている課題から問題提起し、もう一度そこにアポ取っていってインタビューなどをします。これはPBL(Probelm Based Learning)というやり方で、他の国でも採用されている研究方法です(つまるところ、実地調査から問題点を発掘し、その解決策を見出す)。※PBLはデンマーク発祥というわけではない

インタビュー方法(学術的にはいくつかインタビューの仕方がある)、どんな理論に基づいて研究を進めるのか、などを全てグループ内で考えます。各グループに監督員(Supervisor)が1人付き、その人に相談やアドバイスをもらいながら進めていきます。

インタビュー結果などのデータが取れて、分析・考察などをも終えたら論文執筆に取り掛かります。この論文は先ほどの課題論文とは違って、修士論文の形と似ています。

つまり、

_Introduction
_Reserach Design
_Theoretical Framework
_Methods
_Result
_Discussion
_Critical Reflection
_Limitation, Strength, and Future Research
_Conclusion
_Reference

などと言った構成の論文です。文字数はグループで「12250〜14000words」です。各パートを各人が担当したり、1つずつ皆んなで書いていく、などはグループに拠ります。

課題提出を終えると、それに対する口頭試験があります(defendなどと言う)。グループ単位で行われ、時間は1時間程度。試験管は2人(Internal Examiner(=各グループの監督者と同一人物)、External Examiner)。最初にそれぞれが5分程度プレゼン(論文や研究について)して、その後質問攻めに遭います。

成績は2つ目の試験と同じで、数字がつくタイプで、論文50%と口頭試験50%の比重です。この課題は2ヶ月以上に渡るグループワークです。グループメイトが超超々重要です。


以上が、僕がこれまでに経験したデンマークの大学院の試験方法です。デンマーク内でも他のプログラムではどうなのか?他の国ではどうなのか?については分かりかねますが、一例として捉えてもらえると良いかなと思います。

デンマークのカリキュラムのデザインの仕方の特長として、体系化されているというのがあるように思います。今回あげた3つの授業(課題)はどれも独立しているように見えますが、内部で繋がっているものでして、体系的あるいはステップを踏みながら深められるのは良いと個人的に思います。

大学院の出願ページや募集要項、カリキュラムなどではなかなかわからない内部の様子を書いてみました。参考になれば嬉しいです!

それでは!



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