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Third Way 第3の道のつくり方 (著・山口絵里子さん)

カバーの写真はこちらのイベントの時のものです。

#山口絵里子さん  のこの本のことをnoteに書きたいな、と思っていたのですが、色々バタバタでようやく今日を迎えました。

目次です。

はじめに 二項対立を超えて
第1章 社会性とビジネスのサードウェイ
第2章 デザインと経営のサードウェイ
第3章 個人と組織のサードウェイ
第4章 大量生産と手仕事のサードウェイ
第5章 グローバルとローカルのサードウェイ
おわりに
世の中には、ほとんどすべてのものごとに、二つの軸が存在する。
言葉を換えると、すべてのものごとには裏も表もある。

こうした真逆(だと考えられている、それが世間の常識になっている)のものを、間を取って落としどころを探るのではなく、まったく別の新しい道、打ち手を考えだして、それを粘り強くやり抜こうとする実践やその意思が「サードウェイ」だと理解しました。

実は、この本を読み始めてすぐに思い起こした本があります。

この本には"「ORの抑圧」をはねのけ、「ANDの才能」を活かす"という挿話があります。

ビジョナリー・カンパニーは、この「ORの抑圧」に屈することなく、「ANDの才能」によって、自由にものごとを考える。「ANDの才能」とは、さまざまな側面の両極にあるものを同時に追求する能力である。

この本「サードウェイ」では、「ANDの才能」をどのように発揮してきたか、その実践の過程を、山口さんのナマの言葉で語られています。実践者、自分の心身で体験した人の言葉にしか宿らない説得力を感じました。

対立しているようにどうしても見えてしまう2つのもの、その

「両者のいいところを組み合わせて、新しいものをつくる」

ことこそが「サードウェイ」です。

サードウェイを選び出すには、まず第一に「それぞれの素敵なところを見つける」こと。これには観察力や想像力が要求されます。しかし、そもそもそれ以前に、その対象と真正面に向き合い、受け入れてみなければなりません。そして、このプロセスの先に「必ず何か新しいものをつくりだしてみせる」という信念が求められます。そして、「つくりだされた」ものを持って、担いで、一歩踏み出す勇気。怖々ながらも「どうでしょうか?」と問いかける勇気。最初の一歩であればその勇気は持ち易いものの、成功体験を持っていたら新しいチャレンジには臆病になってしまう。それをどうやって乗り越えるか、山口さんがその過程で感じたこと、考えていたことが書かれています。

第1章で「社会性」と「ビジネス」の面から見た「サードウェイ」について、書かれています。この本のハイライトの一つはここなんでしょうね。

「ビジネスのことが大事だ」ということと、
「社会貢献を大切にする」ということは矛盾しない。
ビジネスが大きくなればなるほど、
よりよい社会のために動けるより大きなパワーを
企業はもてるはずだ。

「サードウェイ」とは、一見相反するようなもの(たとえば「社会性」と「ビジネス」)を車の両輪のようにして回すことで、厳しい環境の中で突き進む力強さや、より遠くまでたどり着けるだけのスタミナやエネルギーを生み出していくことなんだと思いました。しかし、社会的なインパクトを追求するためには、「社会性」の要素が無くても商品・サービスとして広く受け入れられる、「ビジネス」としての強さを備えることの大事さを、山口さんが強調されていたのはとても印象的でした。

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本を読み終えて、あらためて感じたのは、マザーハウスさんに、ほんの僅かではありますが、投資家として関われて良かったということです。 #鎌倉投信  さんが投資家としてマザーハウスさんと関わりが無ければ、一生、出逢うことすらなかったかもしれません。こうした出逢いこそが投資を通じた「こころの形成」の一つの側面なんだな、と思います。

山口さんのnoteアカウント、「サードウェイ」の一部が紹介されています。


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